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2018.11.15

冷えない女は「漢方」を知っている

女性なら誰でもがキレイになりたいと願うはず。でも「冷え」ていたらキレイはどんどん遠のいていくばかりです。寒い冬でもほっこりと温かな美人でいるために、近頃話題の漢方を味方につけて、冬将軍と闘いましょう。

 

 

生み育てる「相生」と制御する「相克」の五行理論

 

 

木が燃えて火になり灰は土に。土は堆積して鉱石を生み、その地中から水が流れて木を育む。自然界を構成する代表的な5つの要素が互いに影響を与え合いながら、ひとつのバランスを作る。五臓もまた作用し合いながら健康を維持します。

 

 

監修したのは……仙頭正四郎先生

仙頭クリニック 院長
日本東洋医学会 漢方専門医 
日本内科学会 内科認定医
東京医科歯科大学医学部非常勤講師・臨床准教授
順天堂大学医学部非常勤講師

 

 

北風が吹く冬、手で触れたドアノブなどが「冷たい」と感じる冷気は、誰の周りにも存在し、人も物と同様に冷やされます。でも、そのなかに「寒さ知らずの〇〇さん」もいて、冷え症の人ばかりがなぜ冷えるのかと不思議に感じたことはありませんか? さらに女性は、月経周期により毎月一度、女性ホルモンの変化による影響を受け、貧血をはじめ、体温の変化や自律神経の影響も受けやすく、冷えやすいという特性があります。しかしながら多くの生き物は冷たくなりません。それは、体に蓄えた熱を体表へと絶えず運んでいるから。この働きに支障が生じると、「冷え」が生じます。その原因は「熱の量」と「熱を運ぶ仕組み」に大きく分けられます。西洋医学では冷え症のような病態概念がないので、それに対する対症療法もありませんが、病気と健康の間の未病領域も観る東洋医学には得意分野。陰陽論や五行、気血水など自然界と全体のバランスを整える視点を生かした漢方による根本治療で、薬のいらない状態を目指します。また、漢方薬はサプリメントとの併用もできますが、あれもこれもと体になにかを取り入れることを考えるよりも、香りや盛り付けなど五感を生かした取り組みで、毎日の食事を楽しむ姿勢で、自ら積極的に参加して自身の生活で工夫をこらすことも大切です。「楽しさ・うれしさ・明るさ・豊かさ・幸せ」といった、私たちが人生において追い求めるものには「温かさ」があります。一方、「冷え」は生命力を脅かし、機能の低下を意味するだけでなく、心にも影響し外見にも現れます。「熱」はどんなに素晴らしいエステよりも、キレイに影響力を持つもの。そしてキレイの3原則は、うるおいと張り、それを極める明るさです。冷えと決別し、太陽のように生き生きと、周囲の人をも温かくするような素敵な女性を目指してください。

 

 

 


 

 

「陰陽論」は現代にも通用する古代中国の自然哲学

 

 

陰陽論では、陽が活動的、亢進的、発散的。陰が抑制的、収斂的、寒冷的と相反する性質がお互いに影響を与え合って、それぞれのパワーは変化し続ける。勾玉のような形は陰が強くなると陽が弱まり、陽が強くなると陰が弱まり、それぞれ支配される。体のリズムも同じ。

 

 

 

「気」「血」「水」が体を構成する3大要素

 

 

気は生命の根源として体中をかけめぐるエネルギー。血は体の隅々に栄養を運び滋養を与える血液の流れ。水は体をうるおし、興奮を鎮めて疲労を解消する体液の流れ。体の中の営みはこの3つによって1つにつながっていると考えるのが、漢方で観るときの体の中のしくみ。気・血・水のバランスの状態が体の健康を観るバロメーターに。

 

 

 


 

 

自分のタイプを知って、原因と対処法から冷え養生

 

「冷え症」といっても、お腹が痛くなる人、手足の末端が冷たくなる人と、人によって違う症状が現れます。✓が一番多かったタイプをあなたの冷えの手がかりに、漢方の「熱を大切にする」アプローチでこの冬は温かに。

 

 

A 【熱の量に問題あり】

 

外気で冷やされた体は、体に蓄えている熱で温めますが、貯蓄が少ないと十分に温めることができません。少なくなる理由で2タイプに。

 

 

A-1:「産生不足」タイプ

 

\こんな人/

いつも元気がない
やせ型で疲れやすい
感情の起伏が少ない
食欲がなく胃腸が弱い
運動不足

 

生命活動レベル低下で熱の産生&貯蓄不足

生き物はもともと熱を持っているのではなく、筋肉運動、食事を分解する力、気分の高揚などの生命活動で熱を作ります。熱を作る働きが弱いこのタイプはやせ型で疲れやすい人が多い。気血水を巡らせる力を強めることが大切。

 

 

対処法:体をよく動かして熱をたくさん作る

 

 

「日常の運動」
筋肉が収縮するときに大量の熱が発生します。運動不足が続くと活動レベルが下がり、熱の貯蓄も減るので、積極的に体を使い、楽しく食事&十分な睡眠で回復を。

 

 

 

***

 

