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女優・鶴田真由さんが時を重ねて感じた「どう年を取りたいかで取捨選択は変わる」

私を幸せにできるのは私、美容のモチベーションも自分のため。誰かのためでなく、“自分のために綺麗でいること”が心地よく幸せに生きる基準になり、周りをもハッピーにできる。そんな私らしい美しさを更新し続ける女性にフォーカスする連載です。

時間があれば瞑想するように。自分を俯瞰で見ることで客観的な私を丸ごと愛せるようになります

お話を伺ったのは……女優・鶴田真由さん

《Profile》
’70年神奈川県出身。ドラマ、映画、舞台など話題作に次々出演し俳優として活躍。 主な出演作は映画「きけ、わだつみの声 Last Friends」「海を駆ける」、大河ドラマ「篤姫」「らんまん」「自転しながら公転する」など多数。

イラッとしたな、大きいことを決めなければいけない、どうしようかと迷っている時、私はとりあえず瞑想します。あぐらを組んで座り、一旦心を落ち着けると、ひとまずその時の感情を鎮めることができるから。悪い感情を抱いているって、心と体の健康に良くないじゃないですか。あの人嫌いとか、なんかイライラする、というのはただの感情なので、そこをまず鎮めて、そう思っちゃった自分を受け入れるんです。それができると、嫌だなと思った人のことも不思議と受け入れられるようになります。思ってもみなかったいい距離を取れたり、この人とは縁がない、と思えて執着しなくなったり、嫌な気持ちが慈しみに変わることも。そこまでできればいいと願うばかりで、なかなか難しいことですが、私はそういう道を歩みたいと思っています。まずは自分の心と体が健康でないと、他人に対しても愛ある対応ができませんよね。「自愛」は「他愛」に繫がってゆくものだから。

例えば、インドの最も古い瞑想法のひとつである「物事をありのままに見る」というヴィパッサナー瞑想。不思議と抱えているネガティブな感情が痛みとなって体に浮上し、その痛みと向き合うことによってネガティブな感情も消えていきます。そうすると心も体もすっきり!不思議でしょ?嫌な感情は体へのダメージに直結しているんですよね。この方法で感情をコントロールし、自分を癒しているんです。でも、瞑想をしなくても、自分を含めた世界を俯瞰で見れば、物事って受け入れられるようになると思います。自分をちゃんと見てあげて、ちゃんと自分で治癒していく。どんな自分にも目を背けず、受け入れて生きていきたいと思います。

人に対して上手く循環を生み出せる人間的な余裕を持つことが最大の目標です

とはいえ年齢を経て、体力気力が若い頃よりなくなってきました。自然の理だから仕方のないことですが、逆に本当に自分に大切なことは何かを見付けられるようにもなってきました。若いうちは何でも吸収したいもの。お稽古でも遊びでも仕事でも、いっぱいやっていましたが、50代になって、体力が落ちてきた分、以前は10やっていたことが、今は4くらいしかできなくなっています。じゃあ何を残すか、1つ1つやっていることを精査して、今本当に必要なものが残ってきたんです。

若い時はとりあえず全部やっていないとわからないことがたくさんありましたが、そこを経験してきた今は、何が大事か判断できることに最近気づいています。どんなふうに年を取っていきたいかでも取捨選択が変わるから、日々自問自答!そうやって見えてきたことが、私は自然の摂理に沿って生きていきたいということ。

そのためにやりたいことは、自分のためにお茶を淹れる、瞑想する、美術館に行く、など。それらが明確になると無駄がなくなるから、もっと手をかけられて、何事も丁寧にやるようになります。丁寧にやると、1つ1つと深いところで繫がっている感覚が生まれます。人ともお茶とも犬ともね(笑)。

スピード感を落とさないと得られない感情で、若い頃より幸せ感はより多く感じるように。でも、頭では理解しているけれど、自分の心が落ち着かないときは、ついスタッフの電話を「はいはい」と、がちゃんと切ってしまって、「あ、またやっちゃった」っていうようことは多々。人に対しても上手く循環を生み出せるような、人間的な余裕ができてくることが私の最大の目標です。

《衣装クレジット》
ブラウス¥59,400 スカート¥85,800(ともにDAWEI/MAIS ON DIXSEPT)左耳上イヤーカフ¥97,900 左耳下イヤーカフ¥93,900(ともにPRMAL)左手中指リング¥924,000 左手人差し指リング¥250,800〜(ともにMARIHA/MARIHA)

2024年『美ST』2月号掲載
撮影/彦坂栄治 ヘア・メイク/赤松絵利(ESPER)スタイリスト/梅山弘子(KiKi)取材/安田真里 編集/菊池由希子

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一生元気に!自愛ビューティ

女優・鶴田真由さんが時を重ねて感じた「どう年を取りたいかで取捨選択は変わる」

2025年2月号

2024年12月17日発売

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