増えている「墓はいらない」件、どうする？40代からでも早くない【墓活】の始め方①

美ST世代は親の年齢からもお墓に不安を抱えている人、多いんです。実は、死んだらお墓に入るという法的ルールはありません。近年のお墓事情は変化しています。今から「墓活」してみませんか？

「美ST世代から一番多い問合わせは、親のお墓を維持する自信がない、散骨について親と話し合いたいというもの」と代表の舘山氏。「口癖のように『私が死んだら散骨でいいから』という親御さん。お墓が買えないという経済的事情ではなく、娘を思う親心なのだと感じます」。散骨は法的にグレーな面が多いので、きちんとした業者に依頼するのが安心。

本社スイスで遺骨の中の炭素を人工的に高温高圧かけて製作。遺骨の炭素以外は使用せず、ブルーの色みも人工着色ではなく遺骨内の化学物質の割合によるもの。「ここ2～3年、お墓を作らずご両親の遺骨全てをダイヤモンドにする女性が増えています。姉妹で持てるよう複数作る方も」と代表・法月氏。

【個人とずっと一緒に暮らせるから、残された遺族の心の支えにも】
手元供養とは、遺骨を自宅や手元に置いて管理・供養する方法。墓地に納骨したうえで、遺骨の一部を手元供養にするケースも多いです。粉骨した遺骨、遺灰は骨壺やアクセサリーに納めます。下の3店は手元供養品の専門店。デザインが美しく、ライフスタイルに合った手元供養品が女性に人気。宗教にとらわれず、昔ながらの仏壇は使わず、その人らしい祈りの場所を作ります。

自分の死後、遺骨は家族・親族の中の「祭祀承継者」が管理します。祭祀承継人は相続人じゃなくても大丈夫。話し合いや遺言で決められます。「家のお墓は嫌」「散骨したい」等の希望は遺言でも法的拘束力がありませんが、祭祀承継者を遺言等であらかじめ指定し、その意思を伝えておくことはできます。お墓の形や納骨方法も多様化し、情報を整理して選ぶことが難しくなっています。「お墓はいらない」と言っていたけれど、中には月日を経て「やっぱりお墓が欲しくなった」方も。実際お墓を見て回ると、物件探しと似ていて、考えていたのとは違うタイプがしっくりくる方も多いようです。お墓の形状はどうであっても、子どもや孫が手を合わせて先祖を想う大切さは変わりません。

葬儀会社、仏壇墓石販売業者勤務を経て、葬儀コンサルティング会社を設立。介護の現場にも精通し、幅広い視点から終活を提案。各メディアや講演でも活躍中。著書多数。

2019年『美ST』5月号掲載
撮影／岡本卓大　取材／宇田川みさと　編集／佐久間朋子