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2017.10.23

「記憶力」に効果的な香りを新たに開発 認知症予防にも期待

株式会社ファンケルPR TIMES

株式会社ファンケルは、2014年6月から、新たな製品を創造するイノベーション研究の一環として「記憶力」に関わる脳機能の研究を行っています。このたび、認知症予防にも期待できる記憶力に効果的な2種類の香りを開発しましたのでお知らせいたします。 なお、本研究は「日本味と匂学会第51回大会」(2017年9月25日/於:兵庫県神戸市)で発表しました。


<研究結果>
当研究では、香りの成分である「テルピネオール」と「カンファー」および「1,8シネオール」をそれぞれ異なる比率で調合し、記憶力に効果的な香りを2種類開発しました。それぞれを「香り541」と「香り622」と名付けて、効果を検証しました。「テルピネオール」と「カンファー」は、当社で会話や読み書き、計算など私たちの日常生活を支える重要な能力である「作動記憶」※1に関わる脳機能の働きをサポートすることを確認した香りです。「1,8シネオール」は、記憶力全般を高める効果が期待される香りです。
効果の検証は、28歳~44歳の健康な男女18人を対象に実施しました。試験は、「テルピネオール」、「香り541」、「香り622」の香りをそれぞれ吸入しながらパソコン作業を行い、その間の脳の活動について「光トポグラフィ装置」※2を用い、作動記憶に関わる脳領域について測定しました。
測定の結果、「香り541を吸入したケースで作動記憶の中「情報を覚えることに関連する領域血流が増加し、「香り622」の吸入では、最新情報に置き換えることに関連する領域血流が増加していることが分かりました(図1)。さらに、図1で示した領域の脳血流変化を数値化して変化量が分かるように図2と図3にグラフで示しました。

図1 香りを吸入している時の脳血流の変化量
●「情報を覚える」領域(青枠部)の脳血流変化→「香り541」に赤色が見られ、血流が増加したことが分かる



●「最新情報に置き換える」領域(赤枠部)の脳血流変化→「香り622」に赤色が見られ、血流が増加したことが分かる



図2 「情報を覚える」ことに関わる領域の脳血流変化「香り541」は、テルピネオールより脳血流の増加が大きい

図3 「最新情報に置き換える」ことに関わる領域の脳血流変化「香り622」は、テルピネオールより脳血流の増加が大きい

以上の結果から、「香り541」は「情報を覚える」という機能、「香り622」は「最新情報に置き換える」という機能を高める可能性が分かりました。これら機能は作動記憶において主要な2つの機能であることから、「香り541」と「香り622」は作動記憶そのものの機能を高めることが期待できます。上記のように「情報を覚える」、「最新情報に置き換える」といった作動記憶は、日常的な社会活動において重要な機能であるため、本成果はこれらの機能が低下して引き起こされる認知症の予防にも役立つと考えています。

<開発背景>
認知症は、高齢化社会が進展した現代で大きな社会問題となっており、認知症の中核症状の1つに著しい記憶力の低下があります。その予防には、日常的に脳を活性化することが重要であると言われています。当社はこれまでに、「テルピネオール」と「カンファー」に記憶力の中でも作動記憶に関わる脳機能の働きを高める可能性を発見していました。また、「1,8シネオール」は記憶力の全般を高める効果が期待される香りです。これらの3つの香りを組み合わせることで、記憶力の向上が期待される作動記憶の脳機能の働きを高められると考え、開発を進めてまいりました。

<今後の課題>
当社では今後、このような香りが持つ機能性を、化粧品や健康食品などの製品開発で応用できないかを検討してまいります。また香りと記憶力の関係性の研究にとどまることなく、ヒトの五感という視点から脳を介したさまざまな機能の解明を目指し、さらなる研究を進めてまいります。

【用語説明】
※1作動記憶:覚えた情報を最新情報に置き換えながら行動に繋げていくための記憶力
※2光トポグラフィ装置:脳活動に伴う大脳皮質の血中ヘモグロビン濃度変化を計測する装置

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