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上戸 彩さん(37歳)「結婚したら女優は辞めようと決めていました」

ドラマ・映画・CM・MCに大活躍の上戸彩さん。子育て真っ最中にもかかわらず、美しさが増し、色気と品格も加わってさらに魅力が倍増した上戸さんに私生活や仕事のことまでお話を伺いました。

仕事の打合わせ、七五三、夜デート……リップとアイラインで自愛メークを楽しんでいます

「顔を優しく見せたいので眉毛は10代の頃から薄茶色にセルフブリーチするのが習慣になっています。その上から色を調整し、しっかり太めに描いています」。

《Profile》
上戸 彩さん(37歳)
’85年東京都出身。’97年全日本国民的美少女コンテスト審査員特別賞受賞。’00年女優デビュー以降ドラマ「3年B組金八先生」「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」「半沢直樹」、映画『テルマエ・ロマエ』などに出演。’04年、’14年に日本アカデミー賞優秀主演女優賞ほか多数受賞。映画『シャイロックの子供たち』が上映中。

先日、娘の七五三のお祝いで珍しくばっちりメークをしたら、家族から「ずるい、1人だけ写る気満々」と非難轟々(笑)。メークは目力がアップし、表情も変わり、存在感が出るのが嫌で、普段はすっぴんで過ごすことも多いです。だから家族は驚いたみたいです。この日は、上下オレンジシャドウに黒のアイライナーでキワを締め、さらに細め赤ラインを足し、チークとリップもオレンジに。

友達に会う時もノーメークですが、夜ご飯を食べに行く時は洋服に合わせたそれなりのメークをします。打合わせや作品の顔合わせ時も心が安定し、胸が張れるから仕事にメークは必須。気持ちがスイッチオンしますね。

基本、メークをしてもすっぴんっぽい顔が好みですが、メーク感をアップさせたい時はアイラインとマスカラを。唇はリップで荒れるので、昔からリップクリームのみです。メークはすべて指でパパッと仕上げるので、10分もかからないですね。

普段は子供達と一緒に21時頃寝て、1時頃目が覚めると少しスマホを見て、また寝て6時にアラームで起床。最近キングサイズより大きい、幅2m80cmのベッドフレームをオーダーメイドし、その上に煎餅布団を敷いて、家族全員川の字で寝ています。幸せですね。朝食は夫が作ってくれますが、和食もあれば洋食の日もあって、必ず食べるのが免疫力を高めるアカモク。子供も好きですね。

子供達を学校や幼稚園に送った9時半からポテチを食べながら韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を観るのが楽しみ。ですが、現実は仕事も含めてスケジュールがパンパンで半年経ってもまだ観終わっていません(笑)。

結婚が再び仕事に向き合うきっかけに。自分も前向きになり、応援してくれる人が増えると何事も楽しくなる!

実は昔から「山口百恵さん伝説」に憧れていて、結婚したら女優は辞めようと決めていました。14歳でデビューした後はがむしゃらに働いて、やらされている感があって、私は商品だと考える方がラクになるくらい気持ちが追い詰められていたの。なかなか会えない当時の社長に手紙を書いて自分の思いを直訴したりも。あの頃を振り返ると、泣いてばかりで、今思っても限界でした。

その後、22歳で今も続いているソフトバンクのCMが始まったのですが、役柄が「あや」という設定で、「余程違う名前の方がスイッチを切り替えられるのに」と、どう演じたらいいかわからなくなったんです。その時、共演者の樋口可南子さんが「自分らしく、でいいのよ」とアドバイスしてくださったのに、「自分らしくって何だろう?」って自分らしさがわからない。たとえば、リンゴを食べる芝居を完璧にやると、監督からは「綺麗に食べなくていい」と言われ、普通に雑に食べるとOKが出たり。迷いながらも「全て完璧にやろうとしなくていいのかも。もうちょっと力を抜けばいいんだ。それが自分らしさだ」と気づけ、少しずつ自由に演じるようになり、演技が楽しくなりました。

その数年後、夫と出会いました。すると「路線を変えたら? アイドルは卒業してもいいんじゃない?」と思いがけないアドバイスをくれ、大人としての上戸 彩に方向転換したのです。27歳で結婚した時は、あんなに円満退社を望んでいたのに、彼は私に仕事をしてほしいタイプの人で、女優を辞める選択肢がなくなったわけです。

結婚後、心が安定し、気がつくと様々な物事を自分で決断できるようにもなっていました。すると辛かった仕事がどんどん楽しくなって、今まで「この台詞はどういう気持ちなんですか?」ということすら聞けなかったのが細かいところまで監督に聞けるようになり、自分から演じ方のプランを出すなど、演技に関して前向きになっていきました。すると、作品の視聴率や評価なども気になって、仕事に意欲が出るんですよね。家族という存在を得て、私は自分を愛せるようになれたのだと思います。

この日の上戸さんのメークのポイントは?

上品な赤みメークで華やかな妻らしく。「目元にベージュ+赤みブラウンを重ね、口元も艶系の赤リップに。チークはイエローオレンジを上に向け、色と塗り方で抜け感を。黒マスカラを上下強め、ブラウンブラックのアイラインを1cm上に伸ばして目元を強調。ヘアはゆるく巻いてからオイルで艶を与えオシャレ感を」(教えてくれたのは……ヘア・メークアップアーティスト 林 由香里さん)

《衣装クレジット》
ドレス¥804,100(ERDEM/メゾン・ディセット)リング〈左手中指〉¥30,800(ボーニー/エドストローム オフィス)ピアス/スタイリスト私物

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2023年『美ST』4月号掲載
撮影/ISAC(SIGNO) ヘア・メーク/林 由香里 スタイリスト/宮澤敬子(WHITNEY) 取材/安田真里 編集/漢那美由紀

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