HEALTH
毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第17回のテーマは、盛りの「ゴーヤー」です。
[ゴーヤー]
本州では、ひと昔前まで「ニガウリ」と呼ぶのが一般的だったが、沖縄料理がポピュラーになるに従い、「ゴーヤー」の名で親しまれるようになった。正式和名は「ツルレイシ」。原産は熱帯アジアといわれ、日本での主な生産地は沖縄、南九州地方。未熟な実の種とワタを除いて食用にする。独特の苦みが特徴で、炒め物や揚げ物などの油調理向き。切り方や調理法によっては生でも美味しく食べられる。
ゴーヤーの目利きどころ

塩と熱湯でえぐみを取りクリアな味に ゴーヤーの表面(表裏)に塩をまぶし、待つこと10分。水分が出てきたところで熱湯を回しかけると、苦みも穏やかに。
ゴーヤーは夏の救世主。
ひと手間かければ
料理の幅が広がります
ゴーヤーの濃い緑色は、熱帯の太陽からその身を守る、強い抗酸化力の証し。加熱調理しても損失が少ないビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウムも豊富で、暑さで疲れた肌や体の回復を助けてくれます。
「ゴーヤーはまさに、夏の救世主。ただ、あの苦みがちょっと……という人もいるでしょう。何を隠そう、僕もその一人(笑)。苦みは、油調理や、豚肉などの動物性たんぱく質と合わせることで緩和されますから、『ゴーヤーチャンプル』は理にかなった料理です。だけど、そればっかりじゃ、つまらないよね。そこで今回覚えていただきたいのが、ゴーヤーの下処理。余分な苦みやえぐみが取れて、一気に使い勝手のいい素材になります。もうひとつ、ゴーヤーの調理で大事なのは、切り方。縦に切るのと、横に切るのとでは、歯応えだけでなく味わいがかなり違います。今度ゴーヤーを調理する際は、ぜひ食べ比べて、その違いを体感してください」(内田さん)

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com
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2025年12月16日(火)23:59まで
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