HEALTH

第4回 「アスパラガス」

毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第4回のテーマは、今が盛りの「アスパラガス」。

 

[アスパラガス] 地中海沿岸生まれ。日本での主な産地は、水はけがよく冷涼な気候が原産地に似た長野、北海道。旬の盛りは5月で、風味豊かな露地ものが手に入りやすくなる。日本でポピュラーなグリーンアスパラガスのほか、ヨーロッパで人気のホワイト、紫色を帯びた種類も。走りは水分が多く柔らかで、細いものは皮をむかずに炒めても美味しく食べられる。名残りは水分が減り、筋張ってくるが、じっくり茹でることで風味豊かに。

 

アスパラガスの目利きどころ

 

 

沸騰した湯で
色鮮やかになるまで茹でる
走りを過ぎたものは、茹でてから使うのが基本。鮮やかな緑色に茹で上がったら、水には浸けず、ザルに上げて水けを切って。
 

鮮やかなグリーン、
爽やかな風味を
活かして調理しよう

 

 年中食べられるアスパラガスですが、旬のものは、とびきり爽やかな初夏の美味。穂先はほろ苦く、茎は甘く、柔らかな食感が人気です。疲労回復に役立つアスパラギン酸、肌のアンチエイジングに役立つビタミンAやC、脂質やたんぱく質の代謝に役立つビタミンB群も豊富。

「アスパラガスは、料理次第で多彩な味を引き出せる、非常に面白い食材。皮の張り具合によって、炒めるか、茹でるか決めていきます。サッと炒めればシャキシャキ、じっくり茹でれば、とろけるような食感を楽しめますよ。」

「今回ご紹介するパエリアは、初夏の香りいっぱいのごちそう。アスパラとアサリから出る旨みの相乗効果で、繊細ながらインパクトの強い美味しさになります。もうひとつのポタージュも、実に爽やか。乳製品を使わず、ゆり根でとろみをつけました。にんじんを少し加えることで、鮮やかなウグイス色に。仕上げに酢を一滴加えると、旨みが引き締まります」

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com

 

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第4回 「アスパラガス」

2025年1月号

2024年11月15日発売

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