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《30年間ビューティ担当のベストコスメ》【第40回】のせるだけで美肌に。ジバンシイの 「プリズム・リーブル」

リキッドファンデーションの進化やクッションファンデの流行などで、ルースパウダーは身近でなくなったかもしれません。でも、今回、紹介するのは通常のパウダーとは一線を画す、この世に一つだけの「発明」とも言うべき名品です。ふんわりとのせただけで美肌に仕上がる驚きの効果と、クチュールブランドの持つ優雅な華やかさを持っています。

今月の殿堂コスメは、自分の肌に自信が持てるルースパウダー、ジバンシイの 「プリズム・リーブル」

プリズム・リーブル 3g×4 全4色 各¥7,480(パルファム ジバンシイ)。色素が作る色ではなく、小さな光の構造が作る自然界の現象を発想の一つとして誕生したフェイスパウダー。エラスティック・ビーズとエモリエント・エージェントによってシルクのような滑らかさと光沢感が生まれる「シルキー・ハロー効果」、ソフトフォーカス・マイカ、微粒子シリカ+4色のパウダーによって色ムラや毛穴をぼかしコントロールする「プリズム・ハロー効果」を持つ。保湿効果もあるため、しっとりとした仕上がりに。上から、No.1 パステル・シフォン。グリーンが赤みを、パープルが黄みと茶ぐすみを補整し、水色が明るい透明肌へ導く。No.2 ホワイト・サテン。2代目からの変化は白に少しだけ紫を加え、イエローがより淡くウォームなトーンになったこと。内側から発光するような明るい肌へ。No.3 ローズ・ヴェイル。全てピンク系の同系色且つ淡いトーンで揃え、より肌馴染みがよく血色感をもたらすカラーに。肌に元気がなくくすみがちな時に。No.4 アシッド・シフォン。各色の持つ利点(くすみ、赤みをカバー、色ムラを均一に)が一体となり、ヘルシーで均一なトーンの肌へ整える。2021年2月5日発売。

\ここがすごい/

1:光色のブレンドで限りなく透明に
2:メークで人間の持つ肌の美しさを最大化
3:アイコンコスメを進化させていく矜持

マットでありながらも輝きを放つナチュラルな美肌に。肌にのせるだけで肌が格上げされる名品パウダー

ファンデーションの後にはパウダーをつけないと落ち着かない〝粉好き〟の私。ルースパウダーって今は使わないわ~、と考える方に、肌をキレイに見せたいのなら一度試してほしいアイテムが、ジバンシイの新生「プリズム・リーブル」です。サッと肌にのせるだけで、「なにか違う」「どこか違って見える」――肌悩みが自然に消えてしまったかのような、明るさと透明感を持った均一な肌に、自然に仕上がるからです。「プリズム」シリーズは、ユベール・ド・ジバンシィの「肌色という色はない」という考えに基づいています。人それぞれの肌の色があり、また、私の顔の肌だって単一色ではありません。1989年に「プリズム・ドゥスール」が4色セットのプレストパウダーとして初登場した時はまさに新鮮で画期的、私の年代の人は、どの色を選ぶのか迷いに迷って必ず1個は持っていたほどの大人気作でした。待望のルースパウダー「プリズム・リーブル」初代が出たのは2006年、2014年に2代目になり、今年の3月に3回目のリニューアル。

「プリズム」は、単なる4色おしろいとはちょっと違います。その名のとおり〝光色のブレンド〟を意味します。光の三原色を重ねると白に近づくように、透明感と輝きを纏う肌を作るためのもの。それを実現するのは、超微粒子の均一な粉です。2006年の初代は、当時、フェイスパウダーによく使用されていたチタン粒子を千分の1サイズにして、粉浮きや白浮きしない自然で繊細な仕上がりと、中が空洞になっていて空気を含んだ微粒子を持つポリマーによって、ふんわりと軽いつけ心地を実現しました。2014年の2代目「プリズム・リーブル」はアトマイズ・テクノロジーを採用しています。薬を飲用する際に溶けやすくする医薬品の製造にも使用されているというこの技術は、異なる原料同士の粒子サイズを細かく均一化できます。そのため、肌にパウダーをのせた時、厚ぼったくならず、粒子間の凹凸や隙間を肌に溶け込むように馴染ませることができるのです。ルースパウダーは一見サラサラした同質の粉に見えますが、中には効果を出すための多くの原料が入っています。「プリズム・リーブル」にはソフトフォーカス・マイカ、微粒子シリカ、エラスティック・ビーズなどの異なる素材が入っており、それらをとても細かく均一にしてバランスよく配合できたことが勝利のポイント。3代目はこの微粒子パウダーの優秀な点を受け継ぎながら、より効果を出す各色の処方を両立させました。

