HEALTH
毎日のように野菜を見て、触って、感じた事実を基に、独自の野菜の見方・食べ方を確立してきた内田 悟さん。これまでの常識を覆すような、新たな野菜の魅力に出合える連載です。第3回のテーマは、そろそろ名残りの「筍」。
[筍]
原産地は中国江南地方。日本の主な産地は九州全域、静岡、千葉などで、旬は3月初頭から5月初頭にかけて。走りは柔らかく、えぐみが少ないため、採れたてのものは刺身でも食べられるほど。4月中旬を過ぎると、そろそろ「名残り」の時季で、1㎏クラスの大ぶりのものが多くなる。いずれも、入手後すぐに下茹でするのが美味しく食べるコツ。
筍の目利きどころ

【筍の茹で方】(1)筍は穂先を斜めに切り落とし、その断面を上に向けて、中央部に縦に切り込みを入れ、裏返して同様に切り込みを入れる(大きい筍の場合は縦半分に切る)。
筍は鮮度が命。 春の名残りの大きな筍。
しっかり火を入れて
力強い風味を引き出そう
春の風物詩「筍」は、なにしろ生長の早い植物。一日に平均20〜30㎝ほども伸びるといわれ、土から顔を出して一旬(10日間)もすると、すっかり「竹」になってしまいます。
だから、本当に美味しい時季は、産地ごとに2〜3週間ほど。全国的に、そろそろ「名残り」の時季を迎えます。
「走りの筍は柔らかく、下茹でしたのをスライスして食べると、その清らかな香りにハッとするほど。まさに春の王様ですね。でも、名残りは名残りで美味しいもの。柄が大きく、苦みもあるけれど、しっかり火を入れると、独特の滋味が楽しめます。」
「今回ご紹介する料理3品は、筍の滋味を活かしつつ、苦みやえぐみを和らげるアミノ酸系の旨みや、油のコクをプラスしています。だしを一切使わない筍のおこわは、どこか懐かしい素朴な味。きんぴらは、唐辛子入りの味噌味が食欲をそそります。筍と同旬のトマトを合わせたカポナータ風は、初夏の気配も感じる風味。冷えた白ワインが欲しくなります。」

1955年、北海道生まれ。2005年にレストラン専門青果店「築地御厨」創業。本業のかたわら、2007年より一般消費者を対象に「やさい塾」を開講。http://www.yasaijyuku.com
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2025年12月16日(火)23:59まで
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