HEALTH

40代だからこそ、見落とされない「乳がん検診」の受けかた

乳がんは女性の12人に1人がかかるといわれ、毎年約1万人が命を落としています。その罹患率は40代から急激に増え、40代後半がピーク。検査を受けているからと安心せずに、自分の乳腺の特徴を知り、専門医のいるクリニックを選ぶことも大切です。

マンモグラフィで発見しづらい美ST世代は半分以上。自分の乳腺濃度を知りましょう

▶高濃度乳房の場合、マンモと超音波の併用を年に1回が目安

乳腺濃度とは胸の脂肪と乳腺組織の比率で、脂肪が少なくて乳腺組織が多いほど高濃度乳房と言われます。日本人女性の40〜50代の高濃度乳房の割合は約5割以上と高めです。一般的に胸が小さい人は高濃度乳房であることが多く、加齢や授乳とともに乳腺は脂肪に置き換わります。しかし年代を問わず70代の女性であっても高濃度乳房の人もおり、自分の乳腺濃度を知ることが大切です。マンモグラフィ検診では、しこりが白く映るため、高濃度乳房の場合、乳腺も白く映り込んでしまい、しこりが見つけにくいのです。検診の際に自分の乳腺濃度を教えてもらうようにして、高濃度の場合はマンモグラフィだけでなく超音波(エコー)の検診も受けておきましょう。また、できれば乳腺専門医のいるクリニックで精度の高い検診を。自治体の検診は2年に一度ですが、できれば毎年、難しければマンモと超音波を交互に受診するのが理想的です。

「神の手」を持つ女医で手術数は年間約100例。日本乳癌学会乳腺専門医、マンモグラフィ読影医でもあるスペシャリスト。

\マンモグラフィで白く映るしこりは、同じく白く映る乳腺が濃いと見つけにくい/

左の画像は脂肪が多い人で黒っぽく映り、しこりの白さが目立ちますが、右にいくほど乳腺が濃く、しこりが見えにくくなります。

見落としや誤診の少ない施設の探し方は?

NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構による「マンモグラフィ読影認定医」「マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師•医師」「マンモグラフィ検診画像認定施設」の3つが揃う施設を対象に調査し公開。質の高い施設を探せます。(2015年8月現在)
https://breastcare.jp/search_shisetsu/list.php

セルフ検査は生理初日から10日後、バストケアしながらするのがベスト

<POINT 1> 小石のような感触や茶褐色の分泌物、兆候を見逃さないで

触診では、指の滑りがよい状態で指のはらで押すように触ります。ただ、自分で見つけて来院する場合は、しこりの大きさが2〜3cmのことが多く、がんのステージは2期の場合が多いのが現実です。ゴリッとした小石のようなものがある感覚です。行うタイミングは生理開始から10日目くらいで触ってゴツゴツしていない時期に月に1回触ってみましょう。痛みはホルモンバランスの影響でがんと関係ないことが多く、ゴリッとしたものがあったら要注意です。一方、視診では、乳首の周りを押してみて、血液が混じった茶褐色の分泌物が出ると、3割近くが乳がんです。あと、乳房にえくぼのようなものがあるのも危険サイン。(明石先生)

<POINT 2> 寝た状態と座った状態でやると満遍なく触れます

寝た状態と座った状態で、4本の指のはらで満遍なく、少し押し付けるように触っていきます。寝た状態だと乳腺が広がるので、乳房の下の部分が触りやすく、座った状態だと乳腺が下がるので上の部分が触りやすくなります。ボディクリームなどを塗りながら指の滑りがいい状態で行うのがベスト。

\寝ているときは下/

えくぼのような凹みがあると要注意です

がん細胞は、周りの組織を引き込む性質があるので、皮膚ががん細胞に引っ張られます。乳房にえくぼのような凹みがあったり、乳頭の周りが凹み、いつもと乳頭の形が違うと要注意です。

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撮影/齋藤 明 ヘア・メーク/青木理恵(SOUP) スタイリスト/中井綾子(crepe) 取材/佐々木千秋

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