40代女性はおじさんよりも臭い！？世界一臭い日本人の【口臭問題】5つの事実

2015年10月13日付の日本歯科新聞の記事によると、在日外国人の約7割が「日本人の口臭にがっかり」した経験があるそう。しかもおじさんの臭いより美ST世代の女性の口臭のほうが臭いという衝撃のデータも！口臭に関する5つのビックリな事実、あなたは知っていましたか？

【１】生理的口臭
唾液の分泌が減少する起床時や空腹時、緊張したときなど、口内の細菌が増殖して一時的に口臭が強くなるもの。女性の生理や更年期などホルモンバランスの変化に伴う口臭も。時間の経過や生活習慣の改善で口臭が減少。

【２】病的口臭
主な原因は、歯周病や歯垢の付着、舌苔など口腔内トラブルによるもの。呼吸器系や消化器系などに疾患があるときも発生します。セルフケアだけでは解消できないため、歯科医院でのケアや内科的な治療が必要な場合も。

高額医療費やキスの習慣から、オーラルケアが進む欧米と比べて日本人は虫歯予防や口臭ケアに対する教育や知識が低い傾向が。「口臭白書2019」では日本人の7割が周囲の口臭に悩まされながら仕事をしていて、9割が自分の口臭が気になった経験があるという結果に。しかしながら、オーラルケアの重要性の意識は急速に高まってきており、歯磨きに加えた対策法としてマウスウォッシュを使ったセルフケアがいま人気です。

口臭の不快な臭いは主に揮発性硫黄化合物というガスで、その中でも硫化水素とメチルメルカプタンが90％を占めています。硫化水素といえば、火山噴火や下水道マンホールで発生する有毒ガス。目や鼻、のどなど粘膜を刺激し、高濃度の場合は死に至ることがある危険なガスです。愛する人でも口臭は好きになれないのは本能で危険ガスだとわかっているから！？唾液の質と流れを良くすれば、急激に口臭は弱まります。

口臭は肺からの呼気と口腔内や鼻腔内に発生したガスが一緒になって口から吐き出されるにおい。飲食物や、内科疾患、ホルモンバランスの異常などが血液中成分になり肺から呼吸として出てきます。また、口腔内の汚れが唾液の質を悪くし、会話すると口臭となり出てきます。歯や舌そのものから口臭は起こりません。口臭が気になるのでしたら、きちんと調べてくれる歯科医院で診てもらい、正しい指導をしてもらうとよいでしょう。

食後は口腔内の細菌数が最も少ない時で細菌のかたまりであるプラーク（歯垢）を取るための歯磨きは必要ではありません。食後の歯磨きは、口腔内を中性に戻す働きのある唾液を喪失します。そもそも食後は口腔内が酸性に傾きますが、中和する唾液がなくなると酸性化が助長され、口臭や虫歯の原因になります。口腔内をたっぷりの唾液によってpHコントロール（中和化）することが飲食後の口臭抑制につながります。

スマホなどの使用で目線を下げると自然と奥歯を噛み、舌が止まり唾液の流れが止まります。さらさらと流れる川は臭わず流れが止まると臭うことがあるように、唾液もさらさらと流れていると臭わないですが、流れが止まると口臭が起こります。スマホの長時間使用で口臭がとても起こりやすくなっているかも。解決策は時々意識して目線をあげること。上を向くと喉の奥が解放され噛んでいた上下の奥歯が離れて、唾液が出やすくなります。

女性は、月経、妊娠・出産、更年期などホルモンバランスの変化が多いため、男性よりも生理的な口臭リスクが高いのです。また、日本人は日中に奥歯を噛みしめている人が多く、奥歯を噛んだままだと口の中のスペースが狭くなり、舌の動きが止まって臭いを発してきます。オーラルケア後進国の日本では、生理的口臭について無臭ケアをするという意識が高くありません。欧米は医療費が高いことやキスの習慣があることからオーラルケアが進んでいて、歯ブラシを使ったプラークコントロールと並行し、洗口液やガムなどと合わせて常に無臭にブレスコントロールする意識を持っています。30年近く口臭に悩む人たちの治療法を研究してきましたが、最近では日本でもやっとオーラルケアの意識が高まり、セルフケアの製品を多く見るようになりました。大切なのは、まず自分の口の状態を知ること。虫歯や歯周病、ドライマウスなど、何が原因で口臭が起きているのかなど、口の状態によって使用するものが異なるので、自分に必要なオーラルケア製品を選ぶようにしましょう。

2020年『美ST』1月号掲載
取材／浦﨑かおり　イラスト／やましたともこ　編集／佐久間朋子