HEALTH
健康のベースとなる体を作るのは毎日の食事。疲れやすい、眠れない、便通が悪い…そんなプチ不調を感じたら日々の食事を見直してみて。意外と間違った思い込みがあるかも。心も体も「食事の取り方」で変えられます!
女性の疲れは主に鉄分が不足する貧血と肝臓に溜められている貯蔵鉄が不足する「隠れ貧血」が疲れの主な原因。鉄分は酸素を体中に運び、疲労回復する役割を担っているので、不足すると〝だるい〟などの症状が出やすい。

「毎食、片手一盛りのたんぱく質を食べましょう。動物性たんぱく質とにんにくなどに含まれるアリシンを一緒に摂ると、疲労回復に役立つビタミンB₁の吸収がよくなり、疲れには最強の食べ合わせになります」(細川先生)

「食後すぐにコーヒーや紅茶、緑茶などを飲みがちですが、鉄分の吸収を考えると、タンニンが少ないそば茶やほうじ茶がベター。ヘム鉄の吸収は妨げないので、肉料理には赤ワインを飲んでも大丈夫です」(細川先生)

「ビタミンB群は体に溜められませんが、起爆剤のような役割をするので、即疲れを取りたい時に有効。特にビタミンB12は、末梢神経の傷を修復し、疲れの実感となる肩コリや眼精疲労などの症状を緩和します」(細川先生)

「胃が弱い人は、特定の栄養素の吸収率が1/4になってしまうこともあるので、魚や肉にはかぼすを一緒に摂ったり、炭酸レモン水を飲むなど、酸の力で胃酸分泌を促して。肉を食べなくなると、肉を消化する酵素が出なくなり、さらに食べられなくなり悪循環」(細川先生)

「非ヘム鉄は、そのままでは2〜3%しか吸収されません。乳製品に含まれるラクトフェリンやビタミンCを一緒に摂り、吸収率を上げましょう。ほうれん草はグラタンに、豆類はアボカドなどと一緒に」(細川先生)

「疲れに効果的なビタミンB群も乳酸菌が作ってくれます。疲れている時は、消化吸収しやすい発酵食品と乳酸菌の組合わせが最適。甘酒やすぐき漬けなどを食べ、普段から腸内の乳酸菌を育てましょう」(後藤先生)

「一日のうちで一番血糖値が下がりやすいのが15時〜16時。疲れると甘いものが欲しくなりますがNG。血糖値をガンと上げた後、一気に下がり、さらに疲れて逆効果。おやつには、ナッツ類やゆで卵が◎」(溝口先生)
便秘の原因は運動不足や食物繊維不足、自律神経の乱れなど様々ですが、女性は男性に比べて筋肉が薄く便秘になりがち。40代以降ホルモンの減少による代謝低下や筋力低下でますます出せなくなっていく状況に。

「便の量が少ないと、なかなか腸が動いてくれません。糖質の少ない葉野菜や海藻、きのこ類から食物繊維を摂取し、排泄を促しましょう。おひたしや煮物にすると、しっかりと量を食べられます」(西澤先生・溝口先生)

「腸がねじれている〝ねじれ腸〟の人は、水溶性食物繊維で便を柔らかくしたい。ねばねば食品や、りんごなどに含まれるペクチンと、善玉菌のエサになるオリゴ糖を多く含むきなこをヨーグルトにトッピング」(後藤先生)

「便秘の時は、白米より玄米を 選びましょう。穀類なら玄米やライ麦、大麦、もち麦。芋類ならさつまいもやこんにゃく芋に食物繊維が多く含まれます。芋類は不溶性食物繊維が多いので、便の嵩増しに」(後藤先生)

理想的な便には、胆汁酸(コレステロール)が含まれています。女性は油を避けすぎ。トランス脂肪酸が含まれないオリーブオイル等をもっと積極的に。サラダも良質な油と一緒に摂るとビタミンなどの吸収率もUP」(西澤先生・溝口先生)

水分不足は便秘の大敵。水はこまめに飲みましょう。便秘薬にも含まれるマグネシウムは、カルシウムと2:1で摂るのがベスト。腸の蠕動運動を促してくれます。市販の硬水で、2:1の表記があるものを選んで少しずつ飲んで」(細川先生)

