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美肌の湯 その14 山形県・湯田川温泉「湯どの庵」 編集/井上 智明

さて今回からは先月行ってきた、東北温泉修行の旅から、ハイライトで2回分ほどお送りしたいと思います。

まず、前編は山形県は鶴岡市にある、湯田川温泉・湯どの庵です。

ここは何年か前からずっと行きたかったのですが、なかなか自分が休めるときに空室がない上に東京からは1泊で行くにはちと遠い、ということで予約が取れなかったのですが、今回念願かなって行けました! それもそのはず、実は今回の旅行、“この宿の取れる日”を中心にスケジュールを組んじゃったからなのです。

しかも、一日ではたどり着けないので、張り切って前の日に別の宿に前泊ですよ!

そうして、期待感マックスで湯田川温泉の真ん中にある「湯どの庵」に到着しました。デザイナーズ旅館の走り、とどこかの雑誌にも書かれていましたが、外から見ると昔ながらの旅籠ふうのルックスですが、いったん宿の中に入るとホテルライクな和モダン空間が広がります。

外観は古き良き日本旅館なのですが…

決して広い宿でも眺望自慢なわけでもないのですが、空間や照明の使い方が上手で何だかなごめるし、こういうインテリア自分ちでも真似できないかな?と参考にもなります。そんな居心地のいい部屋でちょっとなごんで(というかまだ旅の序盤なので、必死で、でもワクワクしながら明日どこ行こう、何食べようとか調べたりしてた)から、温泉好きの方々に「絶対行け」と強力に進められていた、宿の向かいににある共同浴場「正面湯」へ。ここは地元の人か、宿の宿泊客でないと入れないこじんまりしたお風呂。宿の人に鍵をもらっていそいそと扉を開けると、午後4時くらいなのにもう人がいっぱいいます。「この人たち何してる人?」会話の内容からどう見ても地元の方です。

よそ者はおそらくぼくひとりという、アウェイな空気の中、「おじゃましま~す…」とかけ湯をしてそろりそろりと湯船に入らせていただきます。お湯はぬるめ、成分が強烈、というのではない無色透明のお湯ですが、肌に優しくまとわりついてきます。ほわわわ~ってところでしょうか?ずっと入っていられる温度のせいか地元の人たちも湯端やお風呂の中、洗い場なんかでゆるーくトーク中。ぼくも、東北弁をBGMにぼけ~っと、アウェイ感をすっかり忘れて、お湯を楽しませていただきました。

お風呂上がりに、温泉街を散歩してビールを調達して、(ここは冷蔵庫には何も入ってなく、好きなものを持ち込んでいいのです。こういうほうが、気が楽で、好き。)またお宿へ。

もっと写真が上手に撮れたらいいのに。

で、お楽しみの食事です。

このお宿がここまで人気なのは地元・庄内で取れたお魚と野菜をふんだんに使ったコース仕立ての料理によるところが大きいのです!そして、こんなにおいしいのに料金一万円台!という嬉しいリーズナブルさ。このためにお昼は軽~くおそばに留めておきましたから!あ、でも3時くらいにだだちゃ豆ジェラート食べたけど…

野菜たっぷりの前菜をつまみにしつつ、き~んと冷えた日本酒をいただく瞬間が本当に幸せ。

そして、このお造り。よく見てください!

ぶあついので、一口で食べるの大変です。

お刺身なのにこんなに分厚い❤新鮮❤

ますます、日本酒がすすみます。

お魚の焼き物も、大根の上品な炊き合わせ(これ、すごいうまかった)も、お肉料理もどれも、お宿が厳選した日本酒に合うこと合うこと。そして器のセンスの良さがさらにお料理を引き立てます。

しかし、お酒がすすみすぎて、酔っ払ってきました…しかも、おやつのだだちゃ豆ジェラートが今になって効いてきた…満腹かも…こんなに幸せなのに、肉の後半からごはんにかけて、完全に苦しくなって、箸の動きが牛歩に…なんか記憶もあんまりない…眠いし…無念じゃ…調子に乗りすぎた…

とにかく、ベッドに這うようにして戻ってひと眠りして、深夜のお風呂へ。

お宿のお風呂は共同湯よりもちょっと温度高めで、そのせいか少しきりりとした印象。でも入っていると肌には優しく感じるという、絶妙のバランスのお湯です。

泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉。加温はしていますが、掛け流し。

これがデジカメで撮った最後の一枚。このあとですよ・・・

寝湯があるのをいいことにここでもまたウトウトして、いざ、露天風呂へ…とタオルをひっつかんだところ、「どぼっ、ゴゴゴ…」?なに?って、あ~。デジカメがお風呂に沈んでく!しかもすんごいスピードで!!しまった、タオルにデジカメくるんどいたの忘れてた(涙)

どどどどうしよう、このままではせっかくの東北温泉ツアー、残りほとんどの写真が撮れないじゃん!

はあああ、残念すぎだよ…

でも、お風呂はすっかり満喫して、お風呂上がって必死でドライヤーかけてみたり、ブンブンふってみたり(意味はない)、何回も電源入れたりするうちに、ようやく電源は入るように。でも、レンズがやられたらしく、画面に何も映らない!

仕方ない、明日行く酒田にヤマダ電機があるのをネットで検索して発見したから、そこで同じ機種買うしかない!それまでは、ケータイのカメラでしのぐしかない! なにせこないだ買い替えたケータイカメラの性能はめっちゃよくって、正直デジカメよりいいものが撮れる場合もあったりしました。でも、なぜ同じ機種かって?それは、違うのメーカーの買ったら操作覚えるのに時間かかってすぐ使えないからですよ。(どんだけ機械音痴)あと、家のPCの写真フォルダは全部そこのメーカーのシステムに入っているからね。

念願の湯どの庵で、ワタクシだいぶやらかしてしまいました。完全に自分のせいです。でもこれで機嫌が悪くなるとか、宿の印象が悪くなることはなかったんです。いつもなら、絶対心がふくれっ面かいてたはず。

朝の露天風呂。ケータイでもなかなかイケます。

その、原因のひとつが朝の気持ちいい露天風呂。ここで、完全に不機嫌はリセットされ、さらにとどめは朝ごはん。特別豪華なものではないけれど、宿のごはんってこうだといいよね、ってのが過不足なく、しかもひとつひとつ丁寧に作られていてどれもおいしい!あ~しあわせ。

そして、次回こそは粗相なきよう、滞在を完全に楽しみたい!と再訪を誓ったのであります。どうも期待を100パーセント満たしてしまうと、満足しきってしまって、「もうこれでいいや」と思ってしまい、一度来たらそれでよしってなってたのかもしれません。足りないものがちょっとだけある(おまえのせいだろ)、このくらいのほうが、飽き足りずにリピートしたくなる、心憎いです、湯どの庵(笑)

でも「オレ写真」はアップしか撮れない。

もしかして、スキンケアなんかでも、100%のケアをしてしまうと、肌も自分も満足しきってしまって、油断するというか、自分で頑張ろう、という心意気が失われてしまうような気がします。ちょっと足りない、くらいが、肌の伸びしろを残してあげれるくらいが、実はちょうどいい塩梅なのかもしれません。過ぎたるは及ばざるがごとし。なんてちょっと強引か…

●湯田川温泉 湯どの庵
山形県鶴岡市湯田川乙38
☎0235-35-2200
www.kameya-net.com/yudono/
山形自動車道鶴岡インターより車で15分くらい

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美肌の湯 その14 山形県・湯田川温泉「湯どの庵」 編集/井上 智明

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