HEALTH

第12回 「キャベツ」

毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第12回のテーマは、今が盛りの「キャベツ」です。

 

[キャベツ] キャベツが最も見目麗しく、美味しくなるのは冬。厳寒期に収穫されるものは「寒玉」とも呼ばれる。走りは水分が多く柔らかで、名残りに向かうに従って繊維が硬くなる代わりに、甘み、香りがアップ。茹でればさらに甘みが際立って、その茹で汁さえも美味しい。春から初夏にかけて出回る「春キャベツ(春玉)」は、欧州のキャベツを品種改良したもの。水分が多いため、加熱調理より生食がおすすめ。

 

キャベツの目利きどころ

 

 

芯をくりぬき、水を入れると
葉がはがれやすくなる!
包丁の刃先をキャベツに刺し込み、クルリと回して芯をくりぬく。そこに水を注ぎ入れると、葉がはがれやすくなり、破らずにはがすことができる。
 

キャベツはクセがない?
いやいや、真の美味しさを
引き出すにはコツがいる

 

 淡色野菜のわりに、ビタミン、ミネラルが豊富なキャベツ。コラーゲン生成に関わるビタミンC、抗酸化作用のあるビタミンA、胃粘膜を保護するビタミンUのほか、カルシウム、カリウムなども豊富です。千切りキャベツや、漬け物、蒸し物、煮物と、使い勝手のいい野菜ですが、「実は、なかなかの強情者です」と言う、内田さん。

「千切りキャベツが妙にゴワゴワした食感になったり、茹でると臭みが出てしまった経験は、誰にでもあるはず。キャベツの真の美味しさを引き出すには、繊維を意識して切り、部位を意識して下ごしらえや火入れをする必要があります。今回の2品は、どちらも火を入れたものですが、外側の葉はじっくり蒸して柔らかく、内側の葉はさっと茹でて、シャキッとした食感に仕上げました。たっぷり作ってもペロリと食べられて、体はスッキリ。旬のキャベツのパワフルな味わいを、存分に楽しんでください」

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com

 

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第12回 「キャベツ」

2024年6月号

2024年4月17日発売

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