HEALTH

第14回 「ふき」

毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第14回のテーマは、走りの「ふき」です。

 

[ふき] 日本原産の野菜のひとつ。野生種(天然もの)は、全国各地の川べりなどに自生している。ふきの茎は地中で水平方向へとのびていて、その地下茎から出てくるのが、早春の山菜として知られる「ふきのとう」=ふきの花のつぼみ。一般的に「ふき」として食べられるのは、地下茎から垂直方向へとのびる葉柄の部分。走りは水分が多く、柔らかく、葉も食べられるが、名残りになると太く筋張り、苦みが強くなってくる。

 

ふきの目利きどころ

 

 

調理の前に下茹でをして
アクをしっかり抜く
1.沸騰した湯で茹でる(写真右)
太さにより3〜5分ほど茹でる。温度が低いと、茹で上がりの色が悪くなる。透明な翡翠色になり、浮き上がってきたらOK。
2.水にさらす(写真左)
たっぷりの冷水に10分ほどさらす(途 中、水が温んだら水を替えるとよい)。これでさらにアクが抜け、色止めにもなる。
 

季節は春から初夏へ。
ふきの清涼な風味が
体を目覚めさせる

 

 ふきの花のつぼみ「ふきのとう」は、早春の風物詩。それに比べて、春から初夏にかけて旬を迎える「ふき」は、ちょっぴり地味な存在かもしれませんが、「きちんと下ごしらえしてやれば、翡翠のような美しい色と、初夏らしい清涼な風味が楽しめる。季節の恵みそのものです」と、内田さん。そのほろ苦さの成分には、体内の老廃物をデトックスする働きが あり、食欲増進、消化促進にも役立ちます。食べられる時期が限られるからこそ、逃さず食べたいもの。

「ふきの風味は非常にしぶとくて、どれだけ煮ても炒めても飛びませんが、食感や色は、火入れによって違ってきます。そこで、今回ご紹介するのは、ふきづくしの定食。ふきのほろ苦さと味噌のコクで、ご飯が進む味噌煮、翡翠色を活かしたピクルス、シャキシャキとした歯応えとさわやかな香りを楽しめるお吸い物の3点です。ふきを調理したことがないという人にもおすすめの、入門メニュー。ぜひ作ってみてください」

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com

 

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第14回 「ふき」

2025年1月号

2024年11月15日発売

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