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【セックスレス AND THE CITY -女たちの告白-】レス生活10年・52歳妻、女子会で「彼氏欲しい」発言の真相

日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。ミドル世代になると子育てや仕事、介護などの忙しさに紛れてレスであることすら忘れてしまうことも。アパレル販売員のパートをしている52歳の加恵さん(仮名)は、40代はレスでも悩んだことはなかったそう。しかし、50代に突入して子育てが落ち着いたタイミングで意識せざる得ない出来事があったといいます。

■ジムでナンパされて前のめりで返事をした婚活時代

「夫とは同じビルで働いていて、そのビル内のジムで出会いました。『よくお会いしますね。今度ご飯でも行きませんか?』とナンパされ、連絡先を交換して飲みに行ったんです。私は32歳で、お見合いパーティーに参加したりしていて今で言う婚活中。すぐに食いついたから、彼は自分から声をかけたくせに『いつにします?ってスケジュール確認されて少し引いた』と後々笑いながら話していました」。
アパレル企業の本社で働いていた加恵さんと、クレジットカード会社に勤務していた真司さん(仮名)は同い年。
「3回目のデートの後に『付き合いたい』と家に誘われた時、『もう年齢的に結婚前提の人としか付き合いたくないんだけどそれでいい?』と聞きました。彼は『こんな積極的な女の人は初めて。話が早くていいね』と笑ってくれたので、半年後には私主導で結婚式場を探していました」。

真司さんは笑顔でなくても笑って見えるタレ目が特徴的で、太っていなくても丸っこく見える体型。いわゆるイケメンではないですが根っからの「陽キャ」で愛嬌のあるタイプ。
「惚気みたいですが、夫はコミュ力お化けと言われるくらい人懐っこくて頭もキレるし、ある程度はモテたと思います。私は私で、ギリギリかすっただけですがバブル気質で、高校時代は親に内緒で女友達と六本木で夜遊びをしていたようなタイプ。結婚前には夫の貯金額も聞き出し、こちらの貯金も開示しました。彼は1000万、私は600万くらい。お互いが満足できる生活レベルを2人で作れるか、結婚前に確認しておいて損はないと思ったので」。

■40代は子育てに追われてずっとセックスレスだった

国立大学出身の加恵さんに対し、真司さんはFランクと揶揄されることもある新設大学の情報系学科出身。しかし地頭の良い真司さんは、加恵さんが見込んだ通り仕事で頭角を表します。
「ヘッドハンティングされて大手損害保険会社に転職し、順調に昇進。バリバリ稼いでくれています。おかげで私は34歳で長男、37歳で次男を出産して、子育て中心の気楽なパート勤務で生活ができています。バブル時代に憧れたようなセレブにはなれませんでしたが、不満はないです」。
パート先はアパレルショップの路面店で、ミドル世代向けのブランド。
「従業員価格で服が買えるのでおしゃれ欲は満たされています。ただ、ふと気がついたら40代はずっとセックスレスだったんですよね。もはやいつからそうなった?ということも覚えていないです。次男が生まれてから『女の子もほしくない?』と数回は性交渉があったような気もしますが……」
40代は息子たちの子育て、受験、パートやPTA、近隣に住む実母のがん闘病のサポートと、嵐のように過ぎていったと加恵さんは話します。

■夫の浮気疑惑もスルー。母を看取って子離れも進み、ようやく余裕ができてきた

「夫は相変わらず陽キャで、友達家族を誘ってバーベキューやキャンプをしたり、PTAのおやじの会を仕切ったり。勤務先は昭和っぽい社風で接待ゴルフや銀座のクラブ活動もまだありますし、いっときも止まらず動き回っています。飲みに行ってそのままカラオケに行って外泊なんてザラ。ときには浮気を疑いましたが『オレがモテるわけないじゃん』と自分のお腹の脂肪を見せられて煙に巻かれました。まぁ証拠はないので気にしてもしょうがないというか、気にする暇もありませんでした」。
加恵さんの母は、胃がんで余命半年と言われてから5年闘病した上で1年前に亡くなったそうです。実父や義両親はそれぞれ体の不調を抱えながらも元気に暮らしているとのこと。
「子供が15歳と18歳になって、やっと男の子ママの力仕事と受験のバタバタから解放されました。長男は地方の国立大学に合格して1人暮らし、次男はMARCH付属の高校に入って、給食があるのでお弁当の心配もなくなりました」。
兄がいる加恵さんにとって男子の反抗期は想定内だったそうですが、エネルギーは消耗したそう。ただ受験のストレスを抜けた次男は大好きだった「ばあば」の死を悲しんでいた母親に優しく接し始めてくれているそうで、長男の別居という子離れが少し淋しい気もしつつ悠々自適にパートと友達付き合いを楽しむ余裕ができつつあるといいます。

■大学の同級生との女子会で「彼氏欲しい」とつぶやく

「この前久しぶりに、大学時代の友達とホテルのスイーツバイキングに行ったんです。子育て時代はランチといっても、『ファミレス』『上から電車が見えるロケーション』『魚釣りができる和食屋』とか、どうしても店を選びました。今は思いっきり少女趣味のいちごフェアに行けるのも嬉しいですね」。
大学時代の友人は職業こそまちまちですが、気心の知れた仲間たち。お互いの恋愛遍歴もよく知っており、学生時代からファミリーレストランやカフェに集まって雑談をしてきた関係だそう。
「久しぶりに大学時代に戻ったようなテンションで、誰の元カレが離婚したとか、ゼミの先輩が大手企業のCEOになったとか、噂話に華が咲きました。独身の友達にバツイチの彼氏ができたと聞いた時は、写真を見せてもらって盛り上がっちゃいました。思った以上のイケオジでみんな羨ましくて喜んだりして」。
若い頃に戻ったような楽しい時間を過ごした加恵さん。
「そんな賑やかな席でシーンと無音になる瞬間があったんです。そこで私、なぜか無意識で『あー、彼氏ほしい』と言っちゃって」。

それは加恵さんが学生時代にファミレスでよくつぶやいていたセリフだそう。
「みんな一瞬フリーズしましたが、次の瞬間爆笑して『変わんないねー』『わかるわ』『間違いない』と同意したりして流してくれました」。
とはいえ申し分ない夫がいる50代が「彼氏ほしい」と叫ぶことは、客観視すると「ただ事ではないと思う」という加恵さん。
「なんていうか無意識につぶやいちゃったっていうのが怖いですよね。自分の深層心理について真剣に考え始めちゃって……。最近カルチャーセンターで心理学の勉強をし始めたんですよ。心理カウンセラー系の民間資格ですけど、中年の危機に陥っている気がして自分で自分のメンタルケアをしたいと思って」。
心理系の資格を取得すればアパレル販売の場でも活かせるかもしれないし、老若男女問わず新しい出会いもあるので暇を持て余して彼氏を探すよりは役に立ちそうだと思っているそうです。

 

※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。

取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA

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