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【50歳で閉経したのに2年後にまた生理!?】婦人科医に聞く最終月経後の出血の対処法

数年前に閉経した明子さん(仮名・52歳)ですが、最近になって生理のような出血が……。「これって生理が戻ったの? それとも病気?」と思わぬ出来事に戸惑っているといいます。専門家に、明子さんのような閉経後の出血について考えられる原因や対処法を伺いました。

閉経したはずなのに出血…!生理が戻ったの?サプリの影響?

雑誌編集者の明子さん(仮名・52歳)は49歳で月経が途絶え、ちょうど50歳で1年が経過したため「閉経した」と判断していました。しかし52歳になってイライラや眠気など更年期症状に悩まされ、少しでも緩和しようとエクオールやイソフラボンなどのサプリメントを飲み始めたころ、下腹部痛と2日間の出血が起きました。「生理が戻ったの? それとも婦人科の病気?」と不安になったそうです。
そこで本記事では、日本女性医学学会名誉会員であり、「ローズレディースクリニック」院長の石塚文平先生に、明子さんのような「閉経後の出血」に悩む女性にアドバイスをいただきました。

Q 明子さんのように閉経後に出血があった場合、どう行動をすべきでしょうか? また「閉経」と「閉経後の出血」は医学的にどう定義されますか?

閉経の定義には諸説ありますが、一般的には12ヵ月連続して月経がない状態であれば閉経と考えてよいでしょう。
一度閉経した後に出血がある場合は、子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん)の可能性を否定するために、婦人科を受診して検査をすることが大切です。
子宮がんには、子宮の入り口にできる子宮頸がんと、子宮の奥(体部)にできる子宮体がんがあります。
どのような要因での出血か分からない場合、命に関わる病気をまず検査で否定しておくことが最も重要です。検査を受けて、細胞診や超音波(エコー)で形態的な変化がないかを確認する必要があります。

Q 一度閉経が確認された後に再び生理の出血が起こることはあるのでしょうか?

閉経から2年ほど経っての出血は、頻繁に起こることではありません。
またエクオールなどのサプリメント自体が、直接的に出血を引き起こすわけではありません。ただし、これらの成分には女性ホルモンの一種であるエストロゲンに似た作用があるため、体内の受容体を介してホルモンバランスに一時的な変化をもたらすことがあります。
それにより卵胞が一時的に刺激され、少量の出血が起こる可能性も否定はできません。
とはいえ、これはあくまで個人差が大きく、一般的な現象ではないといえます。

Q 閉経後に出血が起こる場合、がんのほかにどんな原因が考えられますか?

閉経後の出血には、主に以下のような原因も考えられます。

・子宮頸管ポリープ
・子宮内膜ポリープ
・子宮筋腫

これらは閉経後には頻度が低いものの、超音波検査や子宮鏡検査で発見されることもあります。自己判断せず、必ず検査で原因を確かめましょう。

Q 婦人科で検査をして問題がなかった場合、サプリメントを飲み続けてもいいですか?

重大な病変がないと確認された場合、一般的な市販サプリメントを用法・用量を守って継続することは大きな問題ではありません。
ただし、出血の原因をより明確に知りたい場合は、ホルモン値(FSH・E2など)を測定することで、卵胞の活動が一時的に再開して生理に似た出血が起きたのか、それとも不正出血なのかを判断できます。結果をもとに、サプリメント継続の可否を医師と相談するとより安心です。

Q 自己判断でサプリメントや健康食品を取り入れるときの注意点を教えてください

日本の薬局やドラッグストアで販売されているサプリメントの多くは、安全性が確認されています。
しかし、海外の通販サイトや非正規ルートで購入する製品には、未承認成分が含まれている可能性もあり、注意が必要です。
市販品であっても、「用法・用量を守る」「体調の変化があれば医師に相談する」という2点を忘れないようにしましょう。

Q「閉経したのに出血した」と不安を感じている女性へのアドバイスをお願いします

まずは慌てず、婦人科を受診して重大な病気を除外することが第一です。
また、閉経の定義は「12ヵ月の無月経」ですが、個人差があります。更年期の年齢で4ヵ月以上生理が止まったあとに出血があった場合でも、定期的に婦人科検診を受けるなど「がんなど命に関わる病気がないか」を確認することをおすすめします。

教えてくれたのは…ローズレディースクリニック院長 石塚 文平先生

ローズレディースクリニック院長。聖マリアンナ医科大学名誉教授。昭和大学医学部卒業後、慶應義塾大学産婦人科、 カリフォルニア大学留学をへて、聖マリアンナ医科大学産婦人科教授、同大学生殖医療センタ一長、同大学高度生殖医療技術開発講座特任教授を歴任、2014年に同大学名誉教授、同年口ーズレディースクリニック院長に就任。早発卵巣不全の研究と治療に長年とり組み、日本国内のみならず、海外からも患者が訪れる。https://roseladiesclinic.jp/

取材/星子 編集/根橋明日美 イラスト/PIXTA

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