HEALTH

第11回 「ねぎ」

毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第11回のテーマは、盛りの「ねぎ」です。

 

[ねぎ] 奈良時代、大陸から日本に渡来した「ねぎ」。その後、各地に広がり、さまざまな品種が生まれている。根元に日光を当てずに育てる白ねぎの代表格は、「長ねぎ(根深ねぎ)」や、太く短くトロミのある「下仁田ねぎ」。日に当てて育てる青ねぎには、「わけぎ」「九条ねぎ」「万能ねぎ(小ねぎ、細ねぎ)」などがある。保存するときは新聞紙に包み、根に霧吹きで水分を与え、涼しい場所におき、1週間以内に食べ切って。

 

ねぎの目利きどころ

 

 

青い部分の先端も美味しく食べられる!先端は、辛みが強く薬味に向いた部分。ぬめりを包丁で削り取れば、苦みが取れ、より美味しく食べられる。
 

薬味だけじゃ勿体ない。
旬の香味と甘みを
活かした料理を楽しんで

 

 古くから薬用野菜として親しまれてきた、ねぎ。白い部分に多く含まれる香り・辛み成分には、体を温め代謝をアップする作用があり、青い部分は、ビタミンC、カロテン、ミネラル類が豊富。皮膚や粘膜を健康に保ち、風邪の予防にも役立ちます。

「かけ蕎麦などに入れる〝薬味〞は、ねぎの辛みを活かした食べ方のひとつ。それはそれで美味しいけれど、旬を迎えた今の時季は、火入れの仕方をマスターして、甘みと香味を引き出す料理に挑戦してみてください。僕のイチオシは、シンプルな『丸太焼き』。ねぎは、刻むと細胞が壊れて辛みが出ますが、丸ごとコンガリ焼けば、普通の長ねぎとは思えないほどトロリと甘い、主役級の美味しさになります。そしてパスタは、柔らかくまろやかな甘みの下仁田ねぎをたっぷり使った、野菜だけのクリーミーなソースで。青ねぎと季節の葉野菜を合わせたサラダは、冬らしい力強さを感じる、凜とした味わいです」

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com

 

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第11回 「ねぎ」

2024年6月号

2024年4月17日発売

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