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【おせち料理で美養生】この3品を作ればお正月は来ます

お家でゆっくり過ごしたいお正月、今年はおせちも手作りしたい気分です。おせちと言っても難しく考えず、手軽に作れるものを。現代人の口にも合うレシピを井澤由美子さんに教えてもらいました。定番の黒豆、田作り、なますに、美容効果を高める食材をプラスして、よりおいしく美しく。おせちは日持ちがするので、普段の作り置きとしても重宝します。

「おせち料理で美養生。この3品を作ればお正月は来ます」

今度のお正月に、ぜひ作ってほしいのが、黒豆、田作り、なますの3品。見た目に美しく、簡単で、現代人の口にも合うレシピを、井澤由美子さんが教えてくれました。「お正月を祝うおせち料理は、五穀豊穣や無病息災、子孫繁栄などを願う縁起物。重箱にぎっしり詰めた豪華なおせちはハードルが高いですが、この3品なら無理なく作れます。黒豆、田作り(カタクチイワシの稚魚)、なますに使う大根やにんじんは、もともと美容によい素材。プラスαで美を養う効果を高めましょう。黒豆にはシナモンや赤ワイン、田作りにはたっぷりのナッツやごま、なますにはビーツや菊の花を加え、見た目もグッと華やかに。甘みは、体にやさしくミネラルも豊富な黒糖やメープルシロップ、はちみつを使っています。おせちは保存性が高いので、日々の常備菜やおやつとしても重宝しますよ」

人に優しい食べ物の在り方は自然とともにあると考え、旬の食材の効能と素材の味を生かしたシンプルな料理を提案。醗酵食レシピの開発はライフワーク、薬膳にも造詣が深い。著書に『毎日の食事で心と体をととのえる漢方ごはん』(共著)など。

A:黒豆シナモン

まめ(豆)に働き、まめに暮らせますよう、無病息災を願って。滋養強壮に役立つ黒豆は抗酸化作用の高いポリフェノールも豊富。シナモン、黒糖、赤ワインを加え、巡りのいい体に。スプーンですくって煮汁ごと、素材の力を余すことなく取り入れましょう。

豆の中でも特に滋養が高い黒豆。薬膳・漢方では腎をケアし、老化防止に役立つ代表食材です。黒豆ポリフェノールは血流を良くし、肝機能もケア。上質な植物性たんぱく質でありながら腸に負担をかけず、体を元気にしてくれます。

シナモンは体のめぐりをよくする代表的な生薬。黒糖と合わせれば温め効果倍増。ポリフェノールを含んだ赤ワインと合わせると、アンチエイジング効果が高まり、キレのいい味わいに。金箔で気分もUP!

黒豆シナモン

材料(作りやすい分量)

黒豆……250g

A

シナモンスティック……3

黒糖……200g

醤油……50ml

赤ワイン……80ml

重曹……小さじ1/2

作り方

❶黒豆はやさしく洗い、欠けたり皮が裂けているものなどは取り除く。

❷大きめの鍋に水1,500mlを沸かし、弱火にして混ぜながらAを入れる。火を止めて①の黒豆を加え、厚手のキッチンペーパ ーをかぶせてひと晩おく。

❸キッチンペーパーをかぶせたまま中火にかけ、温まったらごく弱火にし、3〜4時間煮て、そのまま冷ます。※煮るときに蓋の間に箸を1本挟んでおくと吹きこぼれにくい。※金箔をのせて供する。

B:大根、にんじん、ビーツのなます

慶事を象徴する紅白を、にんじんと大根で表現した紅白なますは、平安を願う縁起もの。年末年始の疲れた胃腸を整えます。食べる輸血とも呼ばれるビーツ、メンタルの安定に役立つ菊花を加えて、見た目も華やかに。りんご酢と食物繊維との相乗効果で腸内環境の改善にも役立つ1品です。

消化酵素が豊富な大根が疲れた胃腸をサポート。にんじんのβカロテンは粘膜を強化し、ハリのあるツヤ肌に。眼精疲労の予防にも。ビタミン豊富なビーツで美肌に磨きをかけて。

菊は、かすみ目や酒毒に効果的とされる薬膳素材。りんご酢のグルコン酸は腸内の善玉菌の好物で、食物繊維の豊富な野菜と一緒に摂ればより整腸効果がUP。はちみつには抗菌作用があり、腸を潤し便秘予防に。

大根、にんじん、ビーツのなます

材料(作りやすい分量)

大根……薄切り20

にんじん……薄切り20

ビーツ……薄切り20

菊(食用)……2

三つ葉……適量

柚子……適宜

りんご酢(または米酢)……大さじ4

A

はちみつ……大さじ23

粗塩……小さじ1

昆布だし……大さじ2

作り方

❶野菜はすべて皮をむき、スライサーで横に薄切りにする。大根は塩水に10分漬けてザルに上げる。にんじんとビーツは塩もみし、しんなりしたら、水で洗う。

❷菊は酢を入れた熱湯でさっと茹で、冷水で締め、水けを切る。三つ葉もさっと茹で、冷水にとって水けを絞っておく。

❸Aのはちみつ、塩をボウルに入れ、温かい昆布だしで溶き、酢を混ぜ、ゆず果汁を適宜搾る。これを4等分し、①の野菜、②の菊をそれぞれ漬け込む(10分〜)。

❹大根、ビーツ、にんじん、菊の順に重ね、左右を重ねて巻き、三つ葉で結ぶ。好みで柚子皮を削って振る。

C:ナッツとメープルの田作り

五穀豊穣の願いを込めて。田作りに加工されるカタクチイワシの稚魚は、カルシウムとその吸収にかかせないビタミンDも含むため、ヘルシー な美肌づくりに最適。美肌に役立つナッツやごまは、脳のアンチエイジングにも◎。甘みは、ミネラル豊富で低カロリーなメープルシロップで。サクサクとした食感が後を引きます。

田作りには、たんぱく質、ビタミンD、ビタミンB群、カルシウムなど、美肌作りに欠かせない栄養が豊富。イライラ予防にも役立ちます。レンジ加熱すれば焦げる心配もなく乾煎りと同じ状態に。

美肌・美髪に役立つビタミンEや、血の巡りをよくする不飽和脂肪酸を含むナッツやごま。八丁味噌、メープルシロップは抗酸化物質のポリフェノールを含み、美肌力を高めてくれます。

ナッツとメープルの田作り

材料(作りやすい分量)

田作り……50g

白ごま……大さじ3

ミックスナッツ(くるみ、アーモンドなど)……大さじ4

糸唐辛子……適宜

A

醤油・本みりん・メープルシロップ……各大さじ2

八丁味噌……小さじ1

作り方

❶田作りは耐熱容器に入れ、ラップはせず、600Wのレンジで2分加熱する。

❷ミックスナッツのくるみは手で割り、アー モンドなど硬いものは、布にはさんですりこ木などで粗めに砕く。

❸フライパンに②を入れ、中火で乾煎りし、ごま大さじ2を加えて焦がさないようさっと乾煎りする。①の田作りを加えて混ぜ、端に寄せる。空いた部分に、Aを混ぜ合わせて加え、ふつふつと煮立ってきたら、全体を混ぜ合わせる。

❹水分がなくなる直前に火を止め、オーブンシートに広げて、残りのごま大さじ1を全体にふり、冷ます。器に盛り、好みで糸唐辛子を散らす。

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2022年『美ST』1月号掲載
撮影/合田昌弘 料理/井澤由美子 スタイリスト/曲田有子 取材/伊藤由起 編集/小澤博子

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