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2019.03.22

外国人だらけの京都にうんざり? 「混んでるから」とあきらめず京都観光を楽しむ裏ワザ

citrus

 

「日本人の京都離れが懸念されている」

 

そんな新聞記事を拝読し、「半京都人として、これは何とかせねば」と思い、パソコンに向かった。

 

そのネタ元は観光協会などの調べによって明らかになった、京都市内の主要ホテルに宿泊した日本人の実人数の結果によるもの。日本人観光客が京都に宿泊した率は、前年比で8.4%減と、何と4年連続でマイナス(2018年1~12月)。特に目立ったのが「京都観光シーズンのハイライト」とも呼ばれる紅葉シーズンで、前年比で10.7%と2桁を記録する落ち込みようだ。

 

では何故、そんなに日本人の宿泊客が減少傾向にあるのだろうか? それは今まで以上の混雑っぷりにある。東京オリンピックの開催決定を機に、京都は目に見えて訪日客が増加した。清水寺、金閣寺、南禅寺といった主要観光スポットに行くと、日本語と同等、もしくはそれ以上に外国語が耳に飛び込んでくる。

 

とあるホテルの朝食会場は「中国語しか聞こえてこない」なんて噂も。主要観光スポットのバス停は日本人より外国人が目立つ日もある。シーズン、時間帯にもよるが、その乗車率は東京の朝の通勤ラッシュ並みの乗車率に近いと言っても過言ではない。

 

では銭湯でよく会う主要観光スポットの近隣の方々は、こうした状況をどう見ているかと訊ねると、「人が多すぎて、一回で乗り切れず、次のバスを待たねばならないことも少なくない。バスの本数を増やすなど何か対策をして欲しい」と少々困惑気味。また年配者の中には一部の外国人観光客のマナーの悪さを指摘し、「来ていらん」(来なくていい)とバッサリ切る人もいる。

 

金閣寺付近のバス停。外国人観光客が多く、バスに乗り切れないことも…

 

まあ、確かに所かまわずゴミを捨てたり、銭湯でカメラを構えたりする困ったちゃんがいることは事実。だがこうした困ったちゃんは、外国人に限ったことではないので、声を荒げる必要はないと私は思う。

 

そもそも京都は日本屈指の観光地で、観光客がお金を落としてくれることで潤っている街である。ずっと赤字経営が続いていた市営地下鉄はここ3年黒字と、こうしたことも外国人観光客が増えたことが一因と考えられる。少子高齢化社会の今、日本人だけをターゲットにしていたら、廃業せざるを得ない業種はごまんとあるはず。日本人観光客の減少、交通機関の混雑など問題は多少あれど、外国人観光客の増加は京都にとってリスクよりもメリットのほうが遥かに大きい。

 

とは言え、もちろん「もっと多くの日本人の方に京都にいらして欲しい!」というのも京都人のホンネである。観光客の多くが京都に宿泊するか否かを悩む3大ポイントは、



1.宿泊費がやたら高い
2.予約が取れない
3.混んでいる

 

というもの。



これらをクリアにするには、まずハイシーズンである桜の季節(3~4月)、紅葉の季節(10月~11月)、そしてゴールデンウイークやシルバーウイークといった大型連休を避けることだ。

 

狙い目はゴールデンウイーク明けの5月半ばから6月にかけて。暑くもなく、寒くもないちょうどいい気温で、青々と繁る新緑が美しい季節である。10余年、月のうち半分近く京都に住まう私にとって、1年の中で一番好きなシーズンだ。神社仏閣、植物園など緑が多い場所は、この時期こそ見ていただきたい。
 

また5月後半になれば京都の風物詩である川床もお目見え。川床と言うと、夏のイメージが強いと思うが、真夏は湿度も高いし蚊も多く、地元の人はあまり利用しない。だが5~6月であれば湿度も低いので、心地よくすごすことができる。始まったばかりの川床はまだ空いているし、週末以外はそう混雑することもない。

 

 

■ホテル、旅館にこだわらなければ選択肢は広がる

 

宿泊費が高い、予約が取れないという問題だが、ホテルや旅館に限定せず、ゲストハウスを利用するという手もある。それも少し中心地から離れた場所がおすすめだ。私自身、四条や河原町といった、中心地から少し離れた西陣で「宮崎屋」、「宮崎屋plus」というゲストハウスを運営しているが、運が良ければハイシーズンでも予約が取れることがある。

 

これは西陣に限らず、一乗寺、山科、西院、太秦といった、中心地から少し離れたゲストハウスに共通して言えることだ。「離れている」と言っても、そこは小さな京都。公共交通機関やタクシーを上手に使えば、中心地からもアッという間である。

 

そして中心地から少し離れた場所だからこそ、ホテルにはない、「暮らすように滞在する」という感覚を味わうことができる。ゲストハウスの料金設定は1人いくらではなく、1棟貸しの値段なので、人数が増えるほど1人当たりの値段が安くなるというメリットもある。中心地に比べ、飲食費をはじめとする物価は遥かに安いし、何より並ばなくて済む。隠れた名店も多いので、ゲストハウスのスタッフにおすすめの飲食店を事前に聞いておくといい。

 

嬉しいことに京都は銭湯天国なので、ゲストハウス近くの銭湯で、ロコ気分を味わうのも一興である。京都の銭湯のほとんどがサウナ&変わり湯付きで、中には一部の装飾品が有形文化財に指定された「船岡温泉」、インコが100匹以上いる「松葉湯」、岩盤浴も併設した「五香湯」など、バラエティに富んだ銭湯もある。ちなみに私のおすすめは「京都一、清潔な銭湯」をキャッチにした「山城温泉」。お風呂を上がった後は、目の前の「かみや」か、タクシーで5分ほどの場所にある立ち飲みの名店「BOND」で一杯飲むなんていうのもいい。

 

四条や祇園、そして清水寺や金閣寺ばかりが京都ではない。「京都は混んでいるから」と敬遠せず、オフシーズン&中心地から離れた宿泊場所を狙い、絵に描いたような「ザ・京都」ではなく、肩の力が抜けた普段着の京都をぜひ体感して欲しい。

酒ジャーナリスト 葉石 かおり

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