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2017.08.17

なぜ「高速道路の走行車線利用」が渋滞予防につながるのか?

citrus

 

お盆休みが終わった。お盆休みと言えば帰省そして渋滞。今年も全国各地の高速道路で20kmクラスの激しい渋滞が発生した。読者の皆さんの中にも、帰省などで渋滞にはまって大変な目に遭った人がいるのではないだろうか。

 

東京出身で東京在住の筆者は帰省とは無縁だけれど、2週間前に東名高速道路を使ってお出かけしたときは、20km近い渋滞にはまってヤレヤレという気分になった。そんなときにふと考えるのが、どの車線を走るのがいちばん速いのかということ。

 

渋滞の発生場所で多いのが、「サグ」と呼ばれる下り坂から上り坂に切り替わる場所や、トンネルの入り口などであることは以前のコラムで書いた。物理的あるいは心理的にスピードが落ちてしまい、それが渋滞の原因になるというわけだ。

 

この場合、多くは追越車線から混みはじめるという。追越車線はその名のとおり、走行車線にいる遅いクルマを追い越すために使う。なので道路が混んできて前のクルマのスピードが落ちてくると、多くのドライバーは反射的に追越車線に移る。よってここに車両が集中し、こちらから渋滞が始まるそうだ。

 

この説はかなり前から研究者などによって提唱されていて、NEXCO各社のウェブサイトにも控えめながら記してある。

 

もちろんその後、さらに渋滞がひどくなると、今度は比較的流れている走行車線に向けて追い越し車線から車両が戻ってくるので、結果的には両方とも同じぐらいの渋滞になる。こうなるとどちらを選んでも到着時間はあまり変わらない。でもその前段階として追越車線への車両集中を防ぐことができれば、渋滞の発生を遅らせることができそうだ。

 

そのための対策もまた以前から行われている。たとえば関越自動車道の埼玉県内区間では、交通が集中するシーズンに「渋滞予防のため走行車線をご利用ください」というメッセージを出している。

 

事情を知らないドライバーは、なぜ渋滞予防のために走行車線を走るのか、ピンとこないかもしれない。本来はこういう部分から説明をしたほうがいいはずだが、結果として渋滞減少の効果が出ているので、関越自動車道では今年の夏も同様の表示を掲げているという。

 

上り坂にある登坂車線を走行車線に変更することで渋滞を解消しようという取り組みもある。こちらは中央自動車道上り線の神奈川県から東京都にかけての区間で、追越車線を増やすことで渋滞緩和を狙っている。首都圏に住むドライバーなら知っている人が多いのではないだろうか。

 

ちなみに筆者はというと、前述の研究結果を知る前から渋滞のときは走行車線を走ることが多かった。古いクルマの所有歴が長かったことが大きい。古いクルマは渋滞が苦手だ。暑くなればオーバーヒートの心配があるし、雨の日は電装系の負担が大きくなる。仮にトラブルが起こってもすぐに路肩に寄せられるように、走行車線をキープする傾向が強まった。それに夏は走行車線がもっとも風通しが良い。これも古いクルマには味方になる。

 

逆に言えば現在のクルマは、そんな心配をしなくてもすむようになったから、追越車線に車両が殺到し、そこから渋滞が始まるという状況になっているのかもしれない。

 

でもさらに時代が進むと、問題は少し解消するような気がする。理由は運転支援システムの普及だ。

 

現在でも渋滞時を含め、前車に合わせて加減速を行うACC(アダプティブクルーズコントロール)を装備する車両が増えつつあるけれど、今後自動運転レベル3が導入されると車線変更も自動で行ってくれるので、車線変更をしてまで急ごうと考えるドライバーが減るのではないかと予想している。

 

自動運転で渋滞減少に効果があるのは、完全自動によって車間距離を大幅に詰められるレベル4になってからと言われていたけれど、もしかしたらレベル3の段階で渋滞が減ってくるかもしれない。

モビリティジャーナリスト 森口将之

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