HEALTH

第22回 「れんこん」

毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第22回のテーマは、名残りの「れんこん」です。

[れんこん] れんこんは、蓮(はす)の肥大した地下茎。泥の中で枝分かれするように増え、育つ。鎌倉時代に中国から渡ってきた在来種と、明治期以降に渡ってきた中国種に大別され、一般のスーパーなどで売られているのは、ふっくらとして大きい中国種。小さく細く、繊細かつ濃厚な口当たりの在来種は希少で、日本料理店などで重宝されている。走りはシャキッとみずみずしく淡泊な味わい。名残りは実が緻密になり、甘みが増す。

 

 

 れんこんの目利きどころ

穴は10個くらい空気を取り込むための穴は、真ん中に1個、周囲に8~9個。ほぼ均一に並んでいるものがベター。
節間が締まっている節間がキュッと締まっていて、みずみずしく、表面に傷や、茶色く変色した部分がなるべく少ないものを。
ふっくらしている全体がふっくらとして張りがあり、見た目より重いもの。漂白されていない、泥付きのものがベター。

 

 

低温でまるごとゆっくり茹でるれんこんは水から入れ、沸騰直前で火を弱め、90℃くらいを保ちつつ、30分以上茹でる。竹串がすっと通ればOK。デンプン質がゆっくり糖化するため甘みが増し、むっちりとした食感に。スライスして揚げるとカリカリに。
 

カリカリ、シャキシャキ、ホックホク。
れんこんの食感は調理で変わる

 

れんこんに含まれるビタミンCは、風邪の予防や美肌の味方。また、粘りの成分、ムチンは、たんぱく質の分解、吸収を促進し、胃壁を保護する働きも。年末年始のごちそうに疲れたときに、おすすめです。

「名残りのれんこんは、水分が少なく、実が緻密になって、甘みが増します。皮が張ってくるので、ピーラーで厚めにむき、繊維を断つように切って酢水にさらします。さらす時間が長すぎると、酢のニオイがついてしまうので気をつけて」と、内田さん。

今回は、切り方や加熱方法で、食感の違いを楽しめる3つのレシピを教えてくれました。「『れんこんチップ』は、れんこんを下茹でしてから揚げることで、驚くほどクリスピーな食感になります。『洋風酢ばす』は、シャキッとみずみずしく、白ワインが欲しくなる味。『れんこんのトマト煮』は、れんこんをよく炒めてから煮て、名残りのホクホクとした食感を引き出しました。三品三様の食感、ぜひお楽しみください」

【乱切り】コリッとした食感で、煮物、炒めものに向く。断面が大きいので味が入りやすい。
【縦切り】サクサクとした歯応えで、きんぴら、炒めものに向く。繊維が細い走りのれんこん向き。
【輪切り】厚めに切るとモッチリ、極薄く切るとパリパリ、シャキシャキ。ソテー、煮物、揚げ物に。

 

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com

 

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第22回 「れんこん」

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