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【不妊治療のギモン】医師に聞く「人工授精と体外受精の違い」選び方も紹介

いまや約4組に1組の夫婦が取り組んでいると言われる不妊治療。30代後半~40代になって治療を始める人も増えているよう。今回は産婦人科医に不妊治療の基本ステップについてお話を伺います。人工授精や体外受精の違いや費用、適している条件など、妊活中の人はもちろん将来妊娠を考えているなら知っておきたい基本について解説します。

もう一度押さえておきたい「不妊治療」の基本ステップ

各種検査、タイミング法、人工授精、体外受精(顕微授精)について解説していきます。

まずは特定の不妊の原因の有無を検査で調べることからスタート

「夫婦両方のあらゆる検査をして、どのステップで不妊治療を行うのかを決定。どちらかに問題があればタイミング法をいくらやっても妊娠にはいたらないこともあるので、無駄な時間を費やさないためにまずは検査を」。(岡田先生)また、卵巣に残っている卵子の数を測るAMH検査など、将来の妊娠のための健康管理をするプレコンセクションケアも大切。

女性の検査内容

  • 超音波検査(子宮や卵巣の状態を調べる)
  • クラミジア検査
  • 卵管疎通性検査(卵管造影検査など)
  • 頸管因子検査(フーナーテストなど)
  • 血液検査(ホルモン値などを測定/AMH測定=卵巣機能の予測のため)

男性の検査内容

  • 精液検査(精子の数・運動量などを測定)
  • 血液検査(感染症検査など)

タイミング法

35歳以下で特定の不妊の原因がなければ自然妊娠にトライ

「エコー検査で卵巣の中で卵子が育ってきている部屋の状態やサイズを確認し、自然な生理周期で妊娠が最も確率が高いタイミングを予測します。排卵がうまくいかない方は、飲み薬を合わせて処方することもあります」(岡田先生)。不妊治療のなかで体の負担が少なく、トライしやすい方法。検査で夫婦ともに特に問題がなく、年齢的に余裕があり、着床率が高い35歳以下の方に推奨。

タイミング法が適しているのは…

□ 女性が35歳以下
□ 女性側に卵管閉塞などの症例がない
□ 男性側の精液検査に問題がない

人工授精

精子の状態がベストでない場合や女性が30代後半なら選択肢に

排卵当日に精子を専用チューブで直接、子宮内に注入して妊娠に導く方法。主に精子の運動量が少ない場合や、性交障害等がある場合に用いられます。より妊娠率を高めるために、卵管内に精子を送り込む卵管内人工授精という方法も。人工授精で妊娠にいたる方は施行全体の約50%と言われています。費用はクリニックにもよりますが、保険診療で1~2万円程度の場合が多くなっています。

人工授精が適しているのは…

□ 精子の状態がややよくない
□ フーナーテストの結果がよくない
□ 性交障害がある

体外受精(顕微授精)

年齢を問わず子宮・卵巣の状態が良好でない場合は即検討を

不妊治療のなかでも高度先進医療と言われるのが体外受精。卵巣から採卵を行い、いくつか取り出した卵子と精子を培養液の中で出会わせて受精の手伝いをします。その受精卵を培養液の中で育て、子宮内に移植(胚移植)して着床させる方法です。体外受精のなかでも顕微授精は細いガラス針の先端に1個の精子を入れて卵子に顕微鏡で確認しながら直接注入する方法で、精子の数が少なくても受精がしやすいのが特徴。年齢によって着床率に差があるので、40代で不妊治療を始めるなら最初から体外受精を勧められることが大半。費用はクリニックにより異なりますが1回の体外受精は保険診療で20万程度が目安に。

体外受精 (顕微授精)が適しているのは…

□ 35歳未満で2年以上不妊の場合
□ 36~39歳で1年以上不妊の場合
□ 40歳以上で不妊治療を開始する場合

お話を伺ったのは……

グレイス杉山クリニック SHIBUYA院長 岡田有香先生

グレイス杉山クリニック SHIBUYA院長
岡田有香先生

聖路加国際病院にて不妊治療に携わる。’21年より杉山産婦人科でも不妊治療を学ぶ。卵子凍結とプレコンセプションケアに特化した診療を行う。

2024年『美ST』9月号掲載
取材/伊藤恵美

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【不妊治療のギモン】医師に聞く「人工授精と体外受精の違い」選び方も紹介

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