病気のリスクを上げる？！本当は怖い【睡眠負債】の返済マニュアル

流行語大賞にもノミネートされたことがある残念な言葉、「睡眠負債」。実は美容に悪いどころか重大な病気のリスクまであるコワ～い状態なんです。計画的なプランでいち早く返済しちゃいましょう。

睡眠負債が蓄積されると、体の抗酸化力が弱まり、体内の細胞組織の老化を促進する活性酸素によるダメージを受けやすくなってしまいます。肌も体も細胞レベルから老化スピードが加速してしまうのです。

「睡眠負債」とは、わずかな睡眠不足が借金のようにじわじわ積み重なる状態のこと。美に悪いだけでなく、気づかないうちに精神や脳を蝕み、重大な疾病のリスクを高めることが、科学的研究で明らかになっています。しかも恐ろしいのは利子がつくこと。40分の睡眠負債を返済するには、3週間毎日14時間ベッドに入る必要があるという指摘もあります。もし、休日の睡眠時間が平日の睡眠時間より2時間以上多い場合は、睡眠負債が溜まっている可能性大。休日の寝だめは睡眠リズムを狂わせるだけで、ボーナスのように一括返済できないのです。平日の睡眠時間を増やせない人は、まずは毎日の睡眠の質を究極まで上げることで、心身の健康や美を磨いていきましょう！

☑ 休日になると、平日より2時間以上起床時刻が遅くなる
☑ 一度起きても、午前中に再度眠気に襲われる
☑ ベッドに入ったら5分以内に眠れる
☑ ベッドに入ってから30分以上眠れない
☑ 起きたい時刻よりも2時間以上早く目が覚め、そこから眠れない
☑ 夜中に目が覚め、そこから眠れない
☑ 十分な睡眠時間が取れていると感じられない
☑ 「 よく眠れた」という実感が持てない
☑ スッキリした気分で起床できない
☑ 日中の身体的、精神的な活動・意欲レベルが落ちている
☑ 日中の仕事や家事などに対する集中力が維持できない

【蓄積する「負債」に注意して見た目年齢をキープ】
「睡眠負債が溜まっている」という自覚はないけど、実はじわじわ蓄積されている可能性があるのがこのタイプ。若く見られるからと安心して、肌や体のちょっとした不調を見落としたまま放置すると、後で大きな代償を払うことに。毎日確実に熟睡できる具体的なメソッドを生活に取り入れ、睡眠の質向上を目指しましょう。

【「負債」に気づいて見た目老化をストップすべし！】
見た目に年齢を感じることはあっても、それが睡眠負債のせいだと気づいていないのがこのタイプ。高価なスキンケアや体にいい食事でアンチエイジングを頑張っても、あまり成果が出ていないのでは？　毎日微量の睡眠負債はボディブローのようにじわじわ効いてきます。深刻な事態になる前に、睡眠の質を上げていきましょう。

【一刻も早く「負債」を返済して見た目年齢を引き下げよ！】
肌や髪の調子が思わしくない、でもアンチエイジングの気力すら起きない人が多いのがこのタイプ。このままでは実年齢より上に見られるだけでなく、乳がんや肥満、うつ病のリスクが高まって取り返しがつかなくなる可能性も。睡眠の質や量を根本から見直して、若々しい見た目を取り戻しましょう。

質の高い眠りを取り睡眠負債を返済していくことで、成長ホルモンの分泌が促進。成長ホルモンが日中受けた肌ダメージの修復・再生を促し「抗加齢」の働きをしてくれます。眠りを促すメラトニンには強力な抗酸化力も。

「ノンレム睡眠の第4段階」まで到達するのが質の良い眠りの条件。ところが30代頃から睡眠にも老化現象が起き、第4段階の代わりに第1・2段階の浅い眠りが増えるので、眠りの質の管理が重要になってきます。とくに若返りホルモンが集中して分泌される「第1周期（寝入りばなの90分）」に、第4段階までしっかり眠ることが大切。ちなみに眠りの周期は実際には約60分～110分。「１サイクル＝90分」はあくまで目安と考えて。

2018年『美ST』3月号掲載
撮影／中林 香　ヘア・メーク／桂木紗都美　スタイリスト／柿田たみか　取材／半田典子、安本真留美