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2017.09.01

「書店ゼロ自治体」が増える理由は、地方都市こそ進むIT化の象徴かもしれない

citrus

 

『朝日新聞DIGITAL』によると、書店が地域に1店舗もない「書店ゼロ自治体」が増えている……らしい。

 

その数は、出版取り次ぎ大手の調査だと、香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区にのぼり、全国(1896)の2割強(4年前の約1割増)を占める。

 

ゼロ自治体が多いのは北海道(58)・長野(41)・福島(28)・沖縄(20)・奈良(19)・熊本(18)……の順で、ほとんどは町村だが、北海道赤平市・同歌志内(うたしない)市・茨城県つくばみらい市・徳島県三好市ほか7市や、堺市美原区・広島の東・安芸両区の3行政区もゼロ状態となっている。

 

……のだそう。なんか小難しいデータがつらつらと並べ立てられているが、早い話「日本国内では本屋が徐々になくなってきている」ってことである。

 

私は、文筆という職に就いているわりには、(たぶん)比較的「本を読まないヒト」だったりするのだけれど、そんな私でも月に最低2〜3度は本屋を利用する。

 

家から歩いて行ける本屋で事足りることもあれば(※たいがいが事足りたりする)、たまーに事足りず渋谷だとか池袋だとかの大きな本屋まで足を伸ばすこともある。そして、こういう日常が当たり前となっている大都会・東京に住む私(ら)にとって、「書店ゼロの自治体=本屋のない街」という環境は、にわかには信じられない……どころか想像すらできないのが正直なところなのではなかろうか。

 

当記事のインタビューに対し、作家で、文学・活字文化推奨機構(東京)副会長の阿刀田(あとうだ)高さんは、

 

「書店は紙の本との心ときめく出会いの場で、知識や教養を養う文化拠点。IT時代ゆえに減少は避けられないが、何とか残していく必要がある」

 

……などと、もっともらしいコメントを寄せているが、これはあまりに無責任、というか「都会に在住する者」ならではの傲慢な言い草だと私は思う。過疎化する街で八方塞がり状態のなか、絶望的に書籍の売り上げが伸び悩んでいる本屋は、もう「店をたたむ」しか食いつなぐ道はないのだから。当たり前だが、書店経営はあくまで商売であり、慈善事業じゃないのだ。それでも「文化拠点の衰退」を憂い「何とか残したい」なら、それこそ世論を本気で動かし、国や自治体から助成金なりなんなりを捻出してもらうようにでも働きかけるべきだろう。少なくとも私には他の妙案を考えつくことができない。

 

今や、書物は電子書籍やネット上に溢れかえる情報に取って代わられ、世の中がペーパーレスへと向かいつつあるのは、どんな抗いの言葉をもってしても止めようがない時代の流れである。どうしても本が欲しい場合は、アマゾンあたりに発注すれば、本屋へ足を運ぶ時間の節約にさえなる。「立ち読みしなから購入する本を厳選する」のが本屋の醍醐味というのもわからなくはないが、“立ち読み”を“ネット検索”で代用する世代にとって、「通販オンリー」の書籍購入はもはや“不便”という感覚もない……のではないか?

 

さっき私は「“立ち読み”を“ネット検索”で代用する世代」と書いた。しかし、もしかするとこれは「“立ち読み”を“ネット検索”で代用する書籍ゼロの地域に住む人たち」とも置き換えられるのかもしれない。つまり、“文明の利器”はあらゆる小売店や物品が揃っている都心より、むしろ地方都市で爆発的に浸透していくものなのだ。アマゾン発の「消耗品をワンプッシュで注文できるボタン型デバイス」も、違和感なく積極的に利用している人は、たいがいが地方在住の人たちみたいだし……。

 

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ネットニュースパトローラー 山田ゴメス

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