HEALTH
いまさらですが、あけましておめでとうございます。
本年こそはもう少し更新頻度を上げていけるように頑張りますので、よろしくお願いいたします。
さて、更新頻度の話ですが、このブログでは「最新の温泉ニュース」を提供する、という意味では全く体をなしていません。全く季節はずれの話が載っていたり、たまにあっていると思ったら、実は一年前の写真だったりしたこともあります。自分が好きなお宿であれば、定番のみんな知っているお宿でもそれほど注目されていないお宿でも気にせず取り上げています。
しかし、今回はニューオープンの宿です! しかも、雑誌「自遊人」の編集長という同業種の岩佐さんが立ち上げた、とても注目度の高い、新潟県の「里山十帖」にプレオープン時期におじゃまできるという幸運に恵まれました。
12月下旬の新潟はめっちゃ寒い! 越後湯沢駅に着いた途端、新幹線の窓からの眺めが一面の雪景色に変わります。越後湯沢からふた駅、上越線の大沢駅からお宿の送迎バスで目指す「里山十帖」に向かいます。この辺りは日本有数の豪雪地帯ということで、雪もたんまり積もっているように思えたのですが、宿の方曰く「例年の10分の1くらい」だそうです。12月下旬だったのですが、確かに積雪がメートル級というにはまだ至っていません。(今はすっかり積雪も増えたそう)
以前からそこにあったお宿の建物を生かしたエントランスは豪壮で旅気分も盛り上がります。昔ながらの古民家を移築したものだそう。かっけー。そして中に入ると、今度は巨大な木槌が!「???」よく見ると下に小さな恵比寿様! 恵比寿様が木槌を受け止めている!? なんかすごいオブジェです。
お宿の第一印象は「あったかい!」。こんなに天井高いのに。いかにもすきま風が自由に行き来しそうな古民家なのに。すっごい暖房費使ってるのかな?
なんと岩佐さんが直々に館内を案内してくれることになり(いつものことではありません)、この古民家がどうして暖かいか、という話をしてくださいました。この古民家、そっくりそのまま再利用ということではなく、骨組以外はかなり改築して、断熱をかなりガッチリしているそうです。そして、空気の流れをとてもうまく利用しているのでした。ええと、伺った話を素人ながらに説明してみますと、暖房で暖められた空気は上に上がりますよね。なので天井の高い建物ではどんなに暖房をかけてもなかなか効率が上がらないわけです。なので、この建物では、天井にファンが付いていて上に上がった空気を拡散させるとともに、空気の通り道を作って温まった空気をもう一度下に下げるようなシステムが構築されていたのです! なので、お風呂あがりに過ごしていたパブリックに使える屋根裏部屋(これが和の古民家になぜかマッチする北欧や地中海あたりの家具やファブリックが絶妙に配置されていてすごく僕好み)なんてほかほか暖かくて居心地いい! ここで、フリーで出てくるコーヒーをいただきながらごろごろ過ごしちゃいました。
屋根裏部屋でくつろぐオレ。そうですこれが館内着なのです。パンツなんてサルエル風になっていてかわいい。
そして、早めにチェックインできて館内はじめ、いろんなタイプの部屋も見せていただくことができました。なにせお客さんが入る前のお風呂の写真まで撮らせていただきましたので!
部屋もすべてが作りが違っていて、置かれている家具もそれぞれ違うのです。
一人で泊まれる部屋もあれば、子連れでも十分な広さのお部屋もあります。武蔵野美術大学の学生さんが考えたお部屋、なんてのもありました。今度はこの部屋に泊まりたい!なんて、リピートする楽しみもありますしね。そして…お部屋にある+パブリックスペースの飲み物はタ・ダ❤ フリーでございます。お酒好き・コーヒー好きな人々にとって、ここらへんてけっこうな金額になりますからねぇ。
で、今回泊まる部屋で椅子の座り心地を楽しんだり、部屋についている露天風呂をチェックしたりとひとしきり過ごしてから、待望の温泉へ。ドーンと目の前に広がるのはこれぞ「ザ・雪見風呂」! 晴れている日は魚沼の山並みもクリアに見渡せるそうですが、本日は降りしきる雪に阻まれています。
いやーこれほど気持ちいい雪見の露天風呂はなかなかありません! ご主人の岩佐さんは「源泉かけ流し」にしたかったとのことですが、現状まだ実現できていないと残念そう。でも、そんなのまったく気にならないつるつるとした美肌によいアルカリ性のナトリウム―塩化物・炭酸水素塩泉のお湯です。僕のカラダに内蔵されている塩素センサーも反応しません。(お風呂に消毒で入れられるたいていの塩素の臭いはかぎ分けられる)いつものように出たり入ったりしながらちょっと長湯して、今度は内湯へ。こちらはちょっとだけぬるめで、木造りの湯舟にゴロンとしていると永遠に入っていられそう。あ~幸せ❤ そうそう今回は、温泉友達のみなさんと一緒なので、件のパブリックスペースで新しいお宿について、「ここがいいよね」「もっとこうすれば」なんて話で盛り上がりました。
で、お楽しみの晩ごはん。雑誌「自遊人」では、安心安全・オーガニック・地産地消など食には非常にこだわっているのでいやがうえにも期待が高まります。で、ドーンと出てきたのが巨大なかき氷!
