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2017.01.11

誰が悪いかなんてどうでもいい…吉祥寺保育園問題に対する地元民の率直な意見

citrus

 

1月下旬が近づくと、保育園入園選考の不承諾通知を受け取った時のやり場のない気持ちを今でも思い出します。そう、まさにこの時期は4月入園の保育園一斉申込の選考結果を迎えます。育休中の働くママ、そして待機児童を持つママにとって「審判の日」が訪れるのです。

 

昨年末、「保育園落ちた」が流行語大賞トップテン入りしたこともあって、待機児童問題は社会問題として誰もが知ることになりました。それでも、希望の保育園に入れるかどうかは首都圏においてはフルタイム勤務の共働き家庭であっても厳しい状況のままです。国や自治体が緊急対策をとっていても、必要とされる地域に入所可能な保育園が不足しているのです。

 

 

■保育園新設ニュースにぬか喜び

 

そんな中、筆者の居住に近いエリアで起きた、保育園新設を巡る騒動について話しましょう。吉祥寺周辺、保育園不足が深刻化していた武蔵野市でのこと。新規に保育事業へ参入しようとする民間の会社がありました。市報でも翌年4月に定員81名予定の新規認可園ができるとの知らせがあったのを覚えていますが、秋頃にその会社の撤退申し出によって保育園新設が白紙になったのです。一体どうなっているの?と話題になり、新聞や週刊誌でもとりあげられたことで事の成り行きがみえてきました。事実がどうだったのか本当のところはわかりませんが、ただひとつ言えるのは不満の思いを皆が抱えてしまったことです。

 

早い話、近隣住民から反対の陳情書が出されたのです。建設予定地前の道路が狭すぎて危ないから、地域住民の合意もなく説明が不足しているからという理由に加え、その民間の事業会社が保育事業として実績が無く不信だからとして反対の声を集めたのです。さらに、反対する地域住民だけでなく、それぞれを支援する市議の対立も巻き込んだ挙句、事業会社が撤退を余儀なくされたというわけです。仕方ない、当然、どれも一理あったのかもしれません。でも、そんなことはどうだっていいんです。新設保育園ができるというぬか喜びをさせられ、来年度の入園枠が少しでも広がるチャンスを奪われたことは、待機児童問題の改善を願う一人として許せないことと感じます。

 

 

■挙句の果てに、議員同士が足の引っ張り合い…

 

自治体側が新規参入の保育事業会社を事前にしっかり審査すればよかったのにと思うと同時に、実績がない企業を手厚くサポートする仕組みはつくれなかったのでしょうか。保育の力になりたいという思いがあって名乗りを上げる事業会社を不信の目で叩くのではなく、資金面も含めて保育事業を軌道に乗せるための応援をできなかったのでしょうか。議員同士の足の引っ張りに関しても情けない気持ちになりました。その後、事業会社からは反対住民を支持していた市議に対して名誉毀損、誹謗中傷の陳情が出されたり、設計料や借地代などの経済的損失と慰謝料支払いを市に求めて提訴したりと(損害賠償を払うと決まれば税金から支出されるとか……)、ひとつの保育園新設がなくなった波紋はまだ続いています。

 

東京都の待機児童対策としては小池都知事の手腕に期待できる朗報が続いています。何よりも、2017年度から保育士の給与を増やすというのは意味のあることと感じます。実際に保育園に子供達を通わせていて痛感するのは、保育士の方々が早朝から夜までいかに休みなく働いていて、行事等の準備もこなしながら、保育という仕事をしているということです。仕事を持つ保護者とその子供たちのために、夢や理想をもって保育の仕事に就いている方々が、安月給と激務で長く続かないような環境であってはならないと思います。

 

少子化は止まらず出生数100万人割れのニュースもありましたが、筆者の周りでは働くママの妊娠・出産、第二子・第三子を抱えながら保育園の送り迎えをしている姿も多く見られます。2017年もスタート、待機児童対策としては「保育園を増やす」と「保育の質を保証」の両輪を願いながら、働きながら育児しやすい環境になっていくことを望みます。

村井麻紀

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