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美肌の湯 その10 宮城県・青根温泉「湯元不忘閣」 編集/井上 智明

今年の目標は、この温泉ブログの更新回数を増やしてこのHP 内の名物コーナーにすることです。

…ということで、ようやく10回目を迎えた、この美肌温泉巡り。
今回は宮城県にあります、青根温泉「湯元不忘閣」です。

これは、秋休み東北温泉修行の旅で行きそびれてしまった、気になってしょうがなかったお宿のひとつで、次回の秋休みにはぜひ…と思っていたのですが、結局我慢できずに(笑)新幹線に飛び乗って仙台まで行って牛タン食べて、目的地までバスに揺られたのです。新幹線で1時間40分、バスで70分。思ってたよか近い!クルマで行くと6時間?くらいはかかるので、こういう時は文明の利器(ってほどでもないか)を活用してひたすら眠り続けて目的地に到着。これもいいっすね。

しかし、バスは少し手前の遠刈田温泉までしかありません。そこから、宿に電話をして送迎車に来てもらうわけですが…電話をしてみると、「あ~今、車が出ちゃってるからね~タクシーが迎えにいくかもしれませんがお金は払わなくていいですよ~」。まじすか?で、10分後くらいに、本当にタクシーがやってきました…運転手のおばさんも「あ~宿の人に聞いてるからお金はいいよ~」と。よくあることみたいで、あとで宿の人が払ってくれるそう。料金にして1, 500円くらい。軽くすごい。こんなの初めてです。乗ってる間メーターは上がり続けるからドキドキするんですけどね。素敵な対応❤

なんかスポットライト浴びて入る感じ?優雅な感じです。

このお宿とは、予約の時からメールでやり取りをしていたのですが、この時のやり取りもすごく丁寧なんです。ありきたりの定型文ではなくて、きちんと個別に書いてくれているみたい。仲居さんにさりげなく聞いてみたら、どうやらメールを書いていたのは宿のご主人だそう。このあたりからして、宿そのものへの期待感も高まります。

ここのお宿はバリエーションの広い5つもの内風呂があるのが自慢。そのうち3つは貸切可能です。露天風呂なんてミーハーなものは必要ないもんね、って感じ。この5つのお風呂を男女の時間帯や貸切状況をチェックしながらぐるぐる巡ればもうそれだけで幸せです。まず感動したのは、「蔵湯」。「一番乗りですよ~」と宿の方に声をかけられながら向かうと、文字通り蔵の中、奥のほうににど~んとライトアップされた湯舟が鎮座なさっています。

広い空間の反対の端には脱衣籠が、トンっと置かれてて、素っ裸でいそいそとお風呂に向かう作り。まだ新しいので浴槽やインテリアの木の色が目に鮮やかで、香りもそこはかとなく漂います。お湯もどぼどぼと掛け流されて湯気ももわもわ。この空間を独占できるなんてどう考えてもすごく贅沢。気分はすっかりお殿様です。

お殿様っぽい?・・・でもないか。

はああ、ええお湯だ~♨と堪能したあとは、噂のお休み処へ向かいます。噂の…ってのは勝手に僕が事前情報で期待していたってだけなんですが、飲み物が置かれているのは当たり前、こちらでは、おでん、おまんじゅう、柿ピーなどのちょっとつまめるものから、極めつけは日本酒(しかも一升瓶)❤ 思わずここで盛り上がってしまえそうなラインナップです。もちろん、すべて「ご自由にどうぞ」。実際お客さんの多い土曜日とかは本当にここで知らない人同士で盛り上がってるみたい。

で、その廊下はさんで向こう側にはちょっとレトロなマッサージチェアが。これも、200円入れないと動かないなんてケチ臭いものではありません。タダサイコー❤思う存分“タダ”を満喫した後部屋に向かいます。…お風呂の後、部屋に向かわずにウダウダしているのには理由があって、実はお風呂から部屋まで遠いんです…文化財的建築のためか階段が90段くらいある。

ホントは右端におでんがあるんです。

しかも、その道すがらも、部屋も… 寒いサムイSAMUI !いつもは絶対やらない、浴衣の下にT シャツ(しかもピンク)+靴下(備え付け足袋とかないんです)かつ暖房全開で半纏も着たまま、で寝ました… 何せ、食事に行く時もその格好(涙)浴衣が似合うと自賛しているいなせななで肩体型もこうなるとうら哀しくしか見えません。あ、もっとお風呂から近い部屋もあるんですよ。でも、料金ケチッたばっかりに(しかも1000円)遠い部屋になったのです。タダに笑ってケチに泣く40歳独身男。 お前が寒いわっ。

そもそも、このお宿、料金が1万円台半ばなんです。でもでも、ここ、お料理もすごくちゃんとしているんですよ。ひとつひとつ手作りしている感がすごく好感持てるし、日本酒のつまみにいいものばかり❤お酒もすすんで、冷えたカラダもあったまります。またしても得した感を味わえました。芯からの寒さを味わったからわかる幸せなのかも。

でも、この宿で一番の幸せは深夜に入った「大湯」でした。もともと宿のほぼ敷地内にあって共同湯として使われていたものを買い取って、しかも男女別の壁を取り払って改装されて広々と生まれ変わったのです。この宿、お風呂には手間とお金かけてます!

お湯に集中…というかほぼ放心状態。

広々として天井の高い誰もいない内湯は本当に幸せ~ 暗めのライティングの中でゆらめく湯煙のなか、新鮮なお湯が惜しみもなく大量に注がれている様に寒さもふっとび深夜にテンション急上昇♨ひたすらお湯に集中しました。

泉質は弱アルカリ性単純泉とフツーなのですが、もちろん源泉たっぷりかけ流し。なんだか成分表ではわからない「お湯ヂカラ」にあふれるお湯です。伊達家のお殿様も御用達だったのも納得です。そして何よりも傑作なのは外の廊下に「頭のよくなる温泉」という看板がかけられていること!頭のよくなる?ええぇ?いったいどういうメカニズムで?まったくもって謎です。

看板を読んでも謎は一切解明されません。でも、とりあえずその夜も次の朝もたっぷり入って効果を期待。オレの物忘れも治るかな…?いいプラン思いつくかな…?とかそういうの狙ってみました。これで頭よくなれば本当にお得なのですが…

謎の看板。はじめてみました。

でも、よくよく考えてみるとキレイになるには「賢さ」は絶対条件。自分に必要なものを的確に見抜いて、計画性をもって実行する。

やり過ぎや「イタいおばさん」にならない限度を見極める…その人の知性が美を形作っているに相違ありません。…ってことは、この温泉に入れば「頭がよくなる→キレイになる」ってことですよ!

まずは信じてみないと何事も始まらないですからね。

●青根温泉・湯元不忘閣
宮城県柴田郡川崎町青根温泉1-1
☎0224-87-2011
仙台駅から高速バスで70分か、白石蔵王駅から路線バスで小1時間の遠刈田温泉より
送迎車で10分くらい
www.fubokaku.com/

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美肌の湯 その10 宮城県・青根温泉「湯元不忘閣」 編集/井上 智明

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