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すぐにトイレに行ける環境にないと不安になり、さっきトイレにいたのに、すぐにまた尿意を感じてしまう頻尿。生活習慣の見直しも頻尿対策には有効です。まずは原因をチェックして、もし症状が1カ月続いたら病院へ行きましょう。
40代女性の尿トラブルのなかでも頻尿と尿もれは毎日のことなので、生活に大きく影響しますが、多くの女性が我慢して放置していたり、仕方がないとあきらめてるようです。また、軽い膀胱の違和感などは市販の漢方薬を飲んだり、尿もれパッドでとりあえず何とかしているという女性が多いのが事実。「尿トラブル」というイメージに恥ずかしさがあるのか、堂々と購入する方は少ないようです。更年期や閉経によって女性ホルモンのエストロゲンが減少し、粘膜や筋肉が萎縮して弾力を失い膀胱の筋肉もどんどん弱くなって尿トラブルに悩む人が急増します。頻尿には、もれる頻尿ともれない頻尿があります。膀胱が過敏になり、少ししか溜まっていないのに急激に尿意を感じトイレに行きたいと思う場合は過活動膀胱かもしれません。急に強い尿意が起こり我慢できずもれてしまうのは、過活動膀胱による切迫性尿失禁という症状。急激な尿意は、トイレの看板など排尿を連想させる物を見たときや水仕事やお風呂などで水に触れたりしたときなど冷えが尿意を誘発することもあり、寒くなる冬に悪化しがちです。尿もれは主に腹圧性尿失禁。咳やくしゃみ、重いものを持ったり運動などでお腹に力が加わると、尿がもれてしまいます。有効な対策は骨盤底筋のトレーニング。尿もれは自分で対策できる症状でもあります。人生100年時代、センテナリアンまで尿トラブルと上手にお付き合いしたいものです。
膀胱は、コーヒーと酸っぱいものが嫌い。他にも紅茶、炭酸水、アルコール類や、ヨーグルト、柑橘系の果物などは膀胱に刺激を与える食品として頻尿の原因になります。人によってNGの食品は違いますが、膀胱がむずむずして調子が悪いと感じるときは、日頃よく口にしている膀胱に刺激を与える食品をまずは1週間やめてみてください。
美容と健康のために水はたくさん飲んだほうがいいと言われることもありますが、水分摂取量は少なすぎても多すぎてもよくありません。水でもがぶ飲みしすぎると何度も排尿に行くことになります。それは頻尿ではありますが病気ではありません。困るようであれば、水のがぶ飲みをやめてみましょう。
寒冷刺激によって、冬は頻尿の症状を訴える人が増えます。冬でも素足だと体が冷えて血流が悪くなり、膀胱の筋肉が縮んでトイレに行きたくなります。寝る前などにゆっくりお風呂につかって体を温めましょう。しかし膣や外陰部に熱いシャワーをかけすぎると粘膜のダメージが起こり頻尿の原因に。
更年期や閉経前になって女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減ると、筋力の組織に弾力やハリがなくなってきます。また、加齢とともに潤いがなくなり尿路と膣の粘膜が痩せてしまいます。薄くダメージを受けやすくなった粘膜からの刺激を尿意と誤認して何度もトイレに行ってしまう人も。
☑ トイレに行く回数が劇的に増えた
☑ 尿意が気になって集中できないことがある
☑ 急に我慢できない尿意に襲われることがある
☑ ついさっきトイレに行ったのにまたすぐ行きたくなる
☑ 毎夜、排尿に起きてしまう
朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上の場合は頻尿といえます。原因は、加齢による骨盤底筋の衰え、更年期の女性ホルモンの減少、閉経、肥満、生活習慣、下半身の冷えのほか、心因性や環境の変化など様々なものが考えられます。夜中に1~2回以上起きることが毎日続くときは夜間頻尿です。昼間の食塩摂取量が多かったり、脚がむくんだままで寝ると夜間頻尿につながります。そのため、寝る前に簡単なスクワットや、ゆっくりお風呂につかって体を温めるといいでしょう。頻尿があり、我慢できない強い尿意=切迫感を伴うものを過活動膀胱と言い、頻尿はその中の症状のひとつです。自宅でできる対策として、骨盤底筋トレーニングや排尿を我慢する膀胱訓練など行動療法のほか、生活習慣の見直しで頻尿が改善することもあります。ただ頻尿の中には尿路感染症や膀胱癌など他の病気が隠れていることもあるので、1カ月たっても症状が改善しないときは専門の医師のいるクリニックで診てもらいましょう。
泌尿器科では効果的な内服薬、磁気治療や中部尿道スリング手術、膀胱にA型ボツリヌス毒素を注射する治療など、保険適応する治療選択肢が数多くあります。悩みの解消、QOL改善のお役に立てると思います。
女性泌尿器科は女性専門のクリニック。婦人科も診察が可能です。尿トラブルは我慢できるかなと思いながらも1カ月以上同じ症状が続いたら病院に行きましょう。
尿もれ市場は若年化していて成長率はここ数年連続して上がっています。尿もれパッドのラインナップが増えたことで、尿もれケアをしていなかった人が使い始めたのも要因のひとつ。
排尿時に違和感があると言って薬を探しにお越しになる女性が多いです。お客様の症状に合わせてご相談やご説明をしますが、中には恥ずかしそうにサッと買って帰られる方も。
2021年『美ST』1月号掲載
撮影/長谷友貴 取材/浦崎かおり 編集/佐久間朋子
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2024年12月16日(月)23:59まで
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