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2017.04.21

なぜアロンソは、モナコGPを欠場してまでインディ500に出たいのか?

citrus

アロンソがF1のモナコGPを欠場して、同日開催のインディ500に出場するという

F1第3戦バーレーンGPを目前に控えた4月12日、ホンダとパートナーを組むマクラーレンから驚きの発表があった。レギュラードライバーのフェルナンド・アロンソが第6戦モナコGPを欠場(5月28日決勝)し、同じ日にアメリカで開催されるインディ500に出場するというのである。


インディ500の正式名称は「インディアナポリス500マイルレース」で、その名称が示すとおり、五大湖の南に位置するインディアナ州の州都、インディアナポリスで開催される。インディ500は、ヨーロッパで一般的なくねくね曲がったサーキットではなく、2つの直線を4つのコーナーで結んだオーバルコースを走る。1周は2.5マイル(約4km)で、これを200周して500マイル(約805km)走るわけだ。


1911年(明治44年である)に初めて開催されたインディ500は、アメリカ最大級のレースイベントとして定着し、例年約40万人の観客を集めると伝わる。今年の開催で101回目だ。インディカー・シリーズに組み込まれている他のレースは週末の3日間に走行プログラムが集中しているが、インディ500は特別で、2週間を費やしてスターティンググリッドを決め、決勝レースを迎える。



■F1だけではアロンソのモチベーションを保てない!?

 

市街地を走り抜けるモナコGPはF1のなかでも特別な存在

一方、モナコGPも伝統あるレースイベントだ。F1のカレンダーに組み込まれたのはF1世界選手権が始まった1950年からだが、レースは1929年(昭和4年)から開催されている。狭い市街地コースを最高速度300km/hに達するハイスピードで駆け抜けるため、マシンをコース内に留めておくことさえ困難。それゆえ、モナコGPを制したドライバーには特別なリスペクトが集まる。過去最も多くモナコを制したのはアイルトン・セナで、6回だ。王室の御前でレースが行われることも、モナコGPのスペシャルなムードを演出する。


インディ500とモナコGPは世界三大レースに数えられる。もう1つはフランスで開催されるル・マン24時間レースだ。F1で2度ドライバーズタイトルを獲得(2005年、06年)し、キャリアとしてはとうに円熟期を迎えているアロンソ(1981年生まれ)にとってみれば、モチベーションを保つためにも次なるチャレンジの舞台が必要なのだろう。


インディ500の参戦発表にあたり、アロンソは次のようにコメントしている。


「モナコでは2勝をあげていますし、世界三大レースのすべてを制することは私の夢のひとつです。その偉業を成し遂げたのはグラハム・ヒル(1929~75年)ただ一人で、とても大変なことはわかっていますが、挑戦しがいのあるチャレンジです。ル・マンにはいつチャレンジできるかわかりませんが、まだ35歳ですし、時間はたっぷりありますから、いつか挑戦したいと思っています」



■ホンダの不調もむしろ好都合だった…

アロンソがインディ500にチャレンジするには、好条件がそろっていた。喜んでいいかどうかビミョーだが、F1に参戦するマクラーレン・ホンダは2017年の開幕戦以来不調で、アロンソがモナコGPを欠場したところでチームあるいは個人の成績に与える影響は軽微なことである(昨年引退したジェンソン・バトンが代役出場する)。ランキング上位を維持していたなら、アロンソのインディ500の参戦は叶わなかっただろう。調子の上がらないマクラーレン・ホンダに嫌気が差しているアロンソに対し、機嫌を取る意味でインディ500参戦を持ちかけたというウワサもあるが、もっともらしい話だ。


F1に参戦しているホンダが一方でインディに参戦していることも、アロンソのインディ500参戦にとって追い風となった(ホンダの他にシボレーがエンジンを供給している)。インディカー・シリーズとまったく無縁の環境にいたら、チャンスはなかったに違いない。


2016年11月から、マクラーレンを率いる要職にアメリカ人のザック・ブラウンが就いている影響も大きい。アロンソはマイケル・アンドレッティが率いるアンドレッティ・オートスポーツから出走するのだが、そのアンドレッティとブラウンは旧知の仲なのだ。ブラウンはモナコGPには帯同せず、「インディ500に行く」とすでに宣言している。

 

インディ500はF1とは違い、オーバルコースで戦う。アロンソも勝手が違うはずだが…


マクラーレンは1970年代に出場したインディ500で優勝した経験があり、インディ500には縁があるチームだ。今回のアロンソのインディ500出場はマクラーレンにとっても記念すべき復帰戦であり、アロンソがドライブする「マクラーレン・ホンダ・アンドレッティ」は、マクラーレンがかつてインディ500で勝利を収めた際のパパイヤオレンジのカラーリングをまとうことが決まっている。


アンドレッティはインディ500に6台のマシンと6名のドライバーを送り込むが、そのうちのひとりはインディカー・シリーズ参戦8年目で、今年アンドレッティに移籍した佐藤琢磨だ。つまり、かつてF1でしのぎを削ったふたりがインディ500でチームメイトになるのである。なんという巡り合わせだろう。


アロンソはF1ではチャンピオンを経験したベテランドライバーだが、インディではルーキーである。サーキットとオーバルコース、F1とインディカーでは扱いがまるで異なる。しかし、昨年のインディ500は、アンドレッティに所属するルーキードライバーが勝利をかっさらっていった。アロンソもひょっとして……と期待せずにはいられない。



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モータリングライター&エディター 世良耕太

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