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日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。フリーランスライター・郁美さん(仮名、45歳)は、8歳年下で建築会社勤務の夫・健次郎さん(仮名、37歳)と性交渉がなくなって約3年になるといいます。夫の浮気を心配して思い切ってセックスレスの理由を聞いたところ、返ってきたのは意外な答えでした。
ふたりの出会いは共通の友人が開いた「釣りの会」。合コンのような場だったそう。30代と20代で出会った2人は交際半年でスピード結婚し、現在は結婚10年目。健次郎さんはバツイチ、郁美さんは初婚でした。
「当時、私は新卒から勤めていた化粧品会社で広報をしていました。それまではいわゆる“意識高め”な男性と付き合うことが多くて、小難しい会話に無理をしてついていくことに少し疲れていました。その反動か、夫の“押しの強さ”や“ワイルドなルックス”に惹かれてしまって。彼は20代の若さでバツイチでしたが、『付き合ったら結婚するでしょ』というシンプルな性格にも好感を持ちました」。
その頃に聞いた健次郎さんの好みは「華やかな女性」。元妻はキャバクラ勤務で、仕事を続けたことが原因で男性関係のトラブルが起き、子供がいないまま離婚に至ったといいます。
「私の両親は年齢差とバツイチということを心配して反対していましたが、押し切ってスピード婚してしまいました。結婚後はすぐに妊娠しました。元気な男の子が生まれてからは両親とも和解しています」。
その後、産休明けに広報から管理部へ異動を命じられた郁美さんは、フリーライターへ転身。
「産休明けの異動は今でいうマタハラかもしれませんが、当時は『そんなものかな』と。幸い広報時代から文章を書く機会が多かったので、ライターとして企業広告などの仕事をもらって独立しました。まだ子供も小さく、家にいる時間が増えたことから、自然と化粧も薄くなっていきました」。
その頃はまだセックスレスにはなっていなかったといいます。
「夫は建築現場にも赴く体育会系で体力もあって、休みの日もよく飲みに行きます。車に長い髪の毛が落ちていて浮気を疑い、大ゲンカになったこともありましたが、まだレスではなかった頃は仲直りも早かった。好みの顔で甘えられるとどうしても弱いんですよね」。
ところが、マスク必須のコロナ禍を経て、郁美さんの身体と生活は大きく変化しました。
「プレ更年期というのでしょうか。40代になった頃からホットフラッシュに悩んでいました。さらに、コロナのマスク生活が終わりかけた頃にスキーで足を骨折してしまい、検査をしてみたら骨密度は60代後半レベル、ホルモン値も閉経寸前だと言われました。整形外科と婦人科に通いながら仕事と子育てを続けるのは本当に大変で……。その頃には、家では完全にすっぴん生活になっていました」。
療養中は料理好きの健次郎さんや義母に助けられましたが、その間に気づけば3年近くのセックスレスに。
「義母は若い頃に離婚してシングルマザーとして夫を育てた60代後半の優しい人。助けてもらって感謝しています。ただ、夫はまだ30代。セックスレスとなると浮気が気になって仕方がないんです」。
最近では、健次郎さんはオンラインゲームにハマり、ゲーム仲間と飲みに行く機会も増えました。
「ある夜、私が更年期で気分が不安定なときに飲みすぎてしまい、酔って泣きながら『浮気してるんじゃないの?』と問い詰めました。夫からは『浮気なんかしてない。飲み仲間に女の子もいるけど、心配なら来れば?』と返されたんですが……」。
では、なぜセックスレスなのか。問い詰めたところ、夫の口から出たのは思いがけない言葉でした。
「向こうの言い分は『郁美が先に、俺の前で女を捨てたんだ。俺を男として見てないから気を抜いているんだろう』と。『産後でもなく骨折も治ってもずっとすっぴんなのはなんで? 昔は違ったのに』と不満そうでした」。
夫の好みは「派手で強気でセクシーな女性」。
「楽に洗えるような地味な服ばかり着ているいまの私には、色気を感じないとハッキリ言われました。ショックで号泣したら『明日から化粧しろって話じゃない。おしゃれも美容も好きだったエネルギッシュな郁美に少し戻ってくれたらまた変わるかもしれないし』と言ってくれましたが、正直しこりは残っています。浮気疑惑もグレーのままですし」。
勢いで「じゃあ離婚する?」と聞いた時には、「できるわけないだろ。子供がかわいそうだ」と返してきたという健次郎さん。
「エネルギッシュになれと言われても私はもうすぐ更年期。広報時代のような濃いメイクや体を締め付ける服はつらいです。両親が心配していた『年の差婚の難しさ』を、今身をもって感じています。もちろん年の差婚でもうまくいくカップルもいるんでしょうけど。私は、年相応の快適な生活を変えてまでセックスレスを解消したいのかわからなくなっています。もっと言えば、女性として魅力がないと言われたのに結婚生活を続ける意味も見失っています」。
健次郎さんはレス解消には積極的でない一方、離婚は望んでいない様子。「ナチュラルな綿のAラインワンピースにショートボブのいまの自分は、少しずつ義母の姿に似てきている気がする」ーー。郁美さんはそう語りました。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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