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「芸能界に向いていないんじゃないか?」【奥菜 恵さん】のつらい時期の乗り越え方

私を幸せにできるのは私、美容のモチベーションも自分のため。誰かのためでなく、”自分のために綺麗でいること”が心地よく幸せに生きる基準になり、周りをもハッピーにできる。俳優・2児の母として輝き続ける奥菜さんに自愛の秘訣を伺いました。

嫌なことがあっても怒らない&ジタバタしない!=スルー力を持つようにしています

ブラウス¥49,500、パンツ¥41,800(ともにリビアナ コンティ)ピアス¥61,600(ビジュードエム)靴(スタイリスト私物)

《Profile》
1979年8月6日、広島県出身。13歳の時、テレビドラマで俳優デビュー。10月13日公開の映画『キリエのうた』に出演。9月にはハッピーエイジングを掲げた女性の笑顔のための事業をスタートする他、創作活動やキッズプロジェクトやボランティアなどにも積極的に取り組む。

私が考える自愛は、自分軸で生きること。そのために大切なのは5つの心がけだと考えています。

1つ目は〝スルー力〟を身につけることです。現実や自分自身を、良いも悪いも抗うことなく、全てを静かに受け入れることってとても大切。ネガティブなことが起こっても、ジタバタしないで享受する力を備えておくことを心がけています。

次に、人にも自分にも「ありがとう」を言うこと。ちょっとした一人の時間でもいいので、完璧ではないこともひっくるめて、自分に「ありがとう」と言ってみる。筋トレ5分できた、でもいいんです。とにかく声に出して言ってみる。頭の中だけで考えるのではなくて(笑)。口に出して自分の耳にもキャッチさせてあげるんです。よく言霊と言いますが、自分で言って、その声を自分の聴覚で捉えることで、自己肯定感も高まり、心も開放され、穏やかで良いエネルギーが循環するような気がします。

3つ目は〇〇しなければならない、こうすべき、という固定観念にとらわれて心が不自由にならないよう気をつけること。

4つ目は不自然なものを見分ける感性を失わないこと。違和感を感じるものに対して感覚を研ぎ澄まし、直感で判断するようにしています。

5つ目は頑張りすぎず〝良い加減〟を目指すこと。理想に近づけない自分を責めちゃうのも、怠けすぎるのもストレスになってしまいますよね。物事をありのまま享受し、良い加減を心がけ、好き嫌いに敏感になって暮らし、心が素直にワクワク喜ぶことに耳を傾けること。そうすれば心に余裕が生まれ、自分を幸せな気持ちに包んであげられるのではないでしょうか。

自分軸で生きることができた時の幸福感こそが、自愛に繫がるような気がします。

読書は私の自愛ツールに欠かせないもの。10代前半でデビューし、大人に囲まれた世界で心と体の距離が離れてしまい、自分で自分を苦しめる時期もありました。そんな迷える私を救ってくれたのが本なんです。

特に大きな影響を与えてくれたのが、ニール・ドナルド・ウォルシュ作『神との対話』。10代の終わり、自分が何者なのかわからなくなり、気持ちが行動に追いついていかず…。虚無感にとらわれ身動きできなくなっている私を見かねたのか、ある先輩女優さんが「これ、読んでみたら?」と勧めてくださいました。分厚いのが3巻もあるのですが(笑)、読んでみると人生の真理に触れられたような気がして、それまで心や頭にかかっていたモヤがフワッと晴れていくような感覚になって楽になり、とても救われました。

それ以来、折に触れ読み返し、その都度内容が深く染みこみます。それと同時に少しずつ自分自身のことが摑めるようになり、好きと嫌いがわかるようになり、悩み葛藤した時間も必要な時間だったのだと思えるようになりました。

ちょっとした違和感に敏感に反応しがちな自分は芸能界には向いていないんじゃないか、と思ったこともありました。それでも、純粋にお芝居が好きという気持ちで何とか今までやってこられたのは、自分が好きなものを大切にしたい、諦めたくないという自愛精神があったからこそ。いろんな経験があって今がいちばん楽しく幸せだと感じられる。ポジティブなこともネガティブなことも全部含めてで栄養になっている。自分軸が私流の自愛=慈愛だと思っています。

2023年『美ST』9月号掲載
撮影/岩谷優一(vale.) ヘア・メーク/RYUJI(Donna inc) スタイリスト/今井聖子(Canna) 取材/柏崎恵理 編集/長谷川千尋

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「芸能界に向いていないんじゃないか?」【奥菜 恵さん】のつらい時期の乗り越え方

2025年1月号

2024年11月15日発売

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