HEALTH
万年ダイエッターを悩ませる〝慣れ問題〟。以前成功した方法でまたやせたいのに同じ効果が感じられないのは、なぜ?その疑問に京大の筋肉先生が答えます!
\元に戻るが、改善法が大事!/

劇的に体重が落ちると人気の糖質制限。でも、実際に減っているのは水分で、脂肪はほとんど減りません。また不足したエネルギーを補うべく、筋肉のアミノ酸を分解するため基礎代謝は低下。貯水力も落ちて、2回目以降は劇的な体重減も期待できません。これが糖質制限慣れの真相。本来、人間の体には、脂肪の増加を察知するとレプチンという物質が満腹中枢を刺激し、満腹を早く感じさせる自動制御機能が備わっています。これが働かないのは、満腹中枢を担う自律神経に原因が。自律神経の働きを鍛えるほうが、無理な食事制限より効率的。強度の高い運動を1〜2分間行い、楽な状態に戻すインターバルエクササイズを毎日合計30分。続ければ一生太らない体が手に入ります。
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筋肉を大きくするには、mTOR(エムトール)という物質からのシグナルが必要不可欠。mTORのおかげで1回のトレーニングから筋肉肥大は急激に進みます。ただ、同じ負荷を続けると次第に反応が鈍る傾向が。また同じ強度の運動を続ければその刺激に次第に慣れ、段階的に負荷を上げる必要も出てきます。もしマッチョになるのが目的でないなら、1週間に数回の筋トレ後、翌週は休むという「おさぼり筋トレ」が効率的でおすすめ。一定の間隔を空けてトレーニングを続ければ、常にその刺激をフレッシュに感じ、負荷を上げずにタンパク合成の速度を一定に保つことが可能。ちなみにmTORにはアミノ酸とエネルギーが必須。筋トレしても筋肉がつきにくいのは食事内容が原因です。
近年、自律神経と肥満の関係性に注目が集まっています。過剰なダイエットで頑張ってやせても、数年で再び太り始める。その繰り返しに悩んでいた人こそ、自律神経の強化が必要です。自律神経というと、交感神経と副交感神経のスイッチにばかり目がいきがちですが、その働き自体も老化し、衰えてしまうものです。「脂肪がつきすぎたら食欲が抑えられる」「年々落ちる代謝に合わせた満腹感を得られる」。そんな、人間本来に備わっている機能を上手に生かせられるようになれば、死ぬまで活動的に動ける体が手に入ります。
教えてくれたのは……森谷敏夫先生 京都大学名誉教授
専門はスポーツ医科学と応用生理学。肥満のメカニズムを研究。糖質制限ダイエットに早くから警鐘を鳴らす。68歳にして体脂肪9.8%を誇る通称「筋肉先生」。『京大の筋肉』(ディジタルアーカイブズ)ほか著書多数。
2019年『美ST』3月号掲載
イラスト/平戸三平 取材/大山真理子 編集/長谷川 智
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