HEALTH
糖質制限が続かなくてリバウンドした経験ありませんか?「ごはんは太るから」と制限するのではなく、糖質を味方につけるのが「足し算食べ」。食べたものは同じでも〝どう吸収されるか〟を考えて食材を組み合わせるだけで、太りにくい体になれるんです。
カロリー制限や糖質制限はいわば「引き算」。食べてはいけないものが増えるとストレスがたまり、食欲が爆発しやすくなってしまいます。食事指導を行う中で、一生続けられるようにと考えたのが「足し算食べ」です。大事なのはカロリーよりも食後血糖値。糖質を摂りすぎると血糖値が急上昇し、余分な糖が脂肪に蓄えられ、生活習慣病のリスクが高まります。だから糖質が〝どう吸収されるか〞を考えて血糖値の急上昇、急降下をコントロールすればいいのです。「足し算食べ」なら同じものを食べても、組み合わせる食材で食後血糖値を緩やかに抑えることができます。やり方は簡単。食事の際に「食物繊維」「油」を意識してとること。糖質を敵にせず、味方につける食べ方をすれば栄養のバランスも整います。
教えてくれたのは……管理栄養士 足立香代子先生
一般社団法人臨床栄養実践協会理事長。医療現場で生活習慣病など、豊富な臨床経験に基づいた社会人教育を実施。自身でも血糖値測定器をつけて検証を行っている。
ごはんを抜くより、オイルと具材を足してバランスの取れた1品に。オイルでごはんをコーティングすれば消化吸収のスピードが緩やかになり、血糖値の急上昇が抑えられます。
炊きたての玄米にオリーブオイルを加えて混ぜる。角切りにしたアボカド、1㎝幅に切ったスモークサーモン、輪切りにしたブラックオリーブを加え、混ぜ合わせる。好みで塩・胡椒して味を調える。
炊きたての白いごはんにオリーブオイルをさっと混ぜ合わせ、しらすと刻んだ大葉、白ごまを加えて握る。桜エビや刻みネギなどを加えても風味が増す。冷めてもごはんが硬くならず美味しい。
炊いた雑穀ごはんに亜麻仁油を加える。食べやすい大きさに切ったキュウリ、セロリ、チーズ、プチトマトを加え、塩・胡椒で味を調えてさっと混ぜる。
オイルと同じように食物繊維を足すことでも食後血糖値の上昇が抑えられます。糖質の多いメニューには食物繊維をプラス。コンビニ弁当などを買って食べるときは、食物繊維が多いキウイなどの果物を足すだけでも違います。
海藻には水溶性食物繊維が豊富。乾燥したものは保存食としても使え、味噌汁などに入れて簡単に食物繊維が摂れる。
水に溶けない不溶性食物繊維が多いきのこ類。肉や根菜などと炒めるとカサが増えるのでたくさん食べられます。
パプリカやブロッコリーなど食物繊維の多い野菜をサラダにしてプラス。オイルを使ったドレッシングで和える。
食事と食事の間隔があきすぎると、ドカ食いや早食いの原因に。がまんするより間食をとって空腹ストレスを解消しましょう。ただし、間食も「栄養補給」を念頭に選ぶこと。アイスなら乳脂肪分の多い高級なもの、チョコはカカオ含有量が多いものを食べましょう。
柔らかいおかずに噛みごたえのある食材をプラスすると食事時間が長くなり、栄養バランスも整います。コツは野菜を大きめに切ることと火を通しすぎないこと。またメニューを選ぶときも、柔らかいハンバーグより噛みごたえのあるステーキを。
ミネストローネにはトマトやキャベツなどの野菜を大きめに切ってあまり煮すぎないようにすると噛みごたえが出る。
2018年『美ST』5月号掲載
撮影/楠 聖子 フードスタイリスト/武藤ユカ 取材/竹下順子
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