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尿漏れの主な原因は骨盤底筋の衰え更年期や生活習慣でさらに悪化も。放っておくと、治りにくくなります。加齢とともに増える尿漏れ問題に今からできる対策として骨盤底筋トレーニングがおすすめです。
くしゃみや咳、重いものを持ったときなど腹圧がかかると本人の意思に反して尿がもれてしまう尿漏れ。病気じゃない気がするからと放置したり、なかなか人に言えずに悩んでいる人も多くみられます。尿もれの主な要因は骨盤底筋の衰えです。骨盤の底、尿道、膣、肛門の周りにハンモックのように広がる筋肉を骨盤底筋群といい、この筋肉が妊娠・出産や加齢、運動不足、肥満などで弱くなると尿がもれてしまいます。出産直後は多くの女性が尿もれしますが、一般的には数カ月で改善します。更年期や閉経前後になると筋肉の組織に弾力やはりがなくなってきてしまい骨盤底筋の緩みにつながります。長年の生活習慣や体質なども影響し、尿漏れの中には神経の病気が原因で生じる場合もありますので、チョイもれだから大丈夫と安心できないことも。尿漏れ対策に有効なのが骨盤底筋トレーニング。こつこつ毎日続ければ必ず効果があらわれます。また予防にもなるので、ぜひ今日から生活習慣に取り入れてみてください。
肛門まわりの筋肉をゆっくりと強く締めつけ、膣を引き上げるように力を入れて5秒から10秒キープしたあと、緩めてリラックスする運動を繰り返します。このとき腹筋に力を入れないように意識。毎日続けて骨盤底筋を上のイラストのように正しい位置に戻しましょう。
仰向けはもっともリラックスしやすい姿勢です。朝晩、布団の中で行えるので、毎日の習慣にして続けて。
肩の力を抜き、お腹に力を入れないようにしてゆっくり肛門と膣を締めます。電車にのっているときやデスクワーク中、家でテレビを観ているときにも行えます。
足は肩幅に開き体重を全部腕にのせます。骨盤底筋の動きをもっとも感じやすい姿勢。台所のシンクやデスクを使っても行えます。
両膝を軽く開いて立てます。お腹に力を入れないよう意識しながら肛門や膣をじわじわ引き上げてキープしたあと、緩めます。
① 排尿時に腹圧をかけない
排尿は反射なので勝手に出るのを待ちましょう。最後まで出し切ろうと思ってグゥ~ッと力を入れる人がいますが、それは出産や便秘でいきむのと同じで、もれる原因になります。
② 座るときにきちんと膝を閉じる
太ももの内側にある内転筋を鍛えると骨盤底筋を締めることにつながります。普段の生活で姿勢よくきちんと膝を閉じて座ることが、尿もれ防止トレーニングになります。
③ 肥満や便秘を解消する
くしゃみなどでお腹に圧力がかかると尿がもれてしまう腹圧性尿失禁の場合は、脂肪や腸につまった便が膀胱や骨盤底を圧迫して尿漏れの原因になっています。
骨盤底筋トレーニングをしても改善しないときは泌尿器科での診察を。内服治療や磁気刺激装置を用いた治療を行い、それでも症状が改善しない場合は、中部尿道スリング手術(TVT手術)や、今年4月から保険適応になった「A型ボツリヌス毒素膀胱壁内注射療法」いわゆるボトックス注射で膀胱の筋肉を弛緩させて症状を改善します。※治療法は原因によって異なりますので、主治医に相談を。
泌尿器科では効果的な内服薬、磁気治療や中部尿道スリング手術、膀胱にA型ボツリヌス毒素を注射する治療など、保険適応する治療選択肢が数多くあります。悩みの解消、QOL改善のお役に立てると思います。
女性泌尿器科は女性専門のクリニック。婦人科も診察が可能です。尿トラブルは我慢できるかなと思いながらも1カ月以上同じ症状が続いたら病院に行きましょう。
尿もれ市場は若年化していて成長率はここ数年連続して上がっています。尿もれパッドのラインナップが増えたことで、尿もれケアをしていなかった人が使い始めたのも要因のひとつ。
排尿時に違和感があると言って薬を探しにお越しになる女性が多いです。お客様の症状に合わせてご相談やご説明をしますが、中には恥ずかしそうにサッと買って帰られる方も。
2021年『美ST』1月号掲載
撮影/長谷友貴 モデル/川端 歩(TEAM美魔女) 取材/浦崎かおり 編集/佐久間朋子
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