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ライブ感と少量多皿のコースがトレンド!都内の最先端【中国料理レストラン】

以前の中国料理は大皿でドカンと出てくるイメージでしたが、今人気が高まっているのは多種多様な味を少量ずつ頂ける高級店。さらにそれがライブ感溢れる店内でコース仕立てで楽しめるのだから、特別な日のお出かけにもってこいです。美味しいものを少しずつ食べたい40代50代に嬉しい、都内の名店をご紹介します。

約30品、情報量多めで攻めるエンタメ系モダンチャイニーズ

ひと昔前の中国料理は、ひと皿のボリュームがグループ仕様で、1人や2人では品数を食べられなかった。飲茶だってそうだ。それが今では、高級店を中心に10品以上のコースで勝負する店が主流。緩急のあるエンタメ性の高い構成で、最後まで楽しませてくれる。最新の注目店をのぞいてみた。西麻布の「浮雲」は、少量多皿で快進撃を続ける、六本木「虎峰」麻布台「シリーズ」と同系列の最新店舗。浮雲のような型にはまらない自由な発想で、〝クラウド〞から自由に引き出されるコンテンツのように、一期一会の創作中華を提供する。コースの品数は約30皿にのぼるが、ひと口サイズの前菜からして情報量が多い。甘エビとヤリイカは四川風の椒麻ソースで。インドのスナック〝パニプリ〞仕立ての柿とピータンは、マスカルポーネと練り胡麻で白和え風に。アワビは油条(揚げパン)に盛り、ローズマリーと実山椒で…といった具合。組合わせの妙がもたらすハーモニーと、その重なりが、新たな味覚の扉を開けていく。すべてを写真に収めようと思いながらも、気づけば夢中で食べている。そんなフーディーも多いようだ。カクテルを取り入れたドリンクペアリングも、また楽しい。例えば、紅芯大根を使ったピンク色の大根餅には、朝摘みのカシスで作られる希少なクレーム・ド・カシス(リキュール)と上質の烏龍茶を使った〝カシスウーロン〞を。ピュアなカシスの風味が、旬の大根が持つ甘みを際立たせ、華やかな余韻を残す。

ギーで香ばしくソテーしたタイに、魚の頭だけで作る魚白湯とエビの頭から取ったアメリケーヌソースを合わせて。高菜と小米辣がアクセント。おまかせコース ¥8,800〜

ひと口サイズの前菜の盛り合わせ。ひとつひとつが五感の違う部分を刺激する。

紅芯大根の大根餅の甘みに、自家製のラー油がマッチ。

アヒルの舌を四川風のたれで煮込んだ「水煮鴨舌」。手づかみで食べるのが楽しい。

香ばしいおこげは、蒸し魚のだしで作るあんをかけて滋味深く。

浮雲
東京都港区西麻布4-4-9 麻布ミヤハウスB1 ☎03-6452-6953 営業時間18:00一斉スタート ※水・土曜は21:00から予約不要のバー営業あり。日曜休業

さらに純度を増した〝山下中華〟をライブ感溢れるシェフズテーブルで

一方、「わさ」は、中国料理界の奇才と称される、山下昌孝さんが腕をふるう店。昨年10月に恵比寿に移転し、「料理に集中できる、今がいちばん楽しい」と言う。おまかせコースは、全13品ほどで、それぞれの完成度がとても高い。例えば、普通の店なら箸休めで出てくるザーサイも、ここではスペシャリテのひとつ。中心の柔らかい部分を千切りにし、同じく千切りのきゅうり、ねぎとともに、ごま油で和え、キンキンに冷やした状態で提供される。口に入れるとザーサイの食感が際立ち、体中が清涼感に包まれるようだ。よだれ鶏も、象徴的な料理。大山鶏のモモ肉はコンフィでしっとりと仕上げ、辛みや酸味が立ちすぎないソースは、ほのかに甘く熟成した香り。ふんわりと添えられたごく薄切りのセロリ、きゅうりは、さ っと火を通してあり、やわらかいのにみずみずしい。そして、この日の出色は、アオリイカ。「塩水で洗い、さっと焼くだけ」と山下さんは言うけれど、香りがよく、うっとりするほど甘く、飲み込むのが惜しいほど。グリーンの椒麻ソースが爽やかだ。極上の素材を前に余計なことはせず、細部を突き詰めることで純度を高めた、山下中華の真骨頂。調理の様子は、キッチンを取り囲む客席からつぶさに眺められる。それぞれが独立したテーブル席なので、隣を気にすることなく、約2時間の山下劇場を堪能したい。

ミディアムレアな火入れのアオリイカは甘みが際立ち、素材の良さがよくわかる。おまかせコース ¥25,000

岐阜の名店「開花亭」(現・東京「Furuta」)の古田等シェフへの尊敬を込めて作り続けている、ホタテとウニの包み揚げ。ひと口で食べると、バターがジュワッと溶け出し、素材と融合する仕掛け。

よだれ鶏と、進化するザーサイは、いずれもスペシャリテ。よだれ鶏の残ったタレにはレタスを入れて。

牛ほほ肉の紹興酒煮込み。花巻もついてくるので、ソースも残さず食べられる。

わさ
東京都渋谷区東3-16-1 ベルザ恵比寿1F ☎非公開(予約はOMAKASEサイトから)営業時間17:30〜、20:30〜の2部制、 日・月曜休業

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※各店の情報は取材時のものです。

2021年『美ST』3月号掲載
撮影/田村浩章 取材/伊藤由起 編集/伊達敦子

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