《30年間ビューティ担当のベストコスメ》【第36回】withマスク時代に、SUQQUの「ザ クリーム ファンデーション」
今月の殿堂コスメは、SUQQUの「ザ クリーム ファンデーション」

\ここがすごい/
1:マスク後に肌がきれいなままのファンデを選びたい
2:〝 老けない〟クリームファンデは、粉感を可能なかぎり排除
3:人形NG。人間の生命感を表現した「艶」に
肌に負担なく精度の高い艶を追求し〝パウダーレス〟な仕上がりに。美しさと心地よさを追求した至高のクリームファンデ
新しい日常のマスクとファンデの関係、考えてみると「ファンデがついたマスク」ばかりに目がいって、「ファンデがとれてしまった肌」のほうを忘れてはいませんか?
私はここ数年、寒くなるとスックのクリームファンデに変えており、今年もマスクの下にはどうだろう? と、残っていた2代目「エクストラリッチグロウクリームファンデーション」を試してみました。結果、マスク移りが少なかったうえ、マスクを取った後の肌の見た目と状態は疲れた感もなく予想以上にきれい。馴染んでいるというか、言ってみればきれいに崩れてる感じ?今年の9月4日に3代目「ザクリームファンデーション」が発売され、その効果はさらに増したように思えます。乾燥もせず粉浮きもなく肌との一体感が増して、しかし密閉感はなく心地よい状態が長く続くのです。
実はスックは乾燥対策とカバー力が大人肌と相性がいいという考えから、2007年の秋冬コレクションでもクリームファンデを出しています。でも当時は、「クリームファンデは使うのにテクニックが要るプロが使うもの」という印象を変えることができませんでした(ちなみにこの時も価格は1万円)。品質の良さによって徐々に支持者を増やしていくなか、好機が訪れました。時短ブームが一段落し自分の肌に手をかける丁寧な美容に価値が出てきたのと重なり、2016年のブランドリフレッシュの時に「エクストラリッチクリームファンデーション」を1万円で発売し、注目を集めます。この時から〝諭吉ファンデ〟と呼ばれるようになり、2018年の2代目において本格的にブレイク。従来のクリームファンデはこってりしていて量の調節と均一に広げるのが難しかったのに、軽くスッと伸び、ワンストロークで指のあとがつかず、スキンケアクリームを塗るような感覚で使えたことで、クリームファンデを普段使いすることが一般的に広まりました。
さらに、ファンデにとって何より大事なのは美しい仕上がり。ベースメークはつけたてが一番きれいだという常識を超えたのもスックです。時間が経つとメークが崩れ、疲れが見えてしまうのではなく、時間が経つほどに美しく見える肌表現を目指し、それを〝移り変わる艶〟で実現しました。トップは穏やかに揮発するリフレクションオイルが肌表面に広がって作る淡くフレッシュな艶、ミドルはパールピグメントやマイカを含むグロウリキッドがもたらす血色感と華やかで均一な艶、ラストは皮脂とグロウリキッドがうまく馴染み、ピグメントの透明度が増して光を肌内部に取り込んだような滑らかな艶。
艶肌と言っても千差万別、スックが目指す艶は人間らしい生命感に溢れる艶です。だから「粉感」と「極端な皮膜感」、この二つを極力避けることを目標にしています。粉体は肌に定着する働きをしますが、肌には水分も油分もあるけれど粉はない、違和感のある存在と言えます。しかも過度な粉感は疲れた顔に見せ、老けた印象の大きな原因にも。それを解決するために、3代目「ザクリームファンデーション」は全てのピグメント(顔料)にアミノ酸誘導体コーティングを施しました。今までポイントメークでは使われていましたが、ベースメークでは多くの顔料一つ一つにコーティングするのは安定させるのが難しい。1stサンプルは質感がゆるく締まりがないグズグズな状態で、なんて大変なことを始めてしまったんだろう、と思ったほどでした。また、皮膜剤は膜を形成し肌へのホールド感を与えてくれるのですが、これが多いと人形のような人工的な肌感になってしまいます。皮膜剤と油剤の種類のバランスはとても繊細なもの、ほぼ全パターンの組み合わせを試し試作番号は過去最多になりましたが、新成分や新技術などの大きな変化ではなくても、毎日するメークのストレスを減らして美しい肌作りの助けになろう。その思いが数々の苦労を乗り越えさせる原動力になりました。ついに、粉浮きやわずかに残っていたきしみ感がなくなり、一体感が増してやわらかく肌に溶け込むような仕上がりに到達。加えて新たに2種、計13種の国産美容保湿エキスでスキンケア効果も高め、スックの命題である艶を研ぎすますことを叶えたのです。
新しい化粧品に変えるのはちょっとした勇気がいること。だから、愛着がある品がさらによい品に更新されるのは、とても嬉しい。その積み重ねが、日々変化する私たちの生活を、確実に快適に、楽しくしてくれるのですから。
\使っています♡/

撮影/河野 望 イラストレーション/大沢かずみ 編集・文/石原晶子