美ST ONLINE 無料会員登録 あなたの「美生活」に役立つ情報お届けします

新着
2017.09.01

事故防止の救世主となるか? 画期的な「居眠り運転」対策に期待

citrus

 

自動車を運転するほとんどの人が体験したことがあるだろう睡魔。筆者も仕事柄ハンドルを握ることが多いだけに襲われた経験はある。

 

睡魔の判断で難しいのは、予期せず訪れてくるところ。走り始めたときは眠くなかったのに、10分ぐらいしたら突然危険な状態になってしまうこともある。一般道路ならすぐに路肩に寄せたりできるけれど、高速道路では次のインターチェンジやパーキングエリアまで時間が掛かることもあるから困る。それでも乗用車のドライバーなら、眠くなったらすぐ休憩すれば良いけれど、バスやトラックの運転手は仕事上、時間どおりに走らないといけないから、そう簡単に休むわけにはいかない。

 

一部の自動車にはハンドルやアクセルの操作状況を感知して警告を出す装置が積まれているけれど、より効果的なのは、なんらかの方法で人体に刺激を与えて覚醒をもたらすことだろう。

 

実は最近、この方法で居眠り運転を防止する商品が話題になっている。その名は「STEER」。バルト三国のひとつラトビアのCreative Modeという会社が開発し、クラウドファンディングのキックスターターで開発資金を募ったところ、目標だった65万円を大きく突破し、先日400万円を突破したという。

 

STEERはApple Watchのようなウェアラブル端末で、腕に装着してスイッチを入れると、肌に触れる部分に仕込まれた16個のセンサーが作動開始。まずドライバーの通常の脈拍数と皮膚の電気反応を測定し記憶する。その後は2秒ごとに状況をチェックし、心拍数が下がって睡眠時に近づいたと判断するとバイブレーションと黄色のライトでドライバーに警告する仕組み。

 

さらにこの警告でも目が覚めなかった場合は、弱い電気ショックをドライバーに与える。これによって体内のセロトニン、ノルアドレナリン、コルチゾールのレベルが増加し、睡眠ホルモンと言われているメラトニンが減少して目が覚めるという。1時間の充電で2週間使用可能とのことだ。この原稿を書いている時点で、STEERはキックスターターでは約1万4000円で買うことができる。日本への発送料は約1300円となっており、今年の11月から発送を始めるという。

 

一方、損保ジャパン日本興亜、タクシーやバスの運行などを行う第一交通産業、インテルとの協業を進めているアクセンチュアは、データ分析を活用することでトラックやバス、タクシーの事故を未然に防ぐ運行管理システム実現のための共同研究を開始した。

 

損保ジャパン日本興亜がグランドデザインを担当。第一交通産業のグループ会社が保有するタクシーに設置したドライブレコーダーから運行データを収集すると同時に、運転手が着用する時計型ウェアラブル端末から得られる心拍数などの生体情報を取得。ドライブレコーダーに映っている乗客の情報を除去したうえで、インテルのCPUを使ったプラットフォームで分析し、運転手ごとの事故発生リスクなどを評価する手法を開発していきたいとしている。すでに3月からタクシー100台 と運転手100名による実証実験を実施しており、運転中の心拍の変動やしぐさから、眠気などの兆候を識別することに成功しているそうだ。

 

2つのソリューションに共通しているのはウェアラブル端末である。STEERが自己完結型なのに対し、日本の3社が取り組むプロジェクトはドライブレコーダーを併用してデータをCPUで解析するという違いはあるけれど、現時点では人体に直接装着する機器からの情報が、もっとも迅速かつ正確に居眠り運転を防止できるということなのだろう。

 

既存のウェアラブル端末も、バイブレーションや発光などの機能が内蔵されているものであれば、アプリを開発してインストールすることで同様の効果が期待できるかもしれない。いまいち盛り上がらないウェアラブル端末にとって起死回生の可能性を秘めているのではないだろうか。今後の発展に期待したい。

 

 

citrusでは【1000円分のAmazonギフト券】が当たるアンケートを実施中

モビリティジャーナリスト 森口将之

totop
Mail
Instagram
rss
美ST
美魔女
セレSTORY
STORY
光文社

Copyright© 2017 Kobunsha Co., Ltd. All Rights Reserved.