SKINCARE
愛され続ける名品や爆発的なヒット商品、私たちを魅了するスキンケアコスメにはニッポンのものづくり魂が込められています。その熱き思いを知ると、コスメがもっと愛おしくなる!
発売以来処方が変わらない累計出荷数780万本の美容液
特筆すべきは、皮膚への親和性に優れた0.1ミクロンの多重層リポソームにモイスチュア成分を内包し、肌の奥深く浸透させること。必要な場所に狙いを定めるように成分を送り、高い保湿力を発揮。[医薬部外品]40㎖¥10,000、60㎖ ¥13,500(コスメデコルテ)
医療分野で投薬法の1つだったリポソームを化粧品に生かせる、とひらめいたのが開発者の内藤昇さん。1984年から研究を始め、自分が抱える仕事を終えてから8年間、コツコツと実験を重ねてきました。たった1人の研究員がコスメを開発するのは、極めて稀なことです。
幾重にも層が重なった超微粒子カプセルが「多重層リポソーム」です。左は電子顕微鏡の写真。
1992年やっと発売になったものの当初はあまり売れず、内藤さん自ら販売員の方々に対して商品を紹介しました。次第に「必要な成分を必要なところに送り続ける」リポソーム技術が認知され、売り上げは右肩上がりに。発売から27年処方が変わらない完成度の高さも名品の証しです。
内藤さんのリポソーム技術は次世代に引き継がれ、クリーム、アイクリーム、化粧水も誕生。
3年間以上室温条件下で安定している――これが化粧品の安定基準。微細で壊れやすいリポソームは、この基準をクリアするまでが長い道のりでした。何百通りも試し、ついに安定多重層リポソームが完成。それが実証されたとき、内藤さんは言葉が出ないほど感動していました。
肌と同化するように馴染み、後肌もベタつかないテクスチャーは研究の賜物。
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最速でハリを生み出すペプチドを配合した乳液
アンフィネスシリーズは2010年に誕生。「ハリさえあれば肌は圧倒的に美しく見える」とハリにこだわり2017年にバージョンアップ。中でも乳液はつけた直後から最速でハリが実感でき、「顔立ちまで変わった!」とリピーターも感動する名品。200g ¥7,000(アルビオン)
大阪大学で最先端のペプチド研究を行う森下竜一教授との共同開発成分を配合した製品。森下教授いわく、ペプチドを構成するアミノ酸は20種類で、5個の組み合わせは320万通り。その中からハリに最強の「OSK9」が開発されるまで、5年の歳月がかかりました。
初代のアンフィネス(写真)は30代をターゲットとして初期老化に着目。現行バージョンはハリに特化。
アルビオンは「肌を使って効果を作り上げていく」のが伝統。当時、アンフィネスの担当は40代前後。自分たちが欲しいハリを自分たちの肌で試しに試し、一切の妥協を許さずに作り上げた乳液は、シリーズの中でも断トツ人気で、前年比180%超えの月もあったそう。
乳液はコットンにポンプ3回分。肌で感触や浸透性などを入念にチェック。
レチノール研究の力が集結したシワ改善クリーム
肌が自らヒアルロン酸を生み出す働きのある純粋レチノールが有効成分。酸素や光、熱に弱く、化粧品に配合することが難しいとされてきたレチノールの安定配合の製剤化に成功。肌をうるおいで満たしてシワを改善。[医薬部外品]15g ¥5,800(編集部調べ)(資生堂)
2017年6月に発売され、出荷数は1年間で250万本。1万円を切るシワ改善クリームとして人気を博し、日本一の売り上げに。研究者たちが感動したのは、「惜しみなく使えるので、目元や口元だけでなく首にも使ったらシワが目立たなくなった!」という愛用者たちが実感した喜びの声。
ユーザーの声を受け、首のシワ改善効果も検証。朝晩8週間の使用で薄くなることが判明。
資生堂が厚生労働省に「シワ改善」の医薬部外品の有効成分としてレチノールの申請を始めたのは実に1993年。当時は「肌荒れ効能」認可のみでした。それ以来24年間、厳しい厚労省の審査に耐え続け、容器も作り替え、2017年に悲願の認可へ。
光だけでなく酸素も通さないバックレス機構のチューブは、針を刺しても入らないほど。
レチノールがシワに効果があることに着目して研究を始めたのは1989年。「いままでに研究、開発に携わったのは140人以上で私もその1人。数多くの成分を検証しましたが『レチノールほどシワを改善する効果に優れたものはない』と確信を得ました」(レチノール研究歴10年の大田正弘さん)。
資生堂でレチノール研究第一人者の大田正弘さんが行ったシワ改善効果の治験は3,000例以上。
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コスメ業界に衝撃を与えた基底層まで届く成分を配合
アトピー患者の9割にかゆみ軽減などの効果が見られた「ライスパワーRNo. 11」を配合した化粧水。このエキスはコスメとして唯一、表皮の奥の基底層まで届き、皮膚水分保持機能を改善する効果が認められています。[医薬部外品] 120㎖ ¥8,000(勇心酒造)
実体験と研究者の勘から、「米には肌を健康にする力があるはずだ」と着想した勇心酒造社長・徳山孝さん。1974年、自宅の台所で奥様に煙たがられながらも米の成分の研究を始め、1億通り以上も考えられる発酵方法から有効なものを見出す挑戦を続けました。
香川県で1854年に創業した勇心酒造。新しくなった社屋では、米のさらなる可能性も研究中。
研究を始めた当時、社会問題になっていたアトピーに苦しむ人々が徳山社長の周りにもいました。なんとか役立ちたいという思いが徳島大学の荒瀬誠治教授と共鳴し共同研究へ。開発したエキスを1,000人以上の被験者に試したところ副作用は1例もなく、「ライスパワーRNo.11」と命名。
1996年に厚労省に医薬部外品としての申請を行った「ライスパワーRNo.11」。でも、基底層にまで届いて皮膚水分保持能を改善するという成分は前例がなく、承認までは6年がかりでした。厚労省に何度も足を運び、書類のやりとりが繰り返され、2001年ついに承認されたのです。
ライスパワーRNo.11を配合した初の製品「アトピスマイルRクリーム」が発売されたのは2002年。
2019年『美ST』3月号掲載
撮影/河野 望 取材/井口智恵
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