HEALTH
毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第13回のテーマは、名残りの「小松菜」です。
[小松菜]
地中海沿岸から、中国を経由して日本に伝わったといわれる、アブラナ科の野菜。交配を繰り返しながら、江戸時代には全国各地で栽培されるようになった。なかでも、東京・江戸川区の小松川周辺で栽培されていたのが「小松菜」の原型。今でも、東京の生産量は全国で1、2位を誇る。初冬は生でも食べられるほど葉が柔らかいが、晩冬に近づくにつれて葉が徐々に厚くなり、風味は濃厚になっていく。
小松菜の目利きどころ

葉と茎を分けてさっと下茹でする沸騰した湯(塩は入れない)に茎から入れて5秒ほど茹で、葉を加えてさらに5秒ほど茹で、ザルに上げる。余熱で火が入るので、茹ですぎは禁物。 名残りの小松菜は下茹でがポイント。
ぐっと洗練された味になる
ほぼ一年中、スーパーに並んでいる小松菜ですが、本来の旬は真冬です。ビタミンA、C、Eという、アンチエイジングの3大栄養素を含み、カルシウムも豊富。寒さのストレスを受けやすい冬の体にとっては、まさに自然のサプリメントと言えるでしょう。「この時季の小松菜は、甘みも香りも濃厚。軽く下茹でしてから使うのがおすすめです」と、内田さん。さっと茹でるだけで小松菜の泥くささが取れ、グッと洗練された味わいになります。
「今回、ご紹介する小松菜のパスタは、特に気に入っているレシピで、毎年アレンジを変えながら、作り続けています。経験的に『葉ものは3種類以上組合わせると、数倍味わい深い』という確信があるので、菜の花、セリを加えました。結果?もちろん、大成功!名残りの小松菜と走りのトマトを組合わせた和え物、しょうがでスッキリ仕上げた茹で浸しも、名残りの小松菜ならではのレシピです。ぜひ作ってみてくださいね」

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com
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2025年12月16日(火)23:59まで
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