HEALTH

読者の「風邪のギモン」を医師が解説…【冬に体調よく過ごせる方法3選】

何だか今年は、いろんなウイルスが流行っている気がしませんか?子供たちの間ではマイコプラズマ大流行、秋でもプール熱など夏風邪にかかったり、季節外れのインフルエンザで学級閉鎖……一方大人も、電車などでコンコン咳をしている人をよく見かけ、寒暖差や秋のアレルギーで咳喘息になっている人も多いよう。コロナを経て、マスクが外れて一気にあらゆる感染症が流行中とか?それは…これからやってくる冬、そして年末年始が不安すぎる!実際のところどうなんですか?咳や呼吸器に詳しい先生に聞いてみました。

今年は何だか大変です!読者たちの〝風邪〟体験

私は〝喉から来る人〟。あれ?と思ったらスープを作って養生しますが今年はやられました

いつも風邪かな?という時は、喉に違和感が出るんです。唾を飲み込むと痛みが生じて、段々とひどくなっていくパターン。こんな時は、子供の頃からおまじないのようにレンコンスープをいただきます。だし汁にお醤油を少々、すりおろしたレンコンとショウガを入れお鍋でコトコト。分量は本当に適当です。食欲があれば、このスープにご飯を入れてお粥に。私はこれで本当に喉の痛みが和らぎます。それでここ数年は、大きな風邪を引かずにいました。でも今年、ちょっと調子の悪さを感じながらも、すぐレンコンが用意できなくてスープを飲まずにいたら、喉の痛みから寒気、発熱と、どんどん体調が悪化…。私なりの養生ジンクスの威力を感じました。(M・Mさん 会社員・45歳)

子供が風邪を引くとリレーのようにうつし合って一家でダウン。なぜかアンカーはいつも私…

家族は娘3人と夫と私。風邪はなぜだか7歳の三女→9歳の次女、長女(双子)→夫、私の順番にかかるのがお決まり。だいたい鼻水から始まり、ぼーっとしてきて頭痛。鼻が詰まっているので睡眠時に口呼吸になるせいか喉も痛くなるというパターン。喉が痛くなったら熱も出ます。今年は溶連菌がクセになったのか家族みんなで3カ月に一度かかるというサイクルに。扁桃腺が腫れて高熱が続き、子供も辛そうな姿で、心が折れそうに…泣きたくなるほどきつかったです。気合いで私だけうつらない時もあるのですが、子供が一人かかると、どう頑張っても姉妹の間でうつるんですよね。大人が気をつけていても子供が学校などから風邪を持ち帰ってくるのは避けられず、どうにか家庭内でうつし合わない方法はないのでしょうか。(S・Hさん 会社経営・35歳)

高齢の母と同居しているのでコロナ以降は特に敏感に。葛根湯とビタミンCで先手必勝ケアします

私の場合、ゾクッと悪寒がすると、風邪かも!のサイン。早めの対応で症状を緩和できると思っているので、違和感があったら葛根湯を。そしてリポソームタイプのビタミンCを3包一気飲み。湯船で芯から温まって早めにベッドに。寝る前にもビタミンCを3包。ビタミンCは体に留めることができず体外への排出が早いと聞くので、こまめに飲みます。そして喉が渇かないようマヌカハニーのキャンディーも常備。温かいお茶で水分補給も欠かしません。これで風邪をこじらせるということはここ数年ないのですが、今年は1日の中の寒暖差や、昨日暑かったのに今日は寒い!というような気温のアップダウンがこたえる…。高齢の母と同居しているので、何より母にうつらないように意識しています。(T・Kさん 主婦・52歳)

ドクターに聞きました▶︎▶︎

Q1:「子供からもらった風邪は辛い」って言うけどホント?

これは微妙なところです

小児と大人では重症化するウイルスが違います。RSウイルスは幼児では細気管支炎や肺炎など重症化リスクがあり、大人は風邪程度。ロタウイルスもお子様では下痢や嘔吐など辛くなりますが、大人では軽症か無症状。一方で、大人の方が重篤になるウイルスや細菌もあります。風疹や百日咳は大人の方が辛いことがあります。小児は年5~6回風邪を、大人は年2~3回風邪を引くと言われています。小児がいる家庭のパパ、ママはお子様から感染して、大人でも風邪の回数が増加。子供がいる家庭の大人はそれだけ風邪リスクが高いということでしょう。

Q2:年末の繁忙期や、受験シーズンを控えて不安。家族間でうつし合わないためには?

まずは睡眠です

米国の研究で、睡眠7時間の人と比較して、6時間未満で風邪を4.2倍罹患、5時間未満で4.5倍罹患とする報告があります。そしてウォーキングなど軽度の運動で免疫アップ。タオルの共有を避ける。食事を一緒にしない、などです。

Q3:風邪かなと思ったら?

葛根湯と軽い運動がおすすめ

葛根湯は良いと思います。ビタミンCのサプリを増量するのが効果的という医学的エビデンスはなく、おすすめしません。発熱や咽頭痛など、明らかに風邪なら寝ることが重要です。風邪の超初期で風邪になるかも程度の時、または周囲に風邪の人がいてうつるのが心配なら、ウォーキング10~15分程度は宜しいと考えます。軽度の運動は免疫をアップします。熱いお風呂での入浴は体力を消耗するのでNG。シャワーで軽く流すと、髪や顔などからのウイルスも流して家庭内の感染予防に。食事は消化の良いものを。食欲がないなら、喉越しのよいゼリーや果物で脱水にならないよう水分摂取をしましょう。

教えてくれたのは……池袋大谷クリニック 院長 大谷義夫先生

全国屈指の患者数を誇る呼吸器内科のスペシャリスト。最も気を付けている病気は風邪。『1日1万歩を続けなさい──医者が教える医学的に正しいウォーキング』(ダイヤモンド社)等、著書多数。

2024年『美ST』1月号掲載
写真/PIXTA 取材/半田典子

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