SKINCARE
〝セラミドが保湿の要〟であることを知らない人は少ないのではないでしょうか。実はそれを発見し、化粧品に初めて応用したのは日本のメーカーでした。さまざまな敏感肌向けブランドがあり、それぞれの良さをアピールする中で、私たちに一番身近な存在とも言える「キュレル」は、そんな歴史を経て生まれました。出すのが念願だったという初めてのシートマスクも、考え抜かれた、さすがの名品です。
キュレル 潤浸保湿 モイストリペアシートマスク【医薬部外品】 4枚入り ¥1,650〈編集部調べ〉(花王)。乾燥性敏感肌の原因が「セラミド」不足にあることに着目し、長年の皮膚科学研究をもとに1999年に誕生したブランド「キュレル」の初めてのシートマスク。セラミドケアと消炎剤配合で繰り返す肌荒れと肌の乾燥に対応する。1987年に花王が開発応用した独自成分「セラミド機能成分(ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド)」と、ユーカリエキス(保湿成分)を配合。シートも敏感になっている肌に刺激を与えない密着度、隙間を生じない形状、100%植物由来成分と考え抜かれている。弱酸性、無香料、無着色、アルコールフリー(エチルアルコール無添加)。2021年9月11日発売。
\ここがすごい/
1:健康で美しい肌の基本「セラミド」に立ち返る
2:セラミド成分は安定してたくさん配合できることが重要
3:毎日、多くの人に使ってもらうための価格設定
スキンケアに何かをプラスすべき乾燥する冬、今、私が大好きなのが、キュレルの「潤浸保湿 モイストリペアシートマスク」です。夜、お風呂に入ったあと、ブースター、化粧水の次に貼るとヒタヒタひんやりが気持ちよく、シートを取ったあともしっとりが持続。ルーティンの多い私ですが、このシートマスクを使った日はそのあとクリームだけでOK。
この効き目はセラミドのおかげ。皮膚には、最上部の「皮脂膜」、角層内の「天然保湿因子(NMF)」とその間を満たす「細胞間脂質」の〝3大保湿因子〟があり、セラミドは細胞間脂質の主成分です。今や保湿と言えばセラミドと言われますが、保湿機能が見つかったのはそんなに昔ではありません。1884年にドイツの科学者が、脳から機能のわからない脂質を発見し、その脂質の構造の中にセラミドが含まれていました。大脳から抽出された糖脂質の「セレブロシド」と「アミド」という言葉が結合して、1933年にセラミドという名前ができたと言われています。
そこから1970年代になるまでセラミドはスキンケアの表舞台には出てこず……そして1976年、食器用洗剤による主婦の手荒れをきっかけとし、花王が研究を開始。当時、保湿はNMF中のアミノ酸の問題で、脂質が関係しているとは考えられていなかったのですが、皮膚から流れた物質を分析し、脂質を確認。そのセラミドを含む脂質をまた皮膚に塗ったことで手荒れが改善したという研究結果を得て、セラミドが保湿機能に関わることを発見、1985年に花王の研究員が論文を発表しました。その後、ソフィーナ、1999年キュレルの製品が発売され、セラミドにおける保湿ケアがスタートしたのです。
ところで、セラミドにはさまざまな種類があります。「天然セラミド」には動物性と植物性があり、動物性は主に馬、植物性は米、桃、ユズの果実などから抽出され、ヒトの体内のセラミドとは一部構造が異なっています。「ヒト型セラミド」はヒトのセラミドとほぼ同じ構造の化合物で、主に化学合成や酵母反応を利用して生成。ヒトが持つ12種類のセラミドのいずれかに似た構造を持っています(セラミド1、2、3、5、6Ⅱなど)。「疑似セラミド」は、合成類似セラミドとも言われ、ヒトのセラミドの構造に似た化合物です。キュレルが採用しているのはこの疑似セラミド。
ここで「天然のほうがいいよね」と思い込むのは早計ですよ。セラミド化粧品は種類だけでなくセラミドの配合量も大切。角層にセラミドが不足すると隙間ができてしまい、そこから異物が侵入します。また、重要なのはセラミドがきちんと並んでいることです。天然セラミドは高価でそう沢山化粧品に入れられません。ヒト型セラミドは合成がとても複雑で、融点が高いため化粧水に入れるのは難しく、こちらも高価。効果の出る量まで配合し製品として成立させるには、天然のセラミドが持つ保湿の働きを補えるほどの量を安定的に配合しなくてはいけません。花王は開発を続け、1987年に完成した疑似セラミドに「セラミド機能成分」と名付けました。これは融点が低くて化粧品に配合しやすく、なによりたっぷりと配合できるのです。
このマスクは、キュレル初めてのシートマスク。既存のシートマスクには油分(脂質)を入れたものは少ないのですが、それを入れつつみずみずしくするために、さまざまな工夫をしています。セラミド機能成分は常温では固体の油性成分。他の油性成分と組み合わせる配合技術により製剤化すると粘度が上がってしまうため、相性のいい低刺激性の界面活性剤を組み合わせ、セラミド成分が層を作って丸まって水の中に浮かぶというベクシル技術を採用しました。液をたっぷり入れるためにはシートの厚みの他にとろみも必要なので、みずみずしさと垂れてこない粘度のバランスを調整し、さらに敏感肌のために、肌をひっぱらず、100%植物由来成分で密着感と表面の滑らかさを重視したシートを厳選。
食器用洗剤による手荒れの問題から〝保湿=セラミド〟の概念を生み出したことは、嬉しい驚きでした。それを世の中に広めて、高品質な製品を毎日気軽に使える価格で提供し続けられるのは、幾多の努力と使命感があるから。化粧品と日用品の日本を代表するメーカーである気概を感じます。一部の人だけでなく大勢の人に寄り添うブランドの存在は、私たちの美容生活を支えてくれていると実感します。
\使っています♡/
肌の乾燥を感じるのは朝ファンデーションをつける時。一見潤っているようでも一瞬でカサカサに。クリームを塗ってもそれは決してリカバーできません。だから前の晩に「潤浸保湿 モイストリペアシートマスク」を使っています。今まで、つけている間はしっとりしていても外すとすっと潤いが消えてしまったり、貼っている間にシートが乾燥したり、シートのストレッチ感が強いと刺激で顔が赤くなったりするのが、シートマスクの残念な点だったのですが、これはそんなことがありません。たっぷり液が入っているのに垂れないとろみ具合や、シートの肌あたりの良さ、ズレなさも優秀です。基本は週に1〜2回ですが、4枚入り1箱を1週間で消費。大人買いしています。シートを内側から外側に密着させていき、軽くプレスして10~15分。切り取れる「どこでもケアシート」は小鼻や目元、カサつきやすい眉間などに重ねて貼っています。液たっぷりなので余った液は首元にも。
30年間ビューティ担当 編集 I
『JJ』時代から美容を担当。 スーパーモデルブーム、 日本上陸前のM·A·Cをブレイクさせる。愛ある視点で厳しく化粧品を選び、「コスメは感動!」が信条。美ST ONLINEでの連載「30年目のコスメ愛」も好評。
2022年『美ST』2月号掲載
撮影/河野 望 イラストレーション/大沢かずみ 編集・文/石原晶子
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2025年11月16日(日)23:59まで
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