FEMTECH
昨今のフェムテックブームと相まって、デリケートゾーンケアも注目の的に。でも、そもそも自分の膣まわりの状態がどうなのか知っていますか?乾燥レベルによって保湿の対策も違ってきます。今回は膣まわりの乾燥度合をチェックする方法から原因、デリケートゾーンの乾燥を引き起こす悪習慣まで徹底的にご紹介!これを読んだら今すぐチェックしたくなるはず!
膣まわりは自分でチェックするのが難しい箇所。チェックしやすい方法としては、床に鏡を置いて上にしゃがむ「和式トイレ方式」があります。バランスがとりにくい場合は、片膝を床について反対側の足を立てるのもおすすめ。VIOを自己処理するときの体勢をイメージするとわかりやすいかもしれません。
あるいは、立ったまま片足を壁などについた状態で前に鏡を持ってチェックするという方法も。自分でしっかりと膣まわりが見えるポージングを探してみましょう。
教えてくれたのは……鍼灸師・温活士・グラン治療院統括院長 栗本夏帆先生
(社)日本鍼灸協会理事、(社)日本温活協会会員、(社)日本フェムテック協会常任理事、北海道科学大学サプリメント概論特別講師のほか、鍼灸や理容・美容の専門学校でも講師として健康・美容技術者の育成に努める。鍼灸やフェムテック関連の解説者として、テレビや新聞、雑誌など多数のメディアで活躍中。著書に『うるおいの腟レッチ』(光文社)など。
自分のデリケートゾーンの状態をまずはチェック!7つの項目のうち、自分はいくつ当てはまるか数えてみましょう。
骨盤底筋群が衰えると全身の血の巡りが悪くなり、ひいては膣まわりの血行不良、乾燥につながります。骨盤底筋群が衰えているかどうかを見るには、お尻がポイント。たるんで下がっていたり、触ってみて冷えが気になる場合は膣まわりの乾燥が進んでいるかも。
これも骨盤底筋群が衰えているサインの一つ。膣にぎゅっと力を入れて締めてみましょう。しっかり締められないと膣まわりの乾燥も起こっている可能性があります。
普段は帽子(皮)を被っている状態。乾燥していると皮が剥けにくくなったり、しょぼんとしぼんでいるように見えます。
手が乾燥しているときと同じように、膣も乾燥すると穴の周りが白くなってしまいます。粉を吹いているような感じになることも。
穴がパカっと開いてしまって、空洞になってしまっている状態。かなり大きく開いているとより危険!
ハリがなく、しぼんだような感じに。左右差もありますが、ハリがないと感じる場合は乾燥のサインかも。
本来はぷりっとハリがあるのが正常な状態。触ってみて皮膚が弾力がなく柔らかいなど、しぼんだ感じがあると危険サイン。
当てはまるものはいくつありましたか?たくさん当てはまるほど、乾燥が進んでいるサイン!「そもそも自分の通常状態がよくわからない」という人は、デリケートゾーンケアにきちんと向き合えてないのかも。毎日、デリケートゾーンやボディのケアをしながら膣まわりをチェックする習慣をつけ、普段の状態を知っておくのが大事。そうすることで、乾燥状態などの変化もわかりやすくなりますよ。
デリケートゾーンが乾燥する原因は様々です。過度なダイエットやアルコール、カフェイン、糖質の過剰摂取。そして冷たいものをよく口にするなど、身体の冷えも乾燥の原因になります。他にもストレスやセックスレスというのも原因として挙げられます。
さらに私たちが避けては通れない「加齢」も乾燥の大きな原因。年齢と共に体内の水分量が減少し、おまけに潤いやツヤを維持してくれる女性ホルモン(エストロゲン)も更年期以降に減少の一途をたどります。その結果、デリケートゾーンの潤いを保つのが困難になり、乾燥しやすい状態に。
デリケートゾーンの乾燥を考えるときにもう一つ忘れてはいけないのが、骨盤底筋群の衰え。骨盤周りを支えている筋肉が衰えると、全身の血の巡りが悪くなり乾燥を引き起こしてしまうのです。
