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「私は敏感肌で」という言葉が、今まではちょっと軽く思われていたかもしれません。でも、肌は内と外の境い目。現在のように生活や環境が過酷になると、大きな負担がかかるようになりました。自分の肌の状態に向き合って、「ゆらいでるな」と思ったら、そこを見逃さない。「ゆらぎ肌」だと感じたらアクションを起こすことが大切なのです。
肌に対する内外環境が悪化し、肌の不調に悩む患者さんが増えています。「ゆらぎ肌」というのは医学的には「未病」の状態なのですが、2016年に皮膚科学者ら専門家で構成される国際的委員会が「肌の不調とは内外の刺激に応じて生じる不快感の発症」という〈敏感肌の再定義〉をしました。もはや気のせいではなく、きちんと対応すべきことなのです。
敏感肌で最も多いのが、体質的な肌の乾燥で、もともと水分保持力が弱い方に生じる「湿疹」です。しかし、今まで肌が健康だった方でも、さまざまな刺激をきっかけにバリア機能が低下しているところに、化粧品、冬の乾燥、タバコやその煙、大気汚染物質や浮遊している花粉、紫外線、誤ったスキンケア方法、ストレス、更年期などさまざまな要因で、「ゆらぎ肌」「敏感肌」になることがあります。美ST世代は女性ホルモンの恩恵が徐々に失われていくことも要因の一つですし、肌を再生するのに重要な睡眠時間にしても日本の40~50代女性は世界で一番短いと言われています。
「ゆらぎ肌」という言葉は、前述のように「未病」の状態。皮膚科にとって敏感肌は「湿疹」の症状です。〈湿疹三角形〉と呼ばれるように、湿疹は症状が多彩です。見た目の症状としては、炎症の最初の段階である赤み→触るとザラザラする→ひどくなるとグジュグジュ→粉を吹いたようにカサカサ。自覚症状としては、赤み→ムズムズ→痒み→痛み。グジュグジュやザラザラを繰り返していくと、皮膚が硬くなってゴワゴワになり、慢性湿疹の状態に。セルフケアだけでなく、専門医の診断と治療が必要になる時期をきちんと見極めるのが大切です。
水分を塗るのは保水であって保湿ではありません。ゆらぎ肌初期には、物質そのものが水を抱えられる成分が配合されているクリームをお勧めします。緊急のときは、撥水・角層軟化機能に優れたバームやオイル状のアイテムで、刺激が中に入るのを防いでください。
水を抱えられる成分とは、グリセリンや多糖類、アミノ酸、ヒアルロン酸、そしてセラミドなどです。いわゆる〈ビタミンACE(エース)〉は、紫外線の酸化作用を軽減するのでお勧めです。ただし、ビタミンA(レチノール)はゆらいでいる時は刺激が強いのでご注意ください。トラネキサム酸は炎症を抑えるので肌荒れ防止効果があります。
軽い状態も軽視せず、例えば「この行為をするとゆらぐ」など自覚するのが大事。不調になった時、「これだけは大丈夫」というお守りコスメを持つのもいいですね。肌の状態を感じながら早めに適切な対応をしましょう。
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。 皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣など、明確でわかりやすい解説が好評。TV、雑誌など多方面で活躍中。
2019年『美ST』3月号掲載
撮影/大瀬智和〈人物〉、河野 望〈静物〉 ヘア・メーク/大山美智 取材/大佛摩紀 編集/石原晶子
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