ニコラ・ドゥジェンヌ氏(ジバンシイメイクアップアンドカラーアーティスティックディレクター)は、「私は肌の輝きを保つために不可欠な、目には見えない、完全に透明なパウダーの明るさを作り出したいと思いました。それは肌本来の輝きとも呼べるものです。肌はマットな状態でありながらも輝きを放つからです」と言っています。つまり、生きている人間の肌は常に完全なマットでも艶肌でもないということ。だから「プリズム・リーブル」には、崩れにくくさらりとしたきめ細やかな肌印象にするマット効果、光を取り込みながらしっとりした光沢をもたらすイルミネイト効果が共存しています。さらに、毛穴やキメの粗さ、くすみや色ムラをぼかして補整し均一なトーンに見せるソフトフォーカス効果で肌悩みをカバー。今回、4色のハーモニーがより効果的に発揮される組合わせを探求し、パールの配合量も前作より減らしました。その結果、4色の光が織りなす効果とメークしていることを感じさせないメークアップ効果によって、さらなる透明感を自分の肌が持っているように表現できるのです。

光の三原色を重ねると白に近づくと前述しましたが、言い換えれば無色透明に見える光は実はさまざまな色の光でできているのです。ドゥジェンヌ氏は、「プリズム・リーブル」はシルクシフォンから着想を得ていると言います。「見る角度によって表情を自在に変える繊細なシルクシフォンは、素材自体が驚くほど肌に似ている」とも。肌を覆うことで、その人自身が気づいていなかった潜在的な美をもたらす〝肌のためのドレス〟。だからこそ「プリズム・リーブル」を纏った時、「この人はどこか他の人と違う」、そんなオーラを持った別格肌が手に入るのでしょう。

\使っています♡/

私は仕事の日はNo.1、休日はNo.4を使用。付属パフを4Gロゴ形に開けられた穴の面に当ててケースごと3回シェイクすると、パフに4色の4Gマークが! 何度やってもキレイにパフにつくのに感動。穴が中央に集まっているので、容器の外への粉とびや粉漏れを防げることも優れています。限られた数の小さな穴でも適量がパフに出るのは、微粒子のパウダーだからこそ。パフ1回分で半顔、1つで1年は持つそうです。プリズムは、1989年初の「プリズム・ドゥスール」後、異なる色の「プリズム」シリーズのパウダーを数年にわたり発売、アレキサンダー・マックイーンがデザイナーであった時にプリズム「ミロワ」でいったんパッケージが変わりましたが、1999年からジバンシイに参加したニコラ・ドゥジェンヌ氏は、ユベール・ド・ジバンシィの美学を体現するために2003年「プリズム・アゲイン!」で最初の姿を彷彿とさせるパッケージに戻したとか。常に「ユベールだったらどうするか?」を原点にして、ぶれないで20年創作しているマインドを、この「プリズム・リーブル」に感じます。

編集 I

30年間ビューティ担当 編集 I

『JJ』時代から美容を担当。スーパーモデルブーム、日本上陸前のM·A·Cをブレイクさせる。愛ある視点で厳しく化粧品を選び、「コスメは感動!」が信条。美ST ONLINEでの連載「30年目のコスメ愛」も好評。

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2021年『美ST』6月号掲載
撮影/河野 望 イラストレーション/大沢かずみ 編集・文/石原晶子

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一生元気に!自愛ビューティ

《30年間ビューティ担当のベストコスメ》【第40回】のせるだけで美肌に。ジバンシイの 「プリズム・リーブル」

2024年6月号

2024年4月17日発売

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