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2016.12.29

提供したくないデータの1位は「位置情報」、IoT社会への最大の壁は…? 

citrus

 

あなたはスマートフォンの位置情報サービスの設定を「オン」にして使っていますか?

 

NTTデータ経営研究所の「パーソナルデータに関する一般消費者の意識調査」によると、マーケティング等の利用目的で企業に提供しても良いと思うデータのうち、「どのような条件であっても提供したくない」と答えた人が最も多かったのは“位置情報”であるということがわかりました。

 

 

■「位置情報を知られるのは怖い」理由を教えてほしい

 

趣味・嗜好、年齢・生年月日、家族構成、学歴・取得資格、購買履歴など、数ある個人情報を差し置いて、位置情報がNo.1になるとは……みなさん何をそんなに恐れているのでしょう?自分の居場所を誰かに知られるなんて、“なんとなく気持ち悪い”というだけではありませんか?

 

そもそも企業が位置情報“だけ”しか取得していなければ、「ここにいる“誰か”が、あのサービスを使っているんだな」くらいのことしかわかりません。位置情報と他の様々なデータを組み合わせることで、やっと「あのサービスをここで使っていたのは、“あなた”だったんだ」と特定することができるのです。

 

もちろん、TwitterやInstagramなどのSNSを非公開設定にしないまま、リアルタイムでチェックインする(位置情報付きの投稿をする)行為は、自己防衛の観点から言えば、完全にアウトです。だからと言って、スマートフォンの位置情報サービスの設定を「オン」にして、企業が提供する位置情報サービスを利用すること自体が危険だと断定するのは、あまりにも短絡的ではないか、というのが筆者の見解です。

 

 

■私たちの位置情報は何に使われているの?

 

何が危険なのかわからないけど、なんとなく気持ち悪い――もし、そんな理由で位置情報サービスの恩恵にあずかることができていない人がいるのならば、もったいない。

 

企業がどうして位置情報の提供を求めるのか考えてみれば、少しは恐怖が薄れるかもしれません。企業が位置情報を取得する目的は様々ですが、大きく3パターンあるのではないかと推測してみました。それぞれの事例とともに見てみましょう。

 

 

1. 位置情報サービスそのものが商品 or 位置情報を使うことで商品価値が上がる

 

言うまでもなく「Google Maps」をはじめとする地図サービスは、位置情報を使わなければ、その便利さは半減してしまいます。「Uber」などのタクシー配車サービスも同じですね。

 

「NIKE + RUN CLUBアプリ」のようなランニングサポートアプリは、ランニングした距離を記録するために位置情報を使用します。NIKEにとってはランナーをサポートすることがブランディングにもなり、ランシューズなど商品の売上にもつながるでしょう。

 

あるいは、子供や高齢者を家族で見守る「Life360」は、家族間で位置情報を共有し合うことで、どこに誰がいるか把握できるほか、助けが必要な時にはワンタップで緊急通知を送ることができます。このサービスは無料プランと有料プランが設定されているため、位置情報サービスそのものが商品であると言えます。

 

 

2. 位置情報をマーケティングデータとして収集することで個々のユーザーにぴったりの情報を届ける

 

ポイントカードやクーポンをフックにしたアプリで、位置情報を提供すると近くの店舗のお得情報が届くといったものが一般的。例えば、良品計画の「MUJI passport」は、ポイントカードとして利用できると同時に、店舗で位置情報を使ってチェックインするとマイルが取得でき、マイルが貯まるとショッピングポイントに交換できるという仕組みになっています。

 

同様に、ユニクロの「UNIQLOアプリ」もポイントカード代わりに使えるだけでなく、位置情報を使えば店舗内のどこに商品があるのかアプリ内でチェックできたり、当該店舗の商品在庫を自分で調べることもできます。これらのアプリは位置情報でユーザーの利便性を向上しつつ、マーケティングデータとして収集することで、顧客の再訪促進などに活用しているのです。

 

 

3. 位置情報を使ったゲーム系 or 便利系アプリ

 

2016年、一世を風靡した「ポケモンGO」は、位置情報の利用に対する心理的な抵抗を大きく下げたアプリのひとつではないでしょうか。他にもディズニーリゾート内で位置情報をオンにすると、座席指定券が必要なショーの抽選ができる「ショー抽選アプリ」、スマートフォンを紛失したり盗難されたときに便利な「iPhoneを探す」や「Androidデバイスマネージャー」といったアプリも位置情報がなければ有効に機能しません。

 

 

■IoT社会の実現にはみんなのITリテラシー向上が必要

 

実際に位置情報が脅威となるのは、空き巣やストーカー、誘拐といった悪意の人間によって追跡されたときです。これを防ぐには、何でもかんでも位置情報の提供を許可するのではなく、どのアプリやサービスが、位置情報をベースとしているかを認識した上で、必要な時に必要なところで使うという意識を持つことが大切。

 

定期的にアプリを見直し、いつのまにか知らないアプリが入っていないかチェックするとともに、多くの情報が詰まったSNSのアカウントをログインのために乱用しないことも防御策になります。

 

今後IoT(Internet of Things=モノのインターネット)が普及するにつれ、位置情報の活用がますます広がることは確実です。すべての人が個人情報を提供するのを拒んだら、いま社会が目指しているイメージは実現できません。情報を提供することを拒絶するのではなく、個人情報のセキュリティを管理するスキルを身につけ、「利用されるのではなく、利用する」積極的な姿勢で、未来へ臨みたいものです。

野本 纏花

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