 

A-2:「無駄使い」タイプ

 

\こんな人/

□ 夏は冷房が必須
□ 冷たい飲み物が好き
□ 冬でも冷たい物を食べる
□ 緑茶・コーヒーをよく飲む
□ 薄着が好き

 

産生量は正常でも熱の消費が不必要に激しい

夏は冷房なしでは過ごせず、冷たい物が好きで冬でもビールやアイスクリームが大好き。体を冷やす緑茶やコーヒーを習慣的に多飲して、手足や首が出る薄着の人は、内外から熱を無駄に放出しています。熱を逃がさない工夫を。

 

 

対処法:要所を覆って熱を逃がさず熱の消費は堅実に

 

「衣服の工夫」
無理に厚着をしなくても、手・足・首元、脚の付け根や腋、肘・膝、足の裏やへそまわりなど熱を逃がしやすい場所を覆う工夫を。内側からも冷たい飲食は控え熱の無駄使いを防いで。

 

 

 


 

 

B 【熱を運ぶ仕組みに問題あり】

 

体の内に蓄えた熱を体表まで運ぶ、良好な熱の巡りが必須。運ぶ器の血とその動きの調節をする気の流れに問題がある3つのタイプ。

 

B-1:「器の不足」タイプ

 

\こんな人/

□ 顔色が悪い
□ 乾燥肌で爪が割れやすい
□ 髪の毛が薄く艶がない
□ 生理の後半に痛みがある
□ 手足の末端が冷える

 

血液量の不足で体表や末端部に支障が

熱は器となる血液に乗って運ばれます。血が少ないと少ないなかでやりくりしようとするため、末端部分の配分優先順位が下がり働きが低下して冷えに。顔色が悪く乾燥肌、めまい、髪が薄い、末端の冷えなど貧血の症状がある人。

 

 

対処法:血液増加のチャンスは夜間の睡眠中にあり

 

 

「貧血改善の食事と十分な睡眠」
栄養バランスの悪さや無理なダイエットなど食事内容の見直しと、睡眠時間を十分とって血液が増えるように、夜型生活など生活習慣の改善で貧血の改善を。

 

 

 

***

 

 

B-2:「障害物過多」タイプ

 

\こんな人/

□ 空腹でなくても食べる
□ 摂取カロリーが高め
□ 脂っこい物が好き
□ 水分を大量に摂る
□ 寒がり&暑がりで肥満傾向

 

熱の巡りの悪さをする邪魔物の水が停滞

熱の流れを邪魔する障害物とは、水と関連する病理産物。余分なものは保冷剤や蓄熱材となり、夏は暑がりなのに冬は寒がりと両極端なタイプの冷え症。太り気味で汗かき、飲む量のわりに排尿が少ない、と水の巡りにムラがある。

 

 

対処法:一度にたくさん飲まずにのどが渇いたら少しずつ

 

 

「過剰飲食を避ける」
水は自ら動かないので、体の力で動かさなければ邪魔物になるということを忘れずに。空腹感やのどの乾きと関係なく大量に摂ることで蓄積するので注意を。

 

 

 

***

 

 

B-3:「器の流通悪化」タイプ

 

\こんな人/

□ 傷痕が残りやすい
□ 歯茎や爪の色が紫がかっている
□ 肌がくすみがち
□ 手足が冷える&痛い
□ 生理の前半に痛みがある

 

熱を運ぶ器、血液の巡りを維持する気が不足

手足の末端の冷えやしびれ、皮膚のトラブル、月経痛などが現れやすい気の働きが不足するタイプ。血を巡らせるには熱の役目が重要で、熱で巡りを回復させることと、巡りによって熱を維持することは表裏一体です。

 

 

対処法:明るい気持ちで前向きに毎日こまめに活動を

 

 

「明るく気楽に動く」
好きなものを見たり聴いたり、毎日を明るく活動的に。体を動かすことを面倒くさがらずに積み重ねるような工夫が器の巡りを良くします。寒いからとじっとこもっていてはダメ。

 

 

 

 ***

 

 

B-4:「気の滞り」タイプ

 

\こんな人/

□ 手足は冷えるが顔はほてる
□ 寝つきが悪い、夢を見る
□ 大声で笑うことが少ない
□ 生理前に胸が張り周期が乱れる
□ イライラしやすい

 

熱の不足と過剰が同居する気の滞り

気の先導により、体の隅々まで行き渡るはずの血液は、ストレスや抑うつ気分で滞って中心にこもります。中心に熱が過剰で末端では不足、手足は冷えるのに顔はほてる、冷えのぼせタイプ。イライラ、不眠、肩こり、頭痛などの症状も。

 

 

対処法:「いやいや、しぶしぶ、くよくよ」を封鎖でポジティブに

 

 

「いやな考えをなくしわくわく気分」
いやなことは先送りしてうれしいことは先取り。1日1回は大きな声で笑いましょう。頑張りは80%程度に、笑顔で過ごせる余裕を持って気を巡らせて。

 

 

 

 

2017年『美ST』1月号掲載
イラスト/カワムラナツミ 取材/井上美由紀

 

 

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