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2018.10.11

台風24号による「計画運休」は正しい判断だったのか?

citrus

 

 

今年はとにかく日本に上陸する台風が多い。中でも個人的に印象に残っているのは、9月上旬に四国と近畿地方に上陸した台風21号と、同じ9月の下旬に近畿から中部、関東、東北地方を通過した台風24号だ。

 

まだ記憶に残っている人も多いだろうが、台風21号では高潮によって関西空港の滑走路などが水没し、陸地と空港を結ぶ連絡橋には強風で流されたタンカーが激突。空港は数日後に営業再開したものの、連絡橋はまだ道路橋の片側が壊れたままだ。

 

一方台風24号ではJR東日本が首都圏で初めて計画運休を実施した。20時以降の運転を原則として行わないという通知をお昼過ぎに出したもので、4年前からJR西日本が京阪神地区で実施していたものと基本的に同じだ。なのにテレビのニュースで大きく取り上げられた様子を見て、交通に限ったことではないがマスメディアの東京偏重報道は是正を望みたいと感じたし、手にスマホを握っていながら20時過ぎに駅に来て初めて運休を知った利用者が映し出されたときは、開いた口が塞がらなかった。

 

ただし台風21号のときのJR西日本は前日に運休を決めたのに対し、24号のときのJR東日本は当日昼の発表。台風の進路はある程度予測できるものであるからこそ、遠くから東京を訪れる人のことを考えて前日発表のほうが望ましかったと思う。

 

 

 

■京成の「塩害運休」は防げなかったか?

 

 

ところでこの台風24号では、筆者もこれまであまり耳にしたことがないような被害に驚かされた。それは「塩害」。海水を含んだ強風が沿岸地域を襲ったことで、送電線などに海水の塩分が付着。漏電が起こって出火し停電になったというもので、京成電鉄では台風通過から数日たった10月3〜5日に運休となった。もっとも長時間運転を見合わせた5日のニュースによれば、作業員が電線や器具などを手作業で点検・清掃していたそうで、運転再開まで時間が掛かったのは仕方ないのではないかと思ったりもした。

 

たしかに台風の進路はある程度予想できる。でも国際空港が水没し、連絡橋にタンカーが激突し、塩害で鉄道が長時間運休するという事態は、どれも多くの人が驚く出来事だった。自然の前には人間は無力であることを思い知らされた。だからこそ、JR東日本の計画運休が台風接近当日だけであり、翌日についてのアナウンスがなく、運休や遅延で混乱を招いた点はマイナスだった。夜の間に強風による倒木などがあることは想定できたはずで、朝のラッシュ時が終わった午前9時ぐらいからの運転再開にしても良かったのではないだろうか。

 

京成の塩害は台風が通過して数日後の事態だったので、それ以上に予想がつきにくい事態だったけれど、最初の停電が発生したときに全線の点検清掃を考え、それに必要な時間を計画運休するという手法もあったのではないかと思う。
 

計画運休は仕事に支障を及ぼすという声も出るだろう。しかし普段の生活環境を守ろうとする気持ちが、被害を大きくした例はこれまでもいくつかあった。東日本大震災では、避難を拒む住民の自宅に消防団員が説得に向かったが聞き入れてもらえず、消防団員もろとも津波で命を落としたという話を現地住民から聞いた。台風が近づいていれば仕事や学校を休み、身の危険を感じたら自治体に言われなくても率先して避難するのが自然な行動ではないだろうか。

 

「そういうお前はどうなんだ?」という人のために、今回の台風24号で筆者が取った行動を記しておこう。

 

関東地方に最接近する日曜日の夜、筆者はヨーロッパから帰国予定だった。現地にいてもインターネットで台風情報は収集できたので、早めに日本に帰るほうが重要だと考え、1日早い便に振り替えてもらった。帰国後、本来乗るべきだった便を見ると、同じ時間帯に到着する他の国際線と同じように、翌朝到着に変わっていた。

 

翌朝といえば前述のように、沿線の倒木などで多くの路線が運休あるいは遅延となっていたので、半日以上帰宅が遅れた可能性もある。備えあれば憂いなし。この言葉を改めて思い出した。

モビリティジャーナリスト 森口将之

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