乾燥はちょっとしたことで引き起こされるため、何が原因かを特定するのは難しいですが、思い当たることがある人は要注意!すでに乾燥が進んでいるかもしれません。
膣の中は自分で潤いを保つ機能があるため、中が乾燥するということはほとんどありません。「よもぎ蒸しをやったらよもぎを入れた壺の水分量が減っているので、中が乾燥している気がする」とおっしゃる方もいますが、膣の中自体が乾燥しているというのは考えにくいので、気にしなくてOK。
ただし、乾燥を引き起こすレベルではないと思いますが、加齢に伴い体全体の水分量が減り、若い時よりも少し膣の中の潤いが減ってしまうという可能性はあります。
デリケートゾーン専用のアイテムを使わず、たとえば洗う時にボディソープなどを使用すると、洗浄力が高すぎるため乾燥を引き起こしてしまいます。あるいは専用のソープを使っていても、42度以上の熱いお湯で洗い流すのはNG!入浴も同様ですが、温度が42度以上になると自律神経を興奮させてしまい膣まわりの潤い不足につながってしまうので、お湯の温度は常に41度以下を意識するようにしましょう。
洗いすぎを防ぐためにお湯で流すだけ、という方もたまにいらっしゃいますが、それは危険。汚れがきちんと落ちずに、逆に菌を繁殖させてしまう可能性があります。
さらに、ナプキンやおりものシートを使うのも、吸水素材が身体を冷やす原因に。身体が冷えると血の巡りが悪くなり、乾燥を引き起こしてしまいます。最近目にすることの増えた月経カップや吸水ショーツなどは、冷えから守ってくれる強い味方。まだ使ったことがないという方には、ぜひトライしてみてほしいアイテムです。
そして締め付けの強い下着の着用も体の巡りを滞らせてしまうのでNG。普段はコットン素材などの肌当たりが良くノンストレスなものを使用するようにしましょう。もちろん、特別な日にレース素材のものを選ぶなどはOK!きちんと普段使いと特別用を使い分けるのが大切です。
乾燥していると、まず手始めに痛みやかゆみを感じるようになります。なんとなくデリケートゾーンがかゆい気がする、という人は要注意です。
さらに乾燥が進行すると、セックスの度に膣口が切れたり、排便時に力を入れると膣口がメリメリと割けてしまうことも……。粘膜なので、割けてしまっても保湿をすれば自力で治すこともできますが、乾燥したままだと繰り返し切れるようになってしまいます。
また、膣まわりの乾燥は子宮脱や臓器脱に繋がる可能性も。子宮脱とは、骨盤の中にある子宮を支える筋肉が緩んでしまい、子宮の一部または全部が腟から脱出してしまう病気のこと。臓器脱も子宮脱と同じように、膀胱、直腸などの臓器が本来の位置から下がって、腟から脱出してしまう病気のことです。最近では若い世代でも出産時に子宮脱になってしまったという方もいるなど、若いから大丈夫ということもありません。もちろん年齢を重ねるほど、明日は我が身。他人事ではないのです。
デリケートゾーンのケアは、年齢を重ねてからでも遅くはありません。
外側からのケアとしては、1日1回デリケートゾーン専用のアイテムで洗浄&保湿ケアをすること。生理のときなど、より清潔に保ちたいときはミストの使用もおすすめです。
また、膣トレで骨盤底筋群を鍛えて内側からケアすることも大切。最近は膣トレグッズもたくさん出ているので、お気に入りを見つけてみるのも良いですね。
日常的にすぐできることとしては、物理的に水(お茶ではなく水!)をたくさん飲んだり、ヨモギや生姜など身体をじわじわ温めるものを摂るのも乾燥対策になります。ちなみに、辛いものは一気に体内の水分量を減らしてしまうので控えましょう。
デリケートゾーンのケアを始めるのに、早いも遅いもありません。スキンケアと同じようにデリケートゾーンの潤いも全力で守っていきましょう!
写真提供/PIXTA 取材/mimiko 編集/永見 理
※写真はすべてイメージカットです。
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