中鎖脂肪酸を含むココナッツオイルは、素早くエネルギーに変わり、体脂肪になりにくい。ココナッツバターにナッツを混ぜて冷やし固めた腸に良いおやつを」 (溝口先生)

肉は食べすぎると悪玉菌のエサに。脂肪の少ない新鮮なものを選ぶ
「肉を食べすぎると消化しきれ ず腸まで届き、悪玉菌のエサになってしまいます。また、調理してから時間がたっている肉などもたんぱく質が壊れて人間の消化酵素に合わないことも。早く消化できる脂の少ない新鮮な肉を」(後藤先生)
毎日の睡眠の質を上げるカギは意外にもたんぱく質と食物繊維。寝る前に血糖値を上げないことを意識しつつ、カルシウムやクエン酸の働きをうまく利用すれば 寝つきや寝起きの悪さもスッキリ解消!

「睡眠ホルモンのもとになるセロトニンは97%腸で作られています。腸内環境を整えることが睡眠の質を保つカギ。海藻などの水溶性食物繊維1:根菜、穀物などの不溶性2が理想。食物繊維が豊富なアーモンドミルクも利用して」(細川先生)

「睡眠ホルモンを作るにはたんぱく質とナイアシンなどのビタミンB群が必要。その両方摂れるのが、牛や豚などの赤身肉やレバー、カツオやマグロ等の血合いの多い魚です。毎食、片手分のたんぱく質を目標に」(西澤先生)

「疲れが取れにくいときは夕食にお酢の小鉢や梅干し、柑橘類など酸っぱいものをプラス。酸っぱいものに含まれるクエン酸を摂ることでエネルギーの代謝がスムーズになり、寝ている間の疲労回復を促進。目覚めがすっきり」(細川先生)

「寝ている間の血糖値が急降下する〝夜間低血糖〟が起きると中途覚醒の原因に。血糖値をコントロールするために寝る直前にアミノ酸を摂ると効果的。チーズやナッツ、豆乳、ココナッツオイル、ココナッツバターなどもおすすめ」(溝口先生)

「夜間低血糖で目が覚めてしまうことを避けるためには寝る前に血糖値が上がらない状態に保つことも大事。夕食時だけはご飯などの炭水化物を抜き、寝る3時間前からは夜のおやつも控えましょう」(西澤先生)

「唐辛子のカプサイシンや生姜のジンゲロールは体温を一時的に高める効果があるのでキムチや生姜和えなどで夕食に摂っておくと一時的に体温が上がり、冷えによる入眠の遅れを緩和してくれる可能性が」(細川先生)

「カルシウムには鎮静作用があるため、気持ちが高ぶったり、イライラして眠れないときはカルシウムの吸収が高いヨーグルトがおすすめ。時間栄養学的にもカルシウムは夜の方が吸収率 が上がるので骨の健康にも役立ちます」(細川先生)
教えてくれたのは……

溝口 徹先生 新宿溝口クリニック 院長
2003年日本初の栄養療法専門クリニックを開設。『がんになったら肉を食べなさい』『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』など出版著書多数。

後藤利夫先生 新宿大腸クリニック 院長
独自の無痛大腸内視鏡検査法「水浸法」を開発、治療の傍ら『乳酸菌がすべてを解決する』など、大腸ガン撲滅のために始めた便秘、乳酸菌の執筆も多数。

西澤真生先生 ひめのともみクリニック 医師
東京大学医学部医学科卒業。クリニック開院時より内科・栄養療法・栄養解析を担当、全国3,000人以上のデータを解析し、栄養療法を普及。

細川モモ先生 予防医療 栄養コンサルタント
予防医療プロジェクト「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」代表理事。2015年までミス・ユニバース・ジャパン・オフィシャルトレーナーを務める。
2018年『美ST』7月号掲載
撮影/ 中林 香 取材/竹下順子、鈴木みちる
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2025年11月16日(日)23:59まで
2024年11月16日(土)23:59まで
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