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40代の4割が悩んでいる【40代の尿トラブル】正しい対処法

更年期になると多くみられるようになり、加齢とともに増加していく尿トラブル。病気じゃないからと放置していると治りにくくなってしまいます。日常のセルフケアから最新のクリニック治療まで、すでに悩んでいる人も予防したい人にも、今日から始められる対策を紹介します。

40代女性の3大尿トラブルはこれ!

1:【尿漏れ】
40代女性の4割が経験。人に言えず悩みながら、放置している女性も多い

尿漏れの多くは、加齢や出産、ホルモンバランスの変化などによって骨盤底筋群が緩んでしまい、自分の意思とは関係なく咳やくしゃみなどでお腹に力が加わると尿がもれてしまうタイプ。他に、急に排尿がしたくなり、我慢できずにもれてしまうタイプと、その両方の症状があるタイプに分かれます。まれに、神経の病気が原因で生じる場合も。

・出産後、もれるようになってしまい、くしゃみをするたびチョイもれしていました。(恵美子さん・40歳)
・キックボクシングに通っていますが、キックや縄跳びをすると実はいつもチョイもれするので尿もれパッドを当ててトレーニングしています。(美香子さん・50歳)
・冬は特に、せきやくしゃみをすると、チョロッともれてしまうことが多く、出かける直前にもらすと、タイツを脱いで下着を着替えるのが面倒で、もらした下着のまま出かけて、上からパンティーライナーを当てることがあります。(香里さん・49歳)

▼対処法▼
骨盤底筋トレーニングを毎日続けて、緩んだ骨盤底を鍛えます。症状が改善せず日常生活に影響が出て困るような場合は、専門医のいる泌尿器科へ。内服治療、磁気刺激治療、手術など効果的な治療があります。

2:【頻尿】
40代の尿トラブルで圧倒的に多いのが頻尿。冬は症状を訴える人が急増します

朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上、または夜間に1〜2回排尿で起きることが毎日続くと頻尿といえます。膀胱の筋肉が勝手に収縮してしまい、膀胱に尿が十分溜まらないうちに我慢できなくなったり、溜まってないのに行きたくなるというタイプがあります。心因性ストレスや生活環境の変化なども原因になることがあります。

・トイレが近いと自覚があるので、外出するときは必ず家を出る直前にトイレに行きますが、最寄り駅についたときに、もう行きたくなることがあります。(朋美さん・44歳)
・映画館、コンサート・ライブ、長距離バス旅行、フルマラソンはあきらめています。家族とのドライブも、渋滞にはまった時は恐怖です。(淳子さん・52歳)

▼対処法▼
骨盤底筋トレーニング、膀胱訓練、生活習慣の見直しなどを続けても症状が改善しない場合は病院で診てもらいましょう。婦人科でもいいですが、磁気治療や膀胱ボトックス注射などの治療を受けたい場合は泌尿器科へ。

3:【膀胱炎】
違和感があったら早めの対策をして治療を。漢方や抗生剤が効果的

一般的に膀胱炎というと細菌性膀胱炎をいい、排尿時痛、頻尿・残尿感、血尿の症状が現れます。圧倒的に女性がかかりやすいと言われています。軽い膀胱の違和感の場合は、水分を摂る量を増やして尿で膀胱内の細菌を洗い出したり、市販の漢方薬などを服用すると自力で治めることができます。症状が改善しない場合は、病院で抗生剤治療をします。

・ある日突然、排尿痛が!びっくりして恐る恐る泌尿器科に行ったら膀胱炎でした。(由香さん・39歳)
・最近、残尿感があるのが気になっています。それくらいでは病院に行くほどではない?(典子さん・46歳)

▼対処法▼
女性は尿道が約4cmと短いため、簡単に膀胱に菌が侵入してしまいます。生理用ナプキンはこまめに替える、トイレを我慢しすぎない、温水便座で洗いすぎない、排便後は前から後ろに拭くなど、日頃の生活習慣から注意しましょう。

冬になると増加。ひとりで悩まないで症状が続くなら病院へ

40代女性の尿トラブルのなかでも頻尿と尿もれは毎日のことなので、生活に大きく影響しますが、多くの女性が我慢して放置していたり、仕方がないとあきらめてるようです。また、軽い膀胱の違和感などは市販の漢方薬を飲んだり、尿もれパッドでとりあえず何とかしているという女性が多いのが事実。「尿トラブル」というイメージに恥ずかしさがあるのか、堂々と購入する方は少ないようです。更年期や閉経によって女性ホルモンのエストロゲンが減少し、粘膜や筋肉が萎縮して弾力を失い膀胱の筋肉もどんどん弱くなって尿トラブルに悩む人が急増します。

頻尿には、もれる頻尿ともれない頻尿があります。膀胱が過敏になり、少ししか溜まっていないのに急激に尿意を感じトイレに行きたいと思う場合は過活動膀胱かもしれません。急に強い尿意が起こり我慢できずもれてしまうのは、過活動膀胱による切迫性尿失禁という症状。急激な尿意は、トイレの看板など排尿を連想させる物を見たときや水仕事やお風呂などで水に触れたりしたときなど冷えが尿意を誘発することもあり、寒くなる冬に悪化しがちです。

尿もれは主に腹圧性尿失禁。咳やくしゃみ、重いものを持ったり運動などでお腹に力が加わると、尿がもれてしまいます。有効な対策は骨盤底筋のトレーニング。尿もれは自分で対策できる症状でもあります。人生100年時代、センテナリアンまで尿トラブルと上手にお付き合いしたいものです。

泌尿器科では効果的な内服薬、磁気治療や中部尿道スリング手術、膀胱にA型ボツリヌス毒素を注射する治療など、保険適応する治療選択肢が数多くあります。悩みの解消、QOL改善のお役に立てると思います。

女性泌尿器科は女性専門のクリニック。婦人科も診察が可能です。尿トラブルは我慢できるかなと思いながらも1カ月以上同じ症状が続いたら病院に行きましょう。

尿もれ市場は若年化していて成長率はここ数年連続して上がっています。尿もれパッドのラインナップが増えたことで、尿もれケアをしていなかった人が使い始めたのも要因のひとつ。

排尿時に違和感があると言って薬を探しにお越しになる女性が多いです。お客様の症状に合わせてご相談やご説明をしますが、中には恥ずかしそうにサッと買って帰られる方も。

2021年『美ST』1月号掲載
撮影/長谷友貴 イラスト/いいあい 取材/浦崎かおり 編集/佐久間朋子

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40代の4割が悩んでいる【40代の尿トラブル】正しい対処法

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