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女性ホルモンが減っていく世代。今、できることって何?

女性の肌を美しく保ち、血液や骨までも守っている女性ホルモン。確かに美と健康の守護神ですが、セックスや恋愛で増えるというのは間違い。活性がわずかに上がることはあっても、そう簡単に自力で増やすのは不可能なんです。減っていくのは仕方のない事実。ならば今、私たちができることって?

【今、私たちができること①】更年期以降は健康に気を付ける

よく言われるように、女性ホルモンは美と健康の守り神。エストロゲンの減少でまず体感として分かるのは、肌の水分保持力の低下やホットフラッシュなど更年期障害の症状。自覚しにくい影響としては、骨密度の低下や血圧、血中コレステロール値の上昇、気分の落ち込み、腟の乾燥や委縮、脳の認知機能への影響などが報告されています。低血圧だった人が更年期後、急に高血圧になるのもよくあること。今まで守られていた分、生活習慣病のリスクも上がるので、更年期以降はメタボな男性以上に食事や睡眠など生活習慣に気を付けることが大切です。

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女性ホルモンの変動で起きるさまざまな症状

【今、私たちができること②】閉経を早めないためにもタバコは御法度

「女性ホルモンを自力で増やすことは難しくても、ストレスをうまく解消し、適正体重を保つことで減らさない努力はできます」(宋)。特に閉経を早めるのがタバコ。喫煙者は吸っていない人に比べて2年程度、閉経が早いというデータもあります。ほかにも閉経を早める要因としては抗がん剤治療や子宮内膜症手術など。ピルの服用で排卵を抑えると閉経が遅くなることも。また酸化ストレスにさらされることも影響が。「エストロゲンが減ると酸化ストレスが高まるという双方向性があります。良質の睡眠、バランスのいい食生活、適度な運動を大切に」(寺内)。

タバコは美肌にも大敵ですが、卵巣機能にもさまざまな影響が。喫煙者は閉経が早くなるだけでなく、不妊や月経不順、エストロゲン分泌の減少の原因にも。ニコチンは血管を収縮させるためピルの服用も制限されます。

よくある閉経までの生理のパターン

生理の周期が短くなったら更年期のサイン。徐々に周期が不順になり、月経期間がのびて出血がダラダラ続くことも。最後は稀発月経(周期が長くなる)となって、最後の生理から1年来ないと「閉経」したと判断。

【今、私たちができること③】植物性エストロゲンは更年期の症状を緩和

更年期の症状を緩和するには豆腐や納豆のように植物性エストロゲンを含んだ食材を積極的に摂るのも効果的。大豆イソフラボンはエストロゲン分泌が減ってきた美ST世代の体内で女性ホルモンと似た働きをします。また、「閉経には酸化ストレスも関与しているので、ポリフェノールなど抗酸化作用の高い成分も更年期症状を緩和」(寺内)。抗酸化作用のあるブドウ種子ポリフェノールの一種、プロアントシアニジンの摂取で、ホットフラッシュや抑うつ、不眠などの更年期症状が改善するというデータもあります。食材のほか、サプリも有効活用して。

植物性エストロゲンの代表格としてよく知られる大豆イソフラボンもポリフェノールの一種。緑茶に含まれるカテキンやブドウに含まれるプロアントシアニジンなどのフラヴァノール類のポリフェノールも更年期の症状を緩和します。

ブドウ種子ポリフェノールとともに、しょうゆ醸造の過程で発見した大豆イソフラボンのアグリコン型を主成分にした「基本のサプリ」60粒¥5,056(キッコーマン)。腸内での吸収がスムーズ。葉酸も配合。

※サプリでも成分・内容量には注意を
バストアップに効くという植物性エストロゲン「プエラリア・ミリフィカ」配合サプリ。安全な摂取量のデータがなく配合量にばらつきが多いため、国民生活センターに月経不順や不正出血などの健康被害の訴えが。サプリといえど成分・内容量などをよく確認して。

教えてくれたのは……

医学博士・性科学者。産婦人科医の立場から妊娠、出産、セックスなど、女性の体の悩みに真摯に向きあう。今年9月に新丸ビルにクリニック開設

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。産婦人科医として主に更年期障害や骨粗鬆症の診療に従事。中高年女性の抑うつ・閉経後骨粗鬆症に関する研究が専門。

撮影/泉 健太 取材/竹下順子

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