巨大かき氷。野菜が新鮮だと調理法はシンプルでも十分なのです。
よくよく見てみると氷の山の上に人参・カリフラワー・大根・紫キャベツ…新潟の野菜がたんまり載って、脇に白味噌ふうバーニャカウダソースが控えております。野菜の自然な甘みが生かされた味付け。 で、メインが「豪雪鍋」。大根おろしがみぞれ、山芋すりおろしが根雪、あられは文字通りあられってこと?3種類の雪が鍋に降り注ぎます。こちらで季節の根菜中心の具をいただきます。料理の演出が楽しいので、「次は何?」とワクワクしてしまいますね。そして、魚沼ということで、極め付きは「魚沼産コシヒカリ」。まあ、確かにここら辺のお宿に泊まるとたいていは魚沼産コシヒカリですが、ここのコシヒカリは今まで食べたのと全然違う!!! 甘くて、ツヤツヤで、もっちりで、一粒一粒がしっかりしてて、香ばしくて幸せだ! 今まで食べたごはんで一番うまいかも。
土鍋で炊き上げたほくほくの魚沼産コシヒカリちゃん。
確か、鈴木さんのコシヒカリ、だそうで、売店に売っていて買って帰ろうかと思ったのですが、2キロ5,250円なり。高いよ!あっさり断念しました。
食後も、お部屋近くの別のパブリックスペースで飲み続けながら(フリードリンクにうまい梅酒があった)、またうだうだ。オシャレで美術館みたいなスペースなのにごろごろしたくなる居心地の良さ。なんなんだろうこれって。
翌朝…「明日はたぶん晴れると思います」の岩佐さんの言葉を信じて早起きして、露天風呂へ。パーフェクトに、ではないけれど、割と晴れてます!自他ともに認める「曇り男」の僕にしては上出来です。露天風呂は巻機山という山を中心にした冬化粧の山並みに景色を楽しむことを重視して作られたかのよう!いや~早起きしてよかった。時間制でお風呂の男女が入れ替わるのですが、個人的には横長のこっちの露天のほうが好きです。
朝ごはんは、僕の大好きな納豆、しかも、一番大好きな、“上にいろいろ乗っている”バージョンにもちろん魚沼産コシヒカリ! シンプルながらもごはんがおいしいし、朝はこれでいいんです! あー幸せ。
そしてチェックアウトは遅めの11時。また、屋根裏部屋でごろごろして宿の送迎車で駅へ向かいました。
施設は考え抜かれたハイスペックで現代的なものなのに、随所に「自遊人」の取材で見てきた数々の宿のいいところが生かされた気遣いが光るので、居心地もすごくよし、もっと言えば、まだプレオープン状態なので、これからもっとブラッシュアップされていくことは間違いないこのお宿、人気が出て「予約の取りづらい宿」になる前に、そして最大の設備ともいえる雪景色が楽しめるうちに、早めにおススメしたい宿です。いわゆる旅館料理が苦手な方、ひとりで旅に出たいけどいろいろ不安な方、温泉には結構行っていて新しいタイプの宿に出合いたい方には特におすすめです。
●里山十帖-created by 自遊人
新潟県南魚沼市大沢1209-6
☎025-783-6777
JR上越線大沢駅から送迎車で10分
www.jiyujin.co.jp/stay/
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