HAIR
白髪が出てくると、いやおうなく「あなたは歳を取ったんです」と宣告された感じがします。化粧品が進化し美容医療のハードルも低くなったからこそ、余計に顔と白髪とのギャップがちぐはぐな印象を与えてしまうのかも。避けられない面倒ごとを極力楽ちんに、しかも自然に近い形で美黒髪を実現してくれる、新しい白髪染めが登場。サロン派の私も唸った利便性と仕上がりを兼ね備えています。
リライズ 白髪用髪色サーバー リ・ブラック まとまり仕上げ 本体 155g ¥2,700〈編集部調べ〉。リ・ブラック、グレーアレンジの2色で、まとまり仕上げ、ふんわり仕上げの2タイプがある。つけかえ用は各190g 各¥2,700〈編集部調べ〉(花王)。ともに手袋付き。空気に触れると染まるので、製造過程から使用時まで空気に触れない工夫がされている。2018年発売。
どんなに美容に気を遣っていても、歳を重ねるともれなく公平に出てくる悩みの代表、それは白髪です。私も40代半ばから増え始め、今は3週間に一度はヘアサロンで染めないとダメになり、とても大変です。とはいえ、話題のグレーヘア、まだそこまで吹っ切れない、というのが正直なところ。私がサロン派なのはただただ家で染めるのが面倒だからですが、サロンに行く間が空いてしまうことがあり、その間はヘアマスカラなどでしのいでいました。しかし毎朝自然に見えるようにつけるのがまた面倒……。つまり白髪にまつわることは、全てが面倒なんです。
その面倒さをほぼ払拭してくれた白髪染めが、花王の「リライズ 白髪用髪色サーバー」(以下、「リライズ」)。脱色と染毛を同時にするために2本を混ぜることが必要なホームヘアカラーに対して1本で済むこと、従来乾いた髪にカラーリングがマストだったのにシャンプー後タオルドライした髪につけて5分待つだけだということ、サーバー付き容器が使いやすいこと、お風呂が汚れないことなど、本当に簡単! そして何より髪がキシキシしないし、とてもきれいに良く染まるんです。
ところで、何故人は白髪になるのでしょうか? それは私たちがよく知っているメラニンのせい。白髪にはメラニン色素がないんです。髪の場合、メラノサイトは「毛球」という頭皮の奥にあり、「毛母細胞」が髪を作る過程でメラニン色素が渡されます。加齢、遺伝、ストレス、高熱、薬の副作用などでメラノサイトの働きが低下すると白髪になるわけです。
私は白髪になりたての頃はサロンでヘアマニキュアをしていましたが、そのうち「もう白髪染めじゃないと隠せないね」ということで白髪染めに移行しました。その2種について説明すると、白髪染めは医薬部外品の永久染毛剤(黒髪を好きな色に染めるヘアカラーも同種です)。これらは、髪の毛のメラニン色素を分解して脱色してから、染料同士を髪の内部で結びつけて染めていくため、長もちしますが、脱色するぶん髪は傷みやすい。ヘアマニキュアは化粧品の半永久染毛料。脱色せずに髪を染めるので傷みませんが、長くはもちません。
「リライズ」は半永久染毛料。つまり脱色しません。髪を傷めずに黒髪が本来持つ色素で染められたら、という18年ほど前の発想から始まっています。カラーは多くの色の混ぜ物であり、例えばカラーリングした髪が赤くなっていくのは青の染料が先に抜けるから。ホームカラーした髪にサロン染めをするとうまくいかない、とよく言われますが、これも髪の中に残っている染料が影響するからです。もともと髪の中にあるメラニン色素で染めれば変色することも次のカラーに響くこともありません。しかし、このメラニンは分子量がとても大きく、水にもエタノールにも溶けず毛髪の中に届けるのがとても難しいもの。そんな時に出合ったヒントが、酒造会社が悩まされていた酒粕が黒くなる「黒粕」の研究でした。2000年に酒造メーカー「月桂冠」が麹の中にメラニンを生成する酵素「チロシナーゼ」を発見。花王はこの技術を白髪ケアに活かせるのではないかと考え、2001年に月桂冠と共同研究を始めて、麹の発酵技術を応用して天然由来 「黒髪メラニンのもと」(ジヒドロキシインドール=DHI)を作ることに成功しました。これはメラニンの前の段階。分子が小さいので溶かすことができるんです。さらにキューティクルの第一層の下に入って集まり、動かなくなるため色が定着します。また、中で集合して大きくなり外に出にくくなるので退色もしにくい。しかも髪の引っ張り強度が高くなり、ハリ・コシが出たような変化をもたらすという、まさに 〝神の一手” でした。前述のお風呂が汚れないのも、中に入って集合するまで時間がかかるので(だからつけて5分必要)、その間に浴室を流せばいいからです。
ケミカルな染毛というジャンルに100%天然由来の着色成分で染めるメカニズムを取り入れたのも素晴らしいですよね。必ず通らなくてはならない道、仕方なくやっていたことを楽に手軽に、黒髪がもつ自然で美しい仕上がりを実現して印象と気持ちをアップできる。今、白髪真っ只中の人、そろそろ白髪を心配し始めた人、どちらにも味方になる名品です。
\使い切ってます♡/
シャンプー後水気を切った髪にピンポン玉大を根元から馴染ませ5分置き、しっかりすすぎます。3日間連続使用し、その後は週1回生え際部分のみに。最初に「リ・ブラック まとまり仕上げ」を使ったため、つけかえ用はもう一種の「ふんわり仕上げ」にしてみました。本体はショートヘア全体に使用して4回分。私はサロンの合間に生え際だけなので3回(3日間)×4使えました。つけかえ用はさらに量が多いのが嬉しい。濡れた手でもすべらず軽く押せる技ありサーバーは、水分が溜まらず清潔に使えます。茶系に染めている場合は「グレーアレンジ」を使うと根元がぼやけて自然な仕上がりになるそうです。
27年間ビューティ担当・編集I
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きれいな白だったらいいのにそう見えない理由は、メラニンがところどころ残るため黄ばんだ白になることと、加齢すると髪の中に空洞ができてツヤのない白になってしまうため。また、1本の髪が部分的に白髪になるのは、髪が生まれる時にメラニンが出たり止まったりした結果である。ちなみに「白髪を抜くと増える」ことはないし、髪は死んだ細胞なので、強いストレスがあっても一夜にして生えていた黒髪が真っ白になることもない。残念ながら、現在、白髪の予防法には至っておらず、出てきたものを染めるしか方法がない。
2019年『美ST』6月号掲載
撮影/河野 望 編集・文/石原晶子
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