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「飲む日焼け止め」って本当に効くの?医師が解説!

「美白サプリって効くの?」「どれを選べばいいの?」と読者アンケートでも多数の疑問が寄せられたサプリメントやドリンクなどのインナー美白。気になる疑問を医師に質問!成分や機能をきちんとおさらいして、ぴったりのサプリを見つけましょう。

インナー美白の基本って何?

Q. 飲んでから肌にどうやって効くの?
成分がいったん体内に吸収され、血流に乗って全身を巡り、皮膚に到達します。効果は外用と同じで紫外線などによる皮膚の炎症の鎮静やメラノサイトでのメラニン産成の抑制など。ただ、外用は局所的ですが、内服は全体に効果が見られます。

Q. 「飲む日焼け止め」と「飲む美白」の違いは?
飲む日焼け止めは、紫外線による酸化ダメージから肌を防御するため、紫外線などによる炎症を鎮める抗酸化作用を持つ成分がメインです。飲む美白は「メラニンの産成を抑制し、メラニン生成の抑制やケラチノサイトへの移動を抑制したり、表皮ターンオーバーを促進します。

Q. 効果的な飲み方はありますか?多く飲んでも平気ですか?
効果的な飲み方は「説明書通りに飲むこと」。体に良い成分でも過剰に摂取すると副作用が出ることがあり、吐き気・痒み・尿路結石・血栓などの症状が生じることもあります。手に入りやすい市販のサプリメントでも同様です。

Q. 化粧品とサプリでは働きが異なりますか?
効果は同じでも、サプリは全体に効き、化粧品などは塗布した部分のみに効きます。しかしビタミンCのイオン導入のように副作用が少なく局所効果が高い施術や、コウジ酸のように内服できない成分を化粧品では使用できます。UVに関してはサプリだけで紫外線を十分に防御できないため必ず日焼け止めを。逆にUVサプリは落ちたり塗り残しの心配がないので、組み合わせて使うのがお勧めです。

日本医科大学医学部 皮膚科学 教授。神戸大学医学部卒業。大学病院の美容皮膚科外来を率いて、科学的な根拠のある美容皮膚科学を実践。

ここをチェック!インナー美白に効く成分をおさらい!

1:ビタミンC
メラニンが作られる際に働く酵素・チロシナーゼの活性を抑えて、メラニン産成を抑制します。また、できてしまった黒色メラニンの無色化を促進する効果もあります。高い抗酸化力があるため「飲む美白」「飲む日焼け止め」と幅広く配合。

2:L-システイン
システインは黒色メラニンではなく黄色メラニンを多く作るよう働きかけるアミノ酸。L-システインが2分子結合したものが、L-シスチンです。活性化すると過剰なメラニンを作り出す酵素・チロシナーゼの産生を抑制し、チロシナーゼが、チロシンをメラニンへと変化させるのをブロックします。同時に、ターンオーバーを促進してメラニンの排出も早めます。

3:ローズマリーエキス
ローズマリーの葉には、ポリフェノールの一種である「フラボノイド」が含まれ、抗酸化作用があります。また、紫外線により皮膚に損傷をきたす活性酸素が発生しますが、それを抑制するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性を高めて、酸化ストレスを抑制します。

4:アスタキサンチン
サケやエビ、カニ、ヘマトコッカス藻などに含まれる赤い天然色素。抗酸化物質「カロテノイド」の一種で、強力な抗酸化作用を持ち、紫外線によって生じた活性酸素を消去します。トマトのリコピンや人参のβ-カロテンもカロテノイドの仲間です。

5:ファーンブロック
シダ植物から抽出された成分。20年ほど前から、飲む日焼け止めの有効成分としてアメリカで販売され始め、話題になりました。紫外線を浴びた際に、皮膚が赤くなる「紅斑」を出にくくする効果があり、SPF値は2〜3程度と言われています。

6:ビタミンE
脂溶性ビタミンの一種。強力な抗酸化作用を有しており「若返りのビタミン」と呼ばれることも。メラニン生成の抑制に加え、紫外線によるDNAの損傷も防御します。大量に摂取すると血液が止まりにくくなるなどの副作用があるため、飲む量を守りましょう。

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2023年『美ST』5月号掲載
撮影/河野 望〈静物〉 取材/奥原京子 編集/石原